幼馴染みはもどかしい
幼馴染みって憧れます。
小中高一緒だったこいつを、いつからか好きになってしまった。好きって、言いたい…でも、怖い…
「…やの、おい!かやの!」
「ん何?」
「何じゃねーよ。人の話聞いとけよな。たく、」
何かムカついた。だから、こいつの足を踏んでやった。
「イッターー!?何すんだよ!!」
「うっさい!!男のくせに!」
「うわ、なんだお前。何か今日おかしいぞ。」
あっ、やってしまった。駄目だ。完全にひいてる。
「ごめん…」
何か、もう、だめだ。意識しすぎて、涙が出てきた。もう、こいつの顔が見れない。見たら泣いているのがバレてしまう。そうなったら、もう、普通にいられなくなる。
「おい、何かあったのか?」
こっちの思いなんか知らないで、こいつは私の顔を覗きこもうとしている。
「なっ、お前、なに泣いてるんだ?」
「うっさい!!見んな!」
「…お前、好きなやつがいるのか?誰だ?よし!俺が恋のキューピッドになってやる!」
あー、鈍感すぎ!!感情が爆発してしまった。
「ばぁかぁ!!」
そのまま彼の前から逃げてしまった。
「…つみ、夏海!」
「ん、」
「お、起きた。お前、急に大声だすなよな。」
「あぁ、ごめん。」
「で、何の夢見てたんだ。」
「ん、秘密だ。」
左手にはめてある指輪を見た。
「何だよ、ケチ。まぁ、でも寝言で何の夢か大体わかったけどな。」
何かムカついて、こいつの足を踏んでやった。
「イッターー!!」
私は、そんな彼、旦那を見て
「好きだよ。ずっと、」
小さく呟いた。