表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/5

一族への謝罪

翌日、ロッケとマスラーは朝から郊外に住むロッケの父親の元を訪ねた。

そして一通りの挨拶を終え、広い暖炉のあるリビングで、ロッケから父親に、事件の始終を話した。


父親は立ち上がり、激高した。

「騎士とし生まれたるもの、辞めることは許されぬことだ。」


「違うんです、お父さん、辞めさせられてしまったんです。ロッケは頑張ってました。」

マスラーはロッケをかばうように言うと、父親は


「それは分かっておる。私が憤っているのは国王にだ。今まで我々が行ってきた栄光を無にするような、ひどい仕打ち以外の何者でもない。冒涜に値する。」


マスラーは興奮する父親を落ち着けようと「ちょっとお父さん、冒涜だなんて。」


「よそ者は黙っておれ。これは私たちの血の問題だ。」


「バシッ・・・」

嫌な音が部屋に響いた。父親はマスラーを平手打ちした。


マスラーは目を赤く晴らし、倒れこむ。


「おい、親父。お前やっていいこととだめなこと位わかんねーのかよ。ふざけんな、何が騎士だよ。なにが血だよ。俺の大切な人すら守れねーのかよ。かっこ悪いんだよ!」

ロッケは屈んでマスラーを抱え込みながら叫び、そして父親を睨みつけた。



父親の罵声は止まらない。

「おいロッケ、俺はお前をそんな風に育てた覚えはない。ましてやリストラされるとは、情けないにもほどがある。ふざけんな。バカヤロー!!」


あたりの壁や家具に当たりつくす。


そして、「お前など死んでしまえ!俺は死ぬ・・・。おらぁー!!!」


そういって父親は壁に飾ってあった剣を取り、自らの腹に突き立てた。



「いやー。」マスラーは叫ぶ。


父親は何度も自分を突き刺す。


あたりは血の海へと変わっていく・・・。



ロッケにも、もうどうすることも出来ない。目の前で起きる惨劇に、必至にマスラーの目を覆うことしか出来ない。




剣は相当回突き刺さった。

そして父親は怒りの形相でロッケをにらみ、地面に倒れた。




・・・父親は即死だった。

二人は現場で簡単に警察の事情聴取を終えた。

というか何も話せていなければ、何を聞かれたかも覚えていない。



ロッケに抱きかかえられるマスラーの目はどこかを見ている。

そして両腕で自分の体を抱え込み、小刻みに震えていた。




あまりに突然のことだった。

そしてマスラーは病院に収容された。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