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わりとどうでもいい地球侵略。ver.2  作者: もじ
わりとどうでもいい新章
3/12

#2.恭二編1

今回は前作の続きと今回のお話のくっつく点までとなります。わりとどうでもいい地球侵略。ver.2、前作共々よろしくお願いします……。

秋華さんと別れた後、俺は皐月を背負い宝救出へ向かった。不思議なことにあれ以来ゴーレムが襲い掛かってこない。

「あいつ……もしかして秋華さん帰っちまったから降参したんじゃねーの?」

ありえすぎる。ここは安田のバッテリーで出来てる塔だし……きっと内情も筒抜けだ。それじゃあ、宝は……。

「殺され……てる」

って!何考えてる俺!宝だって四星なんだ、そう簡単には……。


ー恭二、何か感じないか?


ん?えふか。何かって……そりゃ、ゴーレム出てこないし、安田帰ったんじゃないか、とか。宝無事かな、とかなら……。


ーふむ。確かに気になるな。しかしそれ以外に我は思う。この塔……長くは持つまい。

「何だって!?それってやっぱり安田がいなくなったってことか?」


ーはてな。我にもそこまでは……何かが起こっているとしか。じぇいはどうだ?


ー……わかんない。

どちらにしてものんびりしてる暇は無さそうだ。くそっ、宝は何処に。


その時、俺は微かにだがこの先にバッテリーを感じた、気がした。俺にもわかるようになってきたのかね?

「おい、この先……」

ー我も感じた。これが宝塚なら、良いのだが……。

もはや名物であった地震のなくなった螺旋階段を駆け上がった先、これまた例によって大きな扉、今度は金色に輝いてる。


「えふ!」

ー任せろ!


じぇいの力を借りた時同様、えふへと変幻せずに力を発することに成功した。すげえ俺……炎の気を発するとか。その爆風により扉は消し飛び、その先へと駆け出した。


「宝っ!いるのか!?」

問い掛けた先、消え入るような声が俺の耳に届いた。


「ぐすっ……エリザ、ベスの人……ですか……?」

俺は辺りを見渡しながら声の主を探す。くそっ、何で見つからないんだ!?再び声の主に語り掛ける。


「そうだ!俺は国分(こくぶん)恭二(きょうじ)、って知らないか。……ほら、後ろに背負ってるのは皐月だ!わかるだろ!?」


暫くの沈黙。そして、確かに聞こえた。


「本当だ……皐月お姉ちゃん!」

「うっ!?」

言葉と同時、バッテリーが力を発する時特有の閃光が発した。そして俺が目を開くと……そこには多角形の輝く浮遊体が漂っている。


「何だ、これ……」

それは徐々に地上へ向かい、完全に降り立った瞬間再び光を放ち消え去った。


その中から、祈る様な姿勢をした、一人の女の子が現れた。その子の下へと俺は歩み寄る。

「君が……宝塚?」

問いかけに対しにこりと微笑み、答える。

「はい。私はエリザベスの夏星、宝塚(たからづか)っていいます。(たから)って呼んで下さい」

「わかった、そう呼ぶ」

まあ呼んでるんだけど。それよりのんびり話してもいられないな。簡潔に済まそう。


「俺は国分恭二、一応地球人だけど……まあ訳あってバッテリーが使える」

それに対しぽんと手を打ち感激する宝。

「本当ですか?心強いですう」

「まあ、あんまり期待されても困るけどな。で、だ……そのバッテリーの片割れ、えふっていうんだけど……そいつ曰く、どうやらこの塔はあまり長く持たないっぽいんだ。俺としては君を救出出来ればここにもう用はない、急ごう」

「はい。お兄ちゃん」

うん、物分りが良くて助かるよ。それにしても……お兄ちゃん、か。いい響きだ。お兄ちゃん。うんうん。


ー……ぷん。


ん?俺が宝の言葉に感動していると、じぇいが何やら面白くなさそうにしている。

(あの……じぇいも妹、だからな?)


ー……当然。


何だかなあ、やっぱり女の子同士は難しいらしい。まあ一方的にじぇいがヤキモチ焼いてるだけなんだけど。


ー恭二、あまりのんびりは出来ない。話は後でも良かろう。

(おっと、そうだな!)

えふに急かされ、俺たちは大広間を後にした。

それから来た道を辿っていく。途中、桜花の最後の場所となった広間で少し足が止まってしまう。


「桜花……その、あれだ。俺のこと、恨んでいいからさ。お前だったら、お化けになって出てきても怖くない気がする。お化け自体は苦手だけどな……また、お前のエスパーが聞きたいよ」

やべ、泣きそう。ん?何か地響きが大きくなったなあ……桜花、なのか?


そう


俺が感傷に浸った、その時。


ー恭二、伏せろっ!


え……?


俺が天を仰いだ瞬間、もうその天井は崩れ去り……今にも俺と皐月を飲み込まんと迫っていた。

(やべ、間に合わない)


まさか、こんな最後とか……


「ダークっ!シャドーウっ!!」


もう終わりだと覚悟した瞬間、暗黒のが俺たちを飲み込み……首の皮一枚、その直撃を間逃れた。


…………。


気が付いた時、俺は瓦礫の中にいた。幸い体に痛みは無く、何とか塔の崩壊に巻き込まれ命を落とすことはなかったようだ。

「宝が、助けてくれたんだな……ありがとう」


「うん……助けに来てもらった、お礼だよ、お兄ちゃん」


皐月も、無事みたいだ。すやすや寝息立てる。とりあえずここから出ないとな……よっと。宝の力により最悪の事態は間逃れたにせよ、ここから出るには少々骨を折そうだ。瓦礫を跳ね除けつつ、地上を目指す。


でも、これで帰れる。桜花には申し訳ないが……エリザベスで皐月を助けると決めた俺にとって、このまま帰れればほぼ目的は達成出来たといえるのではないか?このまま……無事に……。


よし、出口だ!


「だ、大丈夫か?宝……」

「うん……お兄ちゃんこそ、平気?」


ふう、何とか出られた。後はこのままとんずらするだけだ。

「うまく、いった」

内心ホッとする。にしても、腑に落ちない点がある。安田、まじどうしたんだ?逃げた?少なくともあいつ、戦って無いんだし……秋華さんとの戦いで俺が力使ったことも知ってるよな?皐月は見ての通りだし。

ただ単に秋華さんの計画に無理やり付き合わされて、本人がいなくなって戦う意味が無くなったと考えるのが俺たちには一番都合いいけど……悪く考えると。


戦えなくなった。


なぜ?

いやわからんが。


ー恭二、そちの悪い考え……当たってるやもしれんぞ。


やっぱり。でもそうなると、安田の敵が、俺たち以外にこの場にいたことになる。そもそもここはヴィクトリアとエリザベスの争いの場であっただけで、それ以外に敵なんて……。


ーなら、あやつは何者であろうな。


!?えふに言われ視線を送った先、そこには……俺たちに敵意を見せる男と、一人の女の子がいた。


それにしても有馬さんは何してるんでしょう……もじも知りません。

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