エンドエルゴ No.5
定期考査で遅くなりました。すいません
管理室。
モニターの明かりだけの中、薄暗い中に、立つ一人の女。
死体の中に立つ女。
「待っていたんだよ」
「そうかい?僕はあんたのことを知らないけどな。」
「うん、当然だよ。君と対面するのは初めてなんだからよ。」
「あなたがリーダー?」
「リーダー?違うんだよ。私は誰一人知らないよ」
そっか、、、
快楽殺人者の集まり。
殺人パーティーみたいなことだろう。
何らかのサイトかなんかで計画しあったんだろう
「じゃあなたが爆弾を作ったんですか?」
「いや違うよ。」
ここは推理が間違ってたらしい。
「目的は無いんだな?」
「私はあるよ。」
「どんな?」
「今日ここに来ているとある家族を殺すこと。」
「は?」
「復讐よ復讐。私ね学生時代に男たちに暴行されたんだよ。ほかの奴らは交通事故や、殺害されて死んだけどリーダー格のそいつだけは幸せに家庭を創ってるんだよ」
「んで今日あることを知り、何らかの形で来させたと?」
「ええそうよ。私は暴行されて男性恐怖症。何も悪いことをしてないんだよ、、、」
泣き崩れる女性
「ダメだよ!それなら尚更ダメだよ!」
「なんでよ!?」
「悪いのは男だけだろ?家族は関係ないし!しかも、、、」
僕は残酷な人間だ。
「過去の柵に囚われて、立ち上がらず、男性恐怖症だなんだ言ってるあなたにも問題がある!」
そうやって泣き崩れた女性を抱き締める。
どうすればわからなかったけど、体が勝手に動いたんだ。
「あなたは被害者なんだ。復讐するのは構わないさ。だけどされた相手にされた分だけにするべきだよ。なんでこんなに多くの人を殺してしまったんだ、、、やり直しがきかないじゃないか!」
「私、、、私は、、、」
少し沈黙が続き、
「誰も殺してない。」
「え?」
「ここに来るよう言われて、来たら既に殺されていたの。」
既にね、、、
まぁそれを容易く信じる僕も僕だけど。
「じゃ貴女はやり直せる。前を向いて頑張りましょ?」
「あ、貴方の名前は?」
「ヤマモトコウスケです。」
ニッコリと笑ってそう応えた。
「私、頑張ってみます。」
満面の笑みの彼女は凄く美しかった。
本当は優しさに触れたかったんだこの人は。
「はいは~い、カットカット!素晴らしいシーンだったよ二人共。」
電気が付いた。
「あんたは、、、」
僕に、拳銃を渡した男。
「中々、君もやってくれるじゃんコウスケくん」
「そうですかね?」
「あぁ。見てて楽しいよ。本当に」
「『アイツらの仲間じゃない』。アイツらは俺の人形。ってことだったんだな」
「ご名答!じゃまた後で!」
「何言ってんだよ。終わらせるよもう」
「いいのかな?あと三人、変態がいるんだよ。ほらモニター確認してごらん?君の大事な者の近くに一人いるよ」
「隠れ場所教えやがったなっ!」
ヤバい
急がなきゃ!
「ほら行けよささっと」
「絶対許さない!」
一応女の人を連れて外へ出た。
…犯人が近づいてる逃げて…
返信は来なかった。
ただ走った。
僅か数十秒でついた。
女性は大丈夫だと言うので置いてきぼりにした。
薄暗い、、、
非常用のボックスから懐中電灯をとり、探す。
先程の場所。
暗闇の中に三人はいなかった。
ただ、誰かが僕に近付いてるのがわかる。
「誰だ?」
「君の知らない人」
中高年のおっさん。
「ここに人はいたか?」
「この人かな。」
徐にポケットから何かを取り出す。
それを懐中電灯に照す。
手だった。
細い指の手。
「お前、それ誰のだ?」
「ここにいた女の子だよ。」
パンッ
僕はサブマシンガンを一発、男の足へ撃った。
殺せなかった。
手を拾った
温かさが残る手
ゴメン、、、ゴメン、、、
ヒメジさんか、キノシタさん?
どっちかわからない
僕は大切な者を守れなかった。
「あんたは、、、僕の大事な者を奪った」
「ひゃっひゃっ」
「許さない」
殺す。
僕もすべてが終わったら死のう。
「おいっコウスケ」
「ユウジは生きてたのか、、、」
まだよかったよ
「は。ってなんだよ、みんな生きてるよ。」
「は?」
「取り敢えず、他の場所に隠れさせてるから」
「なんていう手際の良さだっ」
というか実際殺されたとは思ってなかった。
ユウジなら。
ユウジとなら。
大丈夫。
「つーかお前、、、銃を、、、」
「うん」
「どんな状況なんだよ?」
「全てが終わっら話すよ。それまであの二人を頼むよ。」
「わかった気を付けろよ。」
「あぁ。」
あと二人かな?
自分を入れて三人なのかな?
男を気絶させ、服で縛り一応外にでる
「あの、、、」
先程の女性が待っていた。
「はい?」
「ありがとうございました。」
「えっ?」
「さっき言えなかったので、、、」
「、、、頑張って生きて行きましょう。」
これしか言えなかった。
言葉のチョイスを間違えてはいけないから
僕は女性を隠れさせて
漆黒の人間の闇へ向かう。