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第四章 公爵の陰謀 3

 廊下で足を止め、ロードライトは窓から外を振り仰いだ。細かな装飾が施された窓枠は大きく、昼間には日の光が奥の方まで届く。

 窓が大きいということは、平和がそれだけ長く続いているということを意味している。戦が絶えない国の城は砦としての役目が強い。窓は小さく陰気で、相手に攻撃を仕掛けるための細工があちらこちらに仕掛けられているのだという。

 いずれこの城の主となるロードライトは、無論この城にもそういった類の仕掛けが無数に施されている事を知っていた。全ての隠し通路もまた、頭の中に入っている。数百年単位で使われてはいないはずだから、きっと想像するのも恐ろしいほど埃が積もり、蜘蛛の巣が張りまくっているに違いなかったが。

「クラルテの城は明るいのですね」と、デリフェルからの使者が何かの折に漏らしていた。紛争や戦争が絶えない国だから、きっと隠し通路も頻繁に使われ、城の内部も暗いのだろう。ローオールはどうなのだろう。あちらはデリフェルより北にある国だから、元々窓は小さめに作られているだろう。ひょっとすると、城の中はデリフェルよりさらに暗いのかもしれなかった。


「殿下」


 ミランダが追ってくるかと思ったが、駆け寄ってきたのはまだ若い侍男だった。カーティスともう一人の近衛騎士が、王子の前面に出る。侍男はその場に膝をついて頭を垂れた。

「こちらを王子にお届けするようにと」

 差し出されたのは、何の変哲もない一通の書状だった。封をしている紋章は、鷹とツタが絡み合った意匠のものだ。

「西部の公爵のものだね?」

「はっ」

 短く答えを紡がれる。公爵以上の階級の書状は、直接国王もしくは王子に通されることが義務付けられている。結び付けられている細いリボンの色は黄色。親書だ。頷いて促すと、カーティスが一歩前に出て、差し出された書状を男から受け取った。それをさらにカーティスから手渡されると、ロードライトは鷹揚にうなずいた。

「ご苦労だったね、下がってくれて構わないよ」

 言いつけられると、侍男はまたふかく頭を垂れてから、その場を後にした。

「親書、ねえ。この時期に、ってことは税の関係かな……?」

 少し悩んだ後で、ロードライトはカーティスに目をやる。

「ペーパーナイフ……を持ってたりはしないよね、さすがに」

「……ええ、さすがに。そういったものまでは」

「まあいいや、自室に戻ってからゆっくり読ませてもらおう。これ以上頭痛の種が増える類の物でなければいいんだけど」

 苦笑して息をつき、ロードライトは親書を懐に仕舞う。

 ミランダはまだ追いついてこないのだろうか。何気なく廊下の向こうに目をやったその時、今度は石の壁に反響させながら、せわしない足音がこちらに近づいてきた。

「!?」

「殿下、お下がりください」

 二人の騎士がすぐに王子を庇いながら剣の柄に手をかけ、向こうをにらみすえる。ロードライトは大人しく壁に背を預ける。だがまあ、ここは城の最深部だ。侵入者がいたならば、もっと早くに派手な騒ぎになっているはず。だとすれば。

 廊下の角から姿を現したのは、ロードライトの予測通り、クラルテの伝令だった。顔は青ざめ、必死の形相をしている。

「どうした?」

「王子殿下!! こ、こちらにいらっしゃいましたか!」

 転がるような勢いでその場に膝をつくと、男は甲高い声で続けた。

「デ、デリフェルの第一王女が失踪されました……! デリフェルはローオールに王女の引渡しを要求し、その……」

 騎士達が凍り付いている。その奥で、ロードライトは思い切り眉根を寄せた。

「……大人しく引き渡さなければ開戦する、と通牒を突きつけたか。ローオールは」

「覚えは、全く、ないと……」

 ドン、と鈍い音がした。カーティスともう一人の騎士が、ぎょっとして後ろを振り返る。

 壁に拳を叩きつけて、ロードライトが滅多に見せない剣呑な表情で、宙をにらみすえていた。普段の穏やかな表情とは全く違うのに、いっそゾッとするほどに迫力があって目が離せない美しさが、そこにはあった。

「……くそっ!」

 短く悪態をついて首を乱暴に振ると、ロードライトは走り出さんばかりの勢いで歩き始める。

「父上に当然連絡は行っているな? 執政官と宰相には」

「今他の者が使いに」

「よし。ジェドル、会議室を開けて来い」

「はっ」

「ミランダはまだ母上の部屋か。呼びに戻るぞ。間諜はどれだけ戻っている?」

 指示を飛ばしながら、ロードライトは無意識に胸元に手をやった。

「まだ間に合うかもしれない、開戦だけはなんとしても阻止するように働きかけないと、どこの国も今は収穫期だ。この時期に戦? 畑や倉庫が焼かれれば、どれだけの民が冬を越せずに飢え死にすると思っているんだ!」

