エンドエルゴ No.1
少し話を聞いて欲しい。
快楽殺人者は捕まえるのが難しい。
それは一般人の考えなんだよ。
毎回の殺し方を変えたゲイリー・レオン・リッジウェイ
所謂グリーンリバーの殺人鬼を捕まえるのもきっと警察にとっては難しかったろうけど、「俺」にとっては簡単だったろう。
「僕」なら無理。
「俺」なら可能。
そんな二つが混じった今の「僕」はどうなんだろうか?
今の「僕」は快楽殺人者を捕まえることが出来るだろうか?
「僕」や「俺」は代名詞の一つでしかないけど。
多重人格だった僕には固有名詞でもある。
大丈夫?今回の話の展開はイングランドサッカー並みだよ。
ついて来れるかい?
ゆっくりでいいさ。
疲れて飽きたなら飛ばしてくれたって構わないさ。
戻るよ。
「俺」なら簡単に犯人を捕まえられる。
なら「僕」より、「俺」が生きてた方が良いんじゃないかな?
現在の「僕」より、世界が求めてるのは過去の「俺」だ。
ヒメジさん(ここでは敢えて、ヒメジさんと呼ばせていただこう)も好きになったのは他でもない「俺」なわけで「僕」は付属品、、、
もしかすると、ヒメジさんにとっては「俺」が主格で「僕」が多重人格かも知れなかったわけだ。
ここはいつか聞かなきゃならない。
そう考えると、「僕」はてんで昔と変わっていない。
いじめられて存在の意義も意味も理解することが出来ない。
そこから動けてない。
ただ周りの壁が張り替えられただけ。
蟠りは消えない。
陽炎のようなもので、解決法が蜘蛛を掴むような形。
雲なら良かったのに、、、
「僕」が不必要で
「俺」が必要で
そうしたら、、、?
どうなる?
そんな事を考えているといつの間にか、携帯の電話帳を確認してしまう。
誰に話したいんだろう?
友達?彼女?家族?
誰かに話たくなる。
けど、この悩みは誰にも言わない、言えない。
いや言いたくない。
僕は小学生の頃、圧倒的な程に無垢な純粋な正義だった。
今の、汚い心があるからこの事を言える。
優しい小学生は騙され続けた。
騙され虐められ心にキズを負った。
キズに絆創膏を貼った。
もちろん絆創膏のおかげでキズは治る。
自然治癒したのは一部。
それからは絆創膏の中毒さ。
瘡蓋という物を知ることがなくて絆創膏を剥がしたら治っている。
どういう過程を経て治ったかは知らない。
いつの間にか、、、時が解決。
そうやって逃げてきた。
そんな僕が逃げる処を無くして、新しく逃げる処を作った。
「あの人みたいになりたい」
よく聞くフレーズ。
なりたい。
憧れ。
よくあるでしょ?
でも、誰かに憧れて自分のよさを見出だせないというのもいけないことだと思う。。
僕は自分のもう一人に憧れてしまってる。
今までにいただろうか。
多重人格の自分に憧れるなんて人間が。
今まさにここにいるのだけれど。
それはあまりにも馬鹿馬鹿しい。
のはわかってるよ。
そろそろ飽きたかい?
まぁ致し方無い。
僕は謝りたい。
こんな話をしてしまった事を。
本当にごめんなさい。
ただ君はこの僕の話を聞いてなんか感じたかな?
この文章はきっと君にはウザったい、君には優しい、君には何にも感じない、君には美しいものなんだろう?
