イドラ No.1
この世界には神という考え方がある。
それは宗教の違いで異なる。
だけじゃない。
人の価値観だ。
自分の都合に合わせて神を創る。
神が人を創った?
いや、人が神を創ったんだ。
僕は、神なんて信じない。
何故宗教間で争いが起こるのか?
神はそれを望んでいるのか?
馬鹿馬鹿しい、結局自分の事だけじゃないか
自分が正しい。
お前は間違ってる。
そんなことを考えている限り何も見えない。
正解を探すより、
世界を見渡して。
僕は神を信じない。
信じたら今まで起きた悪い事を、良かった事を他人の所為にしてしまっているようだから。
なんでこんな話をしているかって?
理由なんてないよ。
理由なんて、、、
僕は決めた。
今は、少しでも事件を解決しよう。
でもそう思うと、そう思うほど事件は起きない。
今日も郵便受けを確認。
悪ふざけばかり。
いい加減にして欲しい。
面倒くさいので警察に渡すことにした。
僕の映像を流出させた記者に電話して文句を言おうか?
苛々している。
本当に困った人を助けたいのに、、、
ピンポーン
と呼び鈴が鳴った。
親がいないから出なければいけない、、、
あまり、出たくはないのだけれど
「はい。なんでしょう?」
「コ、コウスケさんいらっしゃいますか?」
「あなたは、、、」
話をすれば影が立つとはいうければ
モノローグで語れば影が立つ。というべきだなぁ。
例の記者。
と、僕と同じ年くらいの女の子。
「なんですか?」
「この子の話を聞いて欲しいんだって事。」
「はい?その前に貴方は僕に言うべき言葉があるんじゃないですか?」
「あぁ、、、この事件、特番にして流しますから、ギャランティーはどのくらいがいいですか?って事」
僕は笑ってしまった。
笑って女の子に言う。
「入って。」
女の子を家の客室に行かせる。
「貴方が入ってきたら警察に通報します。」
「な、何言ってるんだい!?」
「貴方は誰にも言わないでくださいという願いを無視して自分の利益を取りましたね。」
「仕方ないだろ?記者なんだからって事。」
「僕は貴方のせいで毎日、変なイタズラの手紙に悩まされてるんです。裁判を起こしたいくらいですよ。」
裁判を起こせば公に自分を晒すことになるからしないけど。
「いーじゃないの!気にしないで気にしないで。」
「無理です。しかも貴方、今回はあの子と僕を明らかに金にしようとしてますよね。そのやり方が気に食わない。」
そう言ってドアを閉めた。
呼び鈴が鳴り続けているけど気にせずに客室に向かう。
女の子はおどおどしながら座っている。
「君、名前は?」
「サカミネエリ」
「年齢は?」
「17」
やっぱり同い年、、、
「どうして僕のところへ?」
「お父さんが通り魔にあって殺されたんです。」
と、通り魔で僕の所に、、、
どうしよう、、、通り魔って、、、
「犯人を捕まえて欲しいんだね?」
コクッと頷いた。
泣きながら、哭きながら
その時、ダンっとドアが開き、こちらへドシドシと歩く音がした。
あの記者、、、まさか入って来たんじゃ、、、
ドシドシと近付く足音が、、、2人分?
バシッ!
「コウスケくん!浮気ですか!?」
怒りながら泣いているヒメ、、、ヒトミさん
そうだった、、、今日は勉強見てあげる日だった。
いや、しかしなんかかわいい、、、というか嬉しい。
ヤキモチ妬いてくれるんだ、、、
僕はすぐにヒメジさんに駆け寄り、事情を話した。
「そ、そうだったんですかぁ」
安堵の表情、、、からなんか真っ赤になった、、、
「どうしたの?」
僕の問い掛けに無視して後ろを向き、
「嘘ついたんですね!」
記者だった。
「嘘も方便って事。」
残念ながら使い方が間違っている
「わかりました良いでしょう。こちらへ」
僕は案内させた。
「ヒトミさんも、こっちへ」
「は、はい。」
「タチカワさんでしたっけ?」
「はい。そうですって事」
「って事」が口癖なのかな?
「良いですよ。しかし、ドキュメント方式でなく再現VTR方式で、顔、声、名前は一切出さない。」
「仕方無いって事かな?」
「ギャラは犯人を特定したら一億見つからなければ0円で良いでしょう。」
「「「い、一億?」」」
三人驚いている。
「命懸けですからね」
というか、親、被害者の娘、そしてヒトミさんに全部回したい
「う、ま、まぁ良いですよって事」
「では、お座りください。あっカバンはこちらへ」
僕はカバンを受け取った。
受け取り、中身を開き、録画、録音中のビデオカメラ、ボイスレコーダー。そしてカメラを壊した。
「な、何をしてくれてんだ!?」
「あまりオイタしちゃダメですよ?」
「う、うぅ」
何も出来ない無力感かな?
やり方は間違ってるけど僕はすっきりした。
「さて、話の続きを、、、君はキリスト教?」
胸に明らかにファッションとは言えないような十字架。
「これは父の形見なんです、、、母親もいない私の唯一の家族、、、だったのに、、、」
泣いている、、、
助けてあげたい。
けど、通り魔って、、、
「今、泣いても何も始まりません、、、頑張りましょう、、、」
ヒトミさん、、、
そうだよなぁヒトミもお父さん殺されたんだよな、、、
同じ痛みを知ってる同士だもんなぁ
「通り魔って、衝動的な感じだよね?なんで警察に任せずに僕に?」
「通り魔事件が多発しているから、、、」
確かに多発している
「でも日本各地だよね?」
「ですが、、、」
第六感、シックスセンスだろうか?
それとも彼女は何かを、、、知っている?
通り魔事件の犯人か、、、
普通通り魔事件というのは金品を奪うためや快楽を得るためにする。
はずなんだけれど、、、