「それはデリフェルの国王に尋ねるべきでしょうね」

「ああ全くだ。この場にデリフェル国王がいらっしゃったら、胸倉掴み上げて問い詰めている所だよ! お前は正気なのかってね!!」

 ちっ、と舌打ちをする様子はおよそ王子らしくない。だがそれを咎める気は、カーティスにもさすがに起こらなかった。





会議室に集まったはいいが、有効な手立ては何一つ見つかりはしない。クラルテも収穫期を迎え、今は一年で一番忙しい時期だ。

誰の手も空いてはいないし時間も簡単に割けはしない。そんななかでのデリフェルの実質の開戦宣言は、まさに寝耳に水の出来事だったのだ。憔悴しきった様子を隠そうともせずに、年老いた執政官たちが小声で何かを話し合っている。

「デリフェルの王女の行方は本当につかめていないのですか。間諜は」

「様子見の意味が強かったですからね。そこまで数を放ってはおりません。……クラルテ内部の様子を探るのにも、人数を割いていましたから。デリフェルと繋がり、わが国から火炎石を違法に輸出させていたものを、探すのに」

 ユーロパが、渋い顔で言って腕を組む。現国王の一の騎士でありながら、国の裏の面を全て取り仕切っている彼が暗い顔をしていることも、またその場の空気を重くさせた。

「輸出禁止の圧力も水泡に帰す、か。王族を殺されれば、確かに無条件で戦を仕掛けるだろう。だが……」

「収穫期の今に開戦され、兵が駆り出されれば」

「ローオールは気候が厳しい。冬支度が出来なければ、民の痛手は甚大だろう。デリフェルは雪が来る前にけりをつける気らしいな」

 沈黙が落ちる。支度をさせずに冬を迎えさせ、国力を削いでおいて春に攻め込めば、どうなるか。結果は見なくても明らかだ。

「ローオールもそれが分かっているのでしょう。攻め込まれれば国が壊滅する。王女誘拐は狂言だ、仕掛けた方がいいのではないかという意見さえ出始めているようです」

「元々、危うい均衡を保ってはいましたから、明日開戦、でもおかしくはない状態ですね」

「国境を接している西部から、情報は入っていないのか」

 その言葉に、ロードライトはふと懐に仕舞っていた親書の事を思い出した。

「……少し休憩を取ろう。皆、連日の激務で疲れているはずだ。煮詰まっているなら一度外の空気を吸った方がいいだろう」

 片手を挙げて提案する。夜中だということもあり、その案はすんなり通った。徹夜続きで今にも倒れそうな者も、一人や二人ではなかったのだ。



 控え室に下がり、ロードライトは襟元を緩めて息をついた。もう少し楽な服装に着替えるべきかもしれない。この調子なら数日はろくに睡眠が取れなくなるに違いない。考えるだに憂鬱になる。深く息を吐いてから、ロードライトは上着に突っ込んでいた親書を取り出した。

「殿下、それは?」

 宰相の息子、チェスターの問いかけに、ロードライトは軽く封筒を振って見せた。

「ん? さっき渡されたんだよ。西部のフォスター公爵からの親書だ。受け取ったきり忘れていてね。ひょっとすると、王女誘拐の件について、何か情報が――」

 ミランダの顔色がさっと変わった。焦った様子でロードライトに駆け寄り、ミランダは王子に進言する。

「お待ち下さい殿下、私が開封します」

「ミランダ、封筒に結ばれたリボンは黄色だよ。これは僕宛ての親書だ。僕以外に開けることが出来る人物がいるとしたら、父上だけだ」

「ですが、西部には、今――」

「デリフェルとローオールを焚きつけた疑いがある、か。大丈夫だよ、呪術的な工作が仕掛けられたものは、そもそも城の中に持って入ることは出来ない。お前も知っているだろう、ミランダ。この城にはそういう性質の結界が張られている。書かれている内容がいくらショッキングなものだとしても、親書そのものは別に危険ではないよ。……疑いがあるならなおのこと、確かめなくてはいけないだろう。何が書かれているのか。……下がっていなさい。内容を話すかどうかは、僕が決める」

 命令されれば逆らうことは出来ない。ぐっと詰まって、ミランダは一方後ろに退く。心配性な妹に苦笑しながら、ロードライトは羽の意匠が施された銀のペーパーナイフをすっと封筒に宛がった。特にどうということもなく、封はあっさり切られる。カサカサと乾いた音を立てながら、ロードライトは便箋を開いた。


