エンドエルゴ No.4
僕は気絶した男を引き摺り、目を覚ました時に動けないように、両足を鉄で叩き、服を脱がせた。
スイッチは持っていなかった。
コイツは何十人も刺して殺しているのだけれど、、、
殺せない。
ここに置きっぱなしでいいのだろうか、、、?
「どけ!」
後ろから何か言われて突き飛ばされた。
「死ねぇ!」
そう言いながら、気絶している外国男を蹴る、人間。
「お、おい!死ぬって!」
僕は止めに入る。
「うるせぇな!コイツはこんなに人を殺してるんだ!殺しても罪はないだろうが!」
「それで?」
「は?」
「あんたはコイツに知り合いを殺されたか?」
「いや殺されてないがなんか問題があんのかよ。」
「僕はあんたがコイツを殺したらあんたを人殺しと呼ぶ。」
「何言ってんだ!?」
「コイツを殺したい人なら沢山いるだろうが、あんたが殺してしまえば快楽殺人なんだよ。大切な人を殺された人なら復讐だ。」
僕は復讐はしても構わないと思う。
同じ量だけなら。
「チッ!」
「あんたもそんだけ気力があるなら誰かを助けるくらいしとけ」
「全く生意気なガキだ。」
そう言って走って一人で泣いてる子供のところへ。
優しい人じゃないか。
さて、僕はこの状況を把握できないけれど、慣れてはきている。
早く、次に向かおう。
でも次って、、、どこだ?
一旦三人の元へ、、、?
いや、、、ちょっと情報が欲しい。
誰がスイッチを持っているかわからないから誰も立ち向かう事はしない、、、
誰がスイッチを持ってる?
いや、単純に考えてこの爆弾を作ったやつだろうなぁ
このテーマパークは子供が多すぎる、、、
親を亡くした子供達が溢れて行くだろう。
それ以前に簡単に子供を殺す奴等が犯人かも知れないけれど、、、
携帯でハセガワさんにメールする。
…犯人一人捕まえました。…
…何をしてるんだ。危険だから止めなさい。…
…爆弾は解除できないんですか?…
…まだ時間がかかりそうだよ…
チッ、、、
…大丈夫?…
ヒトミさんにメールする
…こっちはなんともありません、、、そっちは大丈夫ですか?…
…大丈夫だよ、じゃあ気をつけてね…
…はい。…
情報を、、、集めなきゃ、、、
このテーマパークの地図持っておけばよかった。
まぁ案内板見ればいいんだけどね。
案内板からして僕がいるのは一番下、エリアは6つ。
こんな広いテーマパークに犯人が何人いて、何が目的でしているんだろう?
ここは静かになった。
寧ろ、さっきここに犯人がいたわけだからここにいたほうがなんだかんだで安全な気がするけれどね。
遠くで多くの悲鳴が聞こえる。
はぁ、、、
仕方ない拷問しよう、、、
次に向かったのは一番近くのところ。
人々が沢山いる。
みんなどうしたら良いか迷っているらしい。
逃げたら死逃げなくても死
そんな状況下にいるんだ。
学生の団体だっている。
忘れられない修学旅行、、、悪夢だね、、、
偽善者ね、、、
あの記者が言ってたことも強ち間違っていないかも知れない。
自分のことを知りたいんだ。
こういう事件を通して、自分の存在価値を証明したい。
存在証明。
生きている。
ダケじゃ物足りない。
必要とされたい。
誰かの笑顔をみたい。
誰かの支えになりたい。
それは結局自分の喜びだ
というかそういう事考えてる暇無いよ、、、
よし、、、行こう。
はは、、、どんな学生だよまったく。
残り5発。
とは考えていない。
さっきのマシンガン男から奪えばいいんだから。
なんて残酷な考えだろう。
パタタタタ
銃声と悲鳴。
真正面からマシンガンとやりあうのは無理だろう。
つーか密輸かな?
