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デュナミス  作者: kou∞
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イドラ No.5

選択肢を誤った。バットエンドだ。



今からバットエンドを語ることになる。



僕の過ちのせいで。




僕らは撮影出来るであろう場所を探した。



まぁ真っ暗な山道。



懐中電灯はつけない。



自分で犯人に居場所を教えているようなものだから



彼女に手首を掴まれている。



「もう危険だからちょっとしたら戻ろう」



「うん。」



そんな会話をした折、僕は躓き、転けた。



故に手首を掴んでいた彼女も転けた。



「痛っ、、、大丈夫?ごめん。」



「ヒッ!」



その声で僕が何に躓いたのかがわかった。



懐中電灯をつける。



そうか、、、僕は彼を殺してしまった。



見殺しというべきなのだろうけど、、、



記者。



死んでいる。刺殺された。



もちろん、罪悪感が僕を包む。



涙が落ちる。



ごめんなさい。



ビデオカメラは壊されていた。



もちろんという結果。



犯人に通ずる何かを撮っていたんだろう。



でも、、、



手を合わせてポケットを調べる。


ボイスレコーダー。



あった。



二つ。



再生する。



旅館を飛び出した後のことを淡々と録音している。



僕らの行動の記録もだ。



そして、誰かの足音。



「あなたたち何をしているんです?」



不意に声を掛けられ後ろを振り返る。



冷や汗が僕の背中を滴る。



今まで異常者に会ってきた。



だから、感覚でわかる。



僕の俺の部分が物語る。



逃げろ!逃げろ!



死ぬ。死ぬ。



わかってるよ。



でも彼女を守りながら二人逃げれる?



無理だ。



ただ幸いなことに、犯人、、、僧侶は上からきた。



「いいかい?僕が合図したら君は逃げながら警察に連絡して」



「わ、わかったけど君は?」



「大丈夫。」



「おやおやぁ?何を話しているのですかぁ?私が殺したとでも?」


「いえいえ、、、」



「おやぁ信じて無いですねぇ」



「信じてますよ。早く連絡しなきゃいけません。アレ、、、ここは圏外ですね、、、じゃエリさん下まで行って警察呼んで来てください。」



「ちょっと待ってくださいぃ!」


「はい?」



「そこの彼女のネックレスはキリスト教のですかぁ?」



「あっコレは僕のです。彼女は仏教徒なので」



大嘘だ。



しかし、バレないようにしろ。



バレないように!



バレたら終わり。チェックメイトだ。



あんたが犯人だと気付いていない。



彼女はキリスト教じゃない。



僕がキリスト教。



そういう態度をとれ。



絶対バレるな。



「僕はキリスト教なので彼を天に召したい。彼女一人で警察を呼びに行かせます。」



「成る程ぉ。それなら私も近くに犯人いるかも知れないので残りますぅ。」



「ありがとうございます。」



彼女が駆けていった。



僕は殺されるかも知れない。



静に僕はその可能性を受け入れた。



「しかし、よく冷静でいられますね?」



僕は静に僧侶に語りかけた。



「それはあなたもではぁ?場馴れしているようですがぁ?」



「不運にも、僕はこういうことに巻き込まれやすいんですよ。」



「そうなんですかぁ。しかしそれは不運とは言いませんよぉ」



「そうですかね?」



「えぇ。」



まだだ。今はまだ何も行動すべきじゃない。



彼女の安全を確保するためにはあと最低5分生き残らなければ。



「そういえばあなたのことテレビで見たことありますよ。」



「そうですかぁ。私は全国を巡って、救われない人々を救いたいんですよぉ。」



「大乗仏教徒ですか?」



「はいぃ。一応大乗仏教でぇ、私は日本の文化を取り入れて新しい宗を作って布教してます。」



「成る程。詳しく教えていただけます?」



作戦成功。



べらべらと良さを語りだした。



5分確保。



「さてぇ、彼女はもう行きましたかねぇ」



「そうですね」



「ではこれから本題ですかねぇ」


やっぱり?



気づいてたんですね。



「本題とは?」



「あなたはキリスト教らしいですねぇ」



「いいえ違いますが。」



「ほうぅ、私を騙したんですねぇ」



さてこっからが命を左右する、、、



「騙した?あなたもだろう?」



「あらあらぁ気付いていましたかぁ。ところであなたは何教なんですかねぇ」



「残念ですが僕は偶像崇拝しないんですよね。」



「はぁ。今から、私の宗を信仰する気はありませんか?」



「無理ですね。特にあなたの宗なんて」



「ほぉ。理由が聞きたいですね。」



「単純に、神様や仏に頼るなんていやなんで。というか人殺しが開祖の宗に入るとでも思っているんですか?」



「ひ、人殺しぃ?ふざけるなぁ!」



「ふざけてませんよ。ただの人殺し。尊敬にも値しない。仏に仕える人間でも、ただの人間でもない。鬼だよ。殺人鬼。」



何故僕は自ら死に至る方を選んでいるんだろう。



ふっ、、、怒りを感じているんだよね。



この殺人鬼に



「私が鬼!?殺されたいようですがぁ、覚悟は出来ているのでしょうか?」



映画みたいなセリフ、、、だけどさ



「殺されたいように見えるのか?この世の誰だって死にたい奴なんていないさ。」



そう。



本当は生きたい。



いじめさえなければ、戦争さえなければ、優しい世界で本当は生きたい。



それをわかってないあんたはそれこそ宗教を人に勧める人間じゃない。



「あんたがしてることを知ったら信者は何て思うかな」



「私がすることはすべて正しいのですぅ」



「他の宗教者を殺すことが正しいのか?馬鹿言ってんじゃねぇよ!違うな。違う。違う。違う!あんたは最初は普通に自分の信じる物のためにだったかも知れないが、、、」



いや、そもそも誰かを価値観が違うだけで殺すことも間違ってる。


僕は熱く語っていた。



「、、、あんたは何度人を殺して快楽に目覚めたんだ?」



熱く語ってたのに冷たい感情が溢れる。



殺される、、、



「私が、、、快楽殺人犯ねぇ。」



ヤバい。



本当にヤバい。



バンッ!



ほらね、、、



だと思った。



なんで日本で、、、仏教徒が拳銃持ってるんだよ、、、



記者には切り傷しかなかったのに、、、




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