 混じりけのない純白の紙に、鷹とツタの紋章が透かしで入っている。挨拶も何もなく、真っ白な紙の上にぽつりと落とされた言葉に、ロードライトは目を見開いた。

 心臓がひとつ、嫌な音を立てる。

「……なん……だと……?」



『デリフェルの第一王女を、拙宅にてお預かりしております――』



 何度も文字を目でたどる。上滑りするばかりで、言葉を理解する事を頭が拒絶している。

「……どう」

いうことだ、という言葉は、最後まで続かなかった。

「それを捨ててくださいまし、殿下!! 結界が未知の術式によって破られております!」

 扉を乱暴に開き、息せききって飛び込んで悲鳴を上げたのは、地星宮の若き主だった。およそ彼女らしくない態度に、ミランダとカーティスがぎょっとする。

「……え?」

 きょとんと顔を上げたロードライトの手元で、紙の上に白い円陣が浮かび上がる。見たことのない文字、見たことのない型だ、とロードライトは瞬時に判断する。だが、それ以上の行動を取ることは出来なかった。

「殿下!!」

 悲鳴を上げたのは、カレンかカーティスか、ミランダか、それともその場に控えていた、チェスターだったのか。それさえ分からないうちに、ロードライトの視界は白一色に染まった。

 意識が飛ぶ一瞬前に、森の空気が体を包んだ事を、ロードライトはいやにはっきり感じ取った。





 鈍い痛みが頭の中でがんがんと響き続けている。

「……っ、つ……」

 いつ床に入ったのだろう。上半身を起こしかけて、寝台の様子が自室のものと明らかに違うことに、ロードライトはようやく気がついた。乾燥がさほど酷くない首都のアダマスでは、天蓋にこれほど厚い布は使用しない。

「!?」

 慌てて半身を起こせば、体がずきりと痛んだ。服は――と確認すれば、寝巻きではなく会議の時に身につけていた普段着そのままだ。慌てて胸元に手をやって、あの小枝が取られていないことに安堵する。これが護ってくれたのだ、と何となくだがそう感じた。

 ジジ、と何かが燃える音が聞こえる。枕元に置かれた燭台に立てられた蝋燭が、ゆらゆら揺れながら頼りない明るさで辺りを照らしていた。油石ほどの光量がない灯りは、ロードライトの手元あたりまでしか照らしてない。

「……」

 少し考え、ロードライトは懐中時計から鎖を外した。枝に細い金の鎖を巻きつけて、それを首からかける。肌身離さずつけておくには、こちらの方が都合がいい。

「ここはどこだろう、ねえ……」

 気を失う前の状況がまなうらに鮮明に浮かび上がる。西部からの親書を警戒していたミランダ、悲鳴を上げて飛び込んできたカレン。見覚えのない部屋。異様な事態が起こっているのは、火を見るより明らかだ。

「普通に考えれば、西部……地星宮……? トゥリエラ、かな」

 それも公爵の居城だ、とロードライトは結論を出す。あるいは別荘かもしれないが、とにかく西部ではあるのだろう。国外だったらどうしようという考えも一瞬頭をかすめたが、天蓋の四隅に宮を示す四色の宝石を埋め込むのはクラルテの上流階級の風習で、他の国には見られないものだ。まさか、あらかじめ自分を誘拐するつもりで調度品を揃えた訳でもあるまい。

「よく寝たはずだけど、頭は全然冴えてないな。……気分、最悪」

 軽口を叩いてから、ロードライトは自分の格好のひどさに改めて眉をくもらせた。服に皺が寄っていて、みっともないことこの上ない。髪を押さえてみた感じでは、やはり寝癖がついている。鏡がないかと部屋の中を見渡しても、それらしいものは見当たらなかった。

「かち割れば鏡もただのガラス片、武器になるからねぇ。まあ、賢明な判断だろうね」

 薬をかがされたりしたような様子はない。手足も特にしびれたりはしていない。怪我を負っている風でももない。動くたびに関節が悲鳴を上げるのはまあ、この程度で済んでありがたかったとするべきだろう。


 さて、どうするか。この部屋には見渡す限り、窓はない。あるのは寝台と反対側の壁にしつらえられた、重厚な扉だけだ。

「……油断させた方が、いいかな」

 ロードライトはあまり武術に通じてはいない。もちろん一通りの儀礼をこなせる程度に洗練された武術を身につけてはいるが、あれは実戦向きではない。相手の不意をつくのがせいぜいだろう。ミランダのように人間に一撃で止めを刺すほどの技量は、ロードライトにはない。

 しばらく考えた後で、彼は素直に寝台に横たわった。ミランダほど気配を読むのに長けてはいないが、気配を消さずに足音を立ててやってくる相手がいることくらいはすぐに分かったからだ。

 キィ、と細い悲鳴を上げて、扉が開かれる。半身を気だるそうに起こして、ロードライトは入ってきた相手の顔を確かめた。

(――当たり、か)