しっかりして欲しいよ。
前のバスジャック事件も危険だったんだなぁ、、、
相手が学生だったから嘘だって思ったけど、危険な行為だった。
うん。アイツはスイッチを持ってない。
確信がある
快楽で人間を殺してる奴がスイッチを持つはずがない。
これは「俺」の考えだけどね
人が撃ち殺されている。
なんて光景だ、、、
地獄絵図だよ
リアル感がまだ無いというのも確かで、、、
ゲーム感覚だ。
スキンヘッドの男の動きをよく見て、近づき、隠れて銃を撃つ。
また運良く腹部に当たる。
けれど、男は何も無かったかのように走り、マシンガンを乱射する。
狂ってる、、、いや、薬か。
というか、、、あの人、出血多量で死ぬよ、、、
そう考えている時、スキンヘッドの男は倒れた。
近付くともう、死んでいた。
僕は人を殺した。
二人、人間を殺した。
僕は、、、
「お前、さっき人を殺すなって言ったくせによ。」
振り返るとさっき、出会った人。
「おいおい、泣いてるとは思わなかった。すまなかった。」
僕は泣いてるのか、、、
、、、そっか、、、
「お前さ、、、何が目的で犯人と戦うんだ?」
「え?」
「理由を教えろよ。」
「わからない。わからないけどやらなきゃいけない気がするんです。」
「そうか、、、お前、名前は?」
「ヤマモトコウスケです。」
そう。僕の名前はヤマモトコウスケ。ありきたりで、主人公に相応しくない名前かも知れない。
でも、この人生の主役は間違いなくヤマモトコウスケ。
「あなたは?」
「ニイダカツヤ、20だ。」
「よろしくお願いします。」
握手をした。
「さて、どうするんだ?」
「僕はアナウンス室へ行きます。」
アナウンスをするということは、何らか、偉い立場にいるんだろう。
リーダーとも考えられる。
「そっか、、、じゃ俺は孤児とか集めて隠してくるわ。」
「はい。じゃまた会いましょう。」
「あぁ。」
「あ、これ。」
拳銃を渡しておく。
僕はマシンガンをとり、弾を補充する。
「サブマシンガンって難しいらしいが大丈夫か?」
「サブマシンガンなんですかねコレ」
「あぁ、大きさもそうだが弾の補充の仕方がサブマシンガンだ。」
これはとんだ間違いだった。
ごめんなさい。はい、僕、嘘つきました。
「では」
「あぁ」
僕は彼を信じて行くことにした。
何を求めてってワケじゃないけど
さて、行くとしよう。
死体、死体、死体
血の海を歩いている。
残酷な光景だ。
一人一人目を閉じて、しっかりと仰向けにしていく、、、
頭が吹き飛んでいる人、内臓が飛び出ている人。
親子、カップル
酷い、、、酷すぎる!
許さない。
やっと実感が湧いてきた。
相手は狂乱者。
命を軽く思っている。
だから今の僕はこいつらを止めなければいけない。
贖罪でもあるわけだから。
首謀者を探さなきゃ。
首謀者?
そっか、、、
さっき殺したスキンヘッドの男の元へ戻る。
携帯で写メをとり、ハセガワさんに送る。
…誰かわかります?…
…ちょっと待っておくれ…
はぁ、、、待ってる時間が勿体無い。
僕は、相手が快楽殺人者だということを忘れてた。
…そいつはヤク中毒で名前はハカナタヤタロウ。婦女暴行殺人で指名手配中だった。…
…そうですか、ありがとうございます。…
僕はこいつを殺してしまった。
正当防衛となるだろうか?
まぁいいや、罪は背負っていかなきゃ。
さぁ、アナウンス室へ行こう。
けど、アナウンス室は誰もいなかった。
いや、誰もいなかなった。は間違っている
亡くなった方たちはいたが生きてる人間はいなかなった。
なら管理室。
当然のようにそんな考えが浮かぶ。