ペリペテイア No.1
宦官。
古代中国から近代まで長くまでつづいた階級。
去勢をされ性欲を無くされた存在。
その宦官は中国史で暗躍した。
奪われた性欲が他の欲に変わっていき金や地位を狙った。
この話からわかるのは、、、
人間の欲というものは尽きないということだ。
いつの時代も変わらない。
だからこそ、人は成長していく。
しかし、時代の陰で自分の罪に泣く者がいつの時代もいる、、、
あれから一週間。
僕も退院。
明後日からは学校にいくつもりだ
いじめてくる人もいないから気楽にいけるようになった。
夕方、ユウジからメールがきた。
…いつから来るんだ?…
ユウジは4日くらい前に退院した
…一応、明後日からかな…
…そうか、気を付けろよ。…
気を付けろ?登下校とかをかな?なんかいつもより暗い感じだけどそんな心配なのかな?
…わかった…
一応そんな風に返しておいた
そして一日休んで学校。
念のためにと親が車で送ってくれた。
マスコミや世間は未だあの事件から熱は冷めてないようで、家によく取材陣が来たらしいが本人が覚えてないのに親が答えられる筈がない。
学校につくと殆どみんないた。
僕が教室に入るとみんな優しく迎えて
くれなかった。
僕を見るなりひそひそ話をして、異端児を見るような冷ややかな目。
おはようも言わず席についた。
そしたら
「おはよう。」
「お、おはよう。」
キノシタさんだった
「この状況って?」
僕は聞いた、、、聞くしかなかった。
「う、うん。君は悪くないし私達を助けてくれたんだけどね
やっぱり、すごい推理だったし、人を刺して殺したってのがあるんだろうね」
んな理不尽な
「僕は何にも覚えてないのに、、、」
「えっ?まだ疲れてるんだね」
「ん??」
なんだろ?なんでそんな反応なんだろ
「ま、まぁ気にしないほうがいいよ」
「うんわかったよ。ありがとう。」
そんな状況が2週間ほど続いた。
2週間学校では殆ど誰とも話さなかった
ユウジは被害者としてみんなからどんなだったかとか
死を覚悟したとか主役だった
本人はだるそうだったけど
キノシタさんは彼氏を本当に愛してるいい人、犯人に向かって行くなんてカッコいいとか男女共から人気がでた
僕は殺人者とか実はグルだったんじゃないかとか言われてる
だんだんと辛くなってきた
ユウジとキノシタさんがそんなだから僕は声がかけにくい
ユウジは一緒帰ってくれる
だけど僕は最近、キノシタさんと帰ってあげてと言って一人で帰る。
たまにマスコミに聞かれるがやっぱり答えられない。
それがますます怪しいと言われる原因らしい
うーん、、、
なんで覚えてないんだろうか
僕は気になった
でもすぐいいやという気持ちになる
それから一ヶ月くらいたった。
世間はぱったりと話題に触れなくなった
僕は相変わらず同級生と話をしない
ユウジやキノシタさんを抜いて
そんなある日だった
「ヤマモト君!」
いきなり呼ばれてビクッとした。
振り向くと
前、僕の中の天使と悪魔により色々あって諦めた(?)クラスの美少女、ヒメジさんがいた
「な、なに?」
「前のお店いつ連れてってくれるの?」
無理です。
キッパリいいます無理です。
記憶無いのになぜか二人で2万のスペシャルコース!
それをもう一度奢るには僕の持っているお金と内臓を売らなければならない
そして僕は一生左右のバランスが悪いまま生きて行かなければならない
「えへっ冗談だよ」
「えっ?」
えへって、、、えへって可愛すぎる。
萌える。蕩れる。
助かった。そのいつもは力が抜けるその言葉が今日は僕の内臓を救った
「いや、きっかけがね無くてね」
「ん?」
「いいの、、、みんな君が犯人のグルだとかいうけど、私は船のアルバイトの事からして、君は犯人じゃないと思ってるから」
船のアルバイト?なんのことだろ?
「ゴメン、それも記憶が、、、」
「あらら、、、きっと君があの人達を逃がしたんだよね」
ん~全くわからない、、、
どうしたものか
しかし、嬉しい
声をかけてくれたことが
ヒメジさんに幸あれ
「でね、君が興味ありそうな仕事があるんだけど、、、」
「僕が興味がある?」
「うん。殺人事件がつきない村のことなんだよね」
何言ってるんだろうか
僕が興味はないしちょっと怖いし断ろう
「残念だけど、、、詳しく聞かせてもらえるかな」
彼女はものすごく頭にはてなを抱えている顔をした。
俺がでてくるのがわずかに遅かったからだろう
「ゴメン詳しく聞かせて」
「あっうん。実は仕事っていうのが犯人に関するモノや情報を手に入れればそれの価値によって給料をもらえるらしいの」
なるほど、母子家庭の彼女にとってはその仕事はいいものだろう。
アルバイトが禁止されてるこの学校でお金を稼ぐにはそんなものでしかない
「で、なんで俺を?」
「あっ、それはほら前のこともあるし、信頼してるし、一緒に、、、あっいやなんもないの」
なるほど、コイツがこの話を聞いておけば泣いて喜んでいただろう。
というか彼女はちょっと天然なところがあるのだろう
俺はあまり興味がないが
そして話し合いをした
行くのは今週、月曜日も祝日なので3日間いく。
隣の隣の県なのに自転車でしかも毎日行くと彼女が言うので、俺がお金を払い電車で、そして泊まりがけで行くことを促した
彼女は申し訳なさそうにありがとうと言っていた
気にすることはないとだけ返した。
俺はその仕事内容を聞いたとき、気になったことがあった。