 壮年の域にさしかかりつつある男性。彼の顔には見覚えがある。西部の要、トゥリエラと西部全体の貴族を統括している、クラルテには数人しか存在しない公爵の一人、クレイグ・フォスターだ。その奥に控えている、灰色の髪の女性は、恐らくは――

「デリフェルの第一王女でいらっしゃいますよ、殿下。なかなかの器量でございましょう?」

 問いかけるような視線に答えたのだろう。喉元を不自然に上下させてから、フォスターは歪んだ笑いを口もとに浮かべた。涼しげな容姿をしていると言うのに、その笑みだけで急に人物像が色あせた気がしする。興ざめだなと、ロードライトは頭のどこかでぼんやり考えた。

「お返事は結構です。話すのもお辛い状態のはずでしょうから」

 いや普通に喋れますけど、と言いたいのをこらえて、ロードライトは務めて弱っている風に振舞う。ちろりと公爵の方を伺うと、公爵は満足げに鼻を鳴らした。

 どうやら、何かの力が働いて、公爵が何かしかけてきたのを緩和してくれたらしいことを、ロードライトは察した。うまくやれば、隙をついて逃げ出せるかもしれない。すぐに暴れ出したいのをぐっとこらえて、ロードライトは苦しそうに息を吐き出してみせた。

「……まずはご挨拶を、お忙しい中、わざわざ我が城に足をお運びくださって、誠にありがたく存じます。ロードライト・シン・レーベン・クラルテ殿下」

「……どの、口で」

 抗議の声には、貼り付けたような薄ら笑いしか帰ってこなかった。背筋が泡立つ感触に耐える為に、ロードライトは毛布の下で、シャツ越しにあの小枝を握り締めた。

「まず、謝罪させていただかなくてはいけませんな。少々乱暴な方法で呼びつけておいて何ですが――。貴方にはここで死んでいただきます。こちらの――」

 公爵が半歩横にずれ、後ろに控えていた灰色の髪の姫君が、すっと前に進み出た。作り物のようなか細い両手に握られた銀色の光を認め、ロードライトは眉根を寄せた。

「デリフェルの王女の手によって、喉を一突きにされて、ね」

「正気、か」

 デリフェルの王女の目には生気がない。操られているのだと、魔術に精通していないロードライトに出さえすぐに分かる。操り人形のように動きに彼女自身の意思が見られない。おぞましさが、胸元からせりあがってくる。生気のない人形のような人間の虚無に、今にも呑まれるのではないかと、ロードライトは感じた。

(背後に鉱術師がいる……? いや、鉱術では人の精神に働きかけ、意のままに操るような真似は不可能なはずだ)

『未知の術によって結界が破られています』と叫んだカレンの悲鳴がよみがえってきた。未知の術、そう考えるのがしっくり来るのだろうか。この状態は。

「僕を、殺せば。どうなるか、分かっているのか」

「分かっておりますよ。貴石は国の要。神との契約の証。血筋が途絶えることがあれば、クラルテで採れる鉱石の薬効や魔力は全て喪われる――ダリア女王が神と交わしたと言われる、馬鹿げた契約のことですね」

 理屈は分からない。けれどそれは確かなことだ。国一つが大きな術式になっていて、その中央にあるのが国王であるのだと、世の学者達は結論付けている。それがクラルテの命を循環させ、鉱石に不可思議な力を与える流れを作っているのだと。

 国の要となりえるのは、国王とその世継ぎだけ。だからこの国では、過剰なほどに王位継承者を保護し、城にも必要以上に鉱術による防護が施されている。王家の血が途絶えることは、そのままクラルテが滅ぶことを意味しているからだ。

「そんな契約に縛られて、レイリアが苦しむ理由がどこにあるというのです。娘を奪われ、温かな家庭を築くことも出来ずに。彼女はそんな生活に耐えられる器ではないはずだ。このままでは体が本当に危ういでしょう。……殿下、私は彼女を国の呪いから解放したいだけなのです」

 母親の名前を口にされ、ロードライトは瞠目した。

「……母上は」

「無論あなたには何の罪もない。悪いのは彼女の立場や気質を分かっていながら、強引に彼女を宮廷に召し上げた貴方の父上です。けれど国王陛下には既にお世継ぎがいらっしゃる。――貴方の息の根をここで止め、呪いを断ち切らなければ、彼女の苦しみは終わらないのです。デリフェルの王女がクラルテの貴石を砕く。職にあぶれた者達は怒りに狂ってデリフェルを潰しにかかるでしょう。混乱に乗じて国王の首を取り、レイリアを解放する――そのためだけに、私はここまで這い上がってきました」

 伯爵の顔に宿る狂気が、ロードライトを静かに射抜いた。


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