うん。
じゃヒトミさんとのデートの事を語ろう。
まぁ所謂ダブルデートだ。
ヒトミさんのお母さんが誕生日が近いのでデパートでプレゼントを買いに行く、その後近くのテーマパークで遊ぶというものだ。
何度もいうけれど、僕らの住んでいる県は田舎なのでテーマパークまで三時間はかかる。
バスで行くんだけど、、、メールの受信が今日はハンパない。
「あら?またエリさんですか?どれだけ仲良しなんですか?仲好しと言うべきですかね。」
ヒトミさん、、、超怖い。
「多分、Twitterのアドレスと僕のアドレス間違えてるんだよ。」
内容を見ずに、ヒトミさんに携帯見せる
「へぇーそんなやり取りを、、、」
「待って待って携帯が壊れるよ!待ってなんで!?」
…生着替えいんぐ…
「バカヤロー!」
「車内ではお静かにお願いします。」
運転手から注意された。
あぁ災難だ。
「おい、コウスケ。実際どうなんだよ。」
「ただ、小中高と仕事で友達がいないからメル友が出来て嬉しいだけじゃないかな」
「まぁそうだよな、、、お前みたいな不細工が、、、」
「そ、そんな不細工顔で深刻な顔してそんなこと言わないで、、、泣きそうだ。」
「あれ?あんたち知らないの?あんたちね、、、」
「それを言うと調子に乗るので止めましょう!」
「えへっそうね。」
ガールズトークは入りずらい
はぁ三時間で105件ってどんだけ、、、
今日はデートだから送らないでって送ったはずなんだけどなぁ。
デートかぁ
デートなんだよなぁ
僕はデートをして良い人間なんだろうか?
「どうしたんだ?そんな顔してたら不細工な顔がより不細工に見えるぞ」
「不細工不細工五月蝿いな!自分でもわかってるよ!」
「んでどうしたんだ?」
「えっと、、、いや何でもないよ」
「そうか、、、まぁ話す気がないなら今はいいさ。」
「ごめん、、、整理がつかないんだ。」
「ああ。」
何だかんだで良き理解者だ
「コウスケが悩んでる姿見たくないしな」
「なっ、、、」
「その顔が不愉快だ」
前言撤回、コイツは最低だ。
「ほらほら喧嘩しないでいきますよ。」
殴るチャンスを無くしてしまった。
元から買うのが決まってたらしくプレゼントをパパっと買った。
そしてテーマパークへ。
普通のデートだった。
別々で行動をしようということに
「楽しいね」
「本当に楽しいです。」
「また来よう。絶対二人で」
「エリさんと二人ですか」
「ヒトミさんに決まってるだろう?僕が一番好きなのはヒトミさんだよ」
「こんなところでそんな、、、」
、、、しまった、、、恥ずかしい。
「ラブラブね」
おばさんに言われた。
恥ずかしい、、、
「ごめん、、、」
「謝る必要はないですよ」
そんな折り、ざわざわと客が騒ぎ出した、、、
「どうしたんだろう?」
「あっ、、、ユウコちゃん達です。」
「最低よ!あのジェットコースター」
「つーか、あの前の女、落ちたけど生きてたよな?普通即死だろあれ。」
「どうしたの二人共?」
「ジェットコースターのシートベルトが急上がった女性がいて、その友達が庇って落ちたのよ。」
「だけど、その落ちたボーイッシュな女は生きてたんだよな。」
「は?あの高さから?スゴいね、、、」
運が良かったんだよね、、、きっと。
「救急車が来たんだから。大騒ぎよ」
「何でベルト上がったんだろな?」
「管理ミスじゃない?」
嫌な予感がする。
僕のこの予感は当たってしまう。
夕方になり、僕らは泊まる?なんて話をする
実は、あの記者の会社の社長一億用意して、エリさんの口座に振り込んでいたため僕にも収入ができた。
「パレードとかみたいし、お金も余裕あるし」
「お言葉に甘えようかしら」
「あぁそうだな」
「すいません」
「気にすることはないよ」
あれ、、、?なんかデジャヴ。
まぁいいや。
夜8時。
異常な事態に気付いてなかった訳じゃない。
気付いても、、、信じたくなかった。
さっきから出たいと言ってる人がいるのに出られていない。
しかも外にパトカーが大量に来てる。
入って来てないけど。
僕は携帯を確認する。
全くもってニュースが書かれていない
いや、おかしい。
さっき落ちた子のニュースまで無い。
いや、しかしパレードは普通にやっている
そうか、、、
事件か、、、
確信したワケじゃないけど、そうだ。