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デュナミス  作者: kou∞
34/56

プロローグ No.12

目の前に広がる光景は白。



今まで天国なんてない。



って思ってたのに。



死んだら無。



と思ってたのに。



意識もぼーっとだけどある。



これから何をするんだろう。



このままなのかな?



うーん。



もしかしたら助かったの?



いやあり得ない。あの状況下。



意識を失って助かる可能性は0



あぁみんなはどうなったのかなぁ


会いたい。



もう一度会いたい。笑いたい。



体は無いみたい。



な感じ



動かない。



流石に、、、



生きてる望みは無いなぁ



というか



「生きてる、、、」



天国だの、地獄だのって僕は信じないんだ。



「せ、先生!意識を取り戻しました!」



「騒がしいよ。」



「何言ってんのあんた!」



「つーか母さん。どこ病院?」



「○○病院よ。」



「そっか、、、」



生きてるには何か理由があるんだろうね。



いろんな検査を受けた。



めんどくさかったけど仕方ないんだよね



はぁ頭が痛い。



頭上から木が落ちてきた。



そこまでの記憶しかない



5時くらいまで検査を受けた



右手の薬指が無くなってた。



よくわからないらしい



義指になってた



指なんだからいらないんじゃ?と聞いたら



「思春期への配慮」



らしい。なんかおばさんの先生に言われたら下ネタに聞こえるから不思議だ



車椅子に乗り、病室に戻ったらいた。



いた。いた。いてくれた。



気付いた。



生きてるんだ。



僕は生きてるんだ。



涙が溢れて溢れて、だめだ、こぼれる。



嬉しい。



ただ嬉しい。



車椅子から立ち上がり



歩く。



抱き締めた。



母親がいたのに、



ユウジがいたのに、



キノシタさんがいたのに、



ヒトミさんを抱き締めた。



2人しかいないかのように



「ラブラブだなぁおい。」



ユウジの泣いてるのがわかる声で急に顔が火照った。



「ごめんっ」



「こ、こちらこそっ」



謝る必要あったかなぁ



ひとまず母親には帰ってもらった。



4人で話をした。



「みんな大丈夫だった?」



まぁここにいる=大丈夫。だろうけど



「あぁ。お前があのバリケードを作ってくれなければ出られなくなってた状態だったらしいが。」



「そっか作ってて良かったぁ」




「あぁ。助かった。ありがとう。」



ユウジからそんな言葉を聞くとは、、、



「ユウジって本当にツンデレだね。」



「ぶっ殺すぞてめえ。」



本当にツンデレだ。



「んで僕はどうして生きてるの?」



「お前は玄関先で倒れてたらしいな。頭から血を流して、指が無くなって。」



「なるほど」



あまり納得してないけど。



僕が生きてる。過程。



聞くことができないまま退院の日を迎え、明日からは学校に行くことになった。



退院の日なのに親は来ず、ヒトミさんが来てくれた。



一緒に歩いて帰りましょうって言葉には驚いた。



一時間はかかるよ。



まぁいいか。



何を話すべきなのか。

何から話すべきなのか。



僕は、迷っている。



世界は、僕は、今、君中心なんだ。



心で思うけど



何も言わないし言えない。



昨日、気付いたんだ



今回は逃げる事無く。気付いた。


僕は、ある人、ある視点から見れば



いや、ほとんどの人から見たら



異端なんだ。



どう考えても、人間の命を、、、


死ぬべきだったのかもしれない。


生きたいなんて、なんて軽い考えだったんだろう。



「何度も命救われましたね」



「えっ?」



突然だった。



心を読んでいるかのようだった。


いや、多分顔の表情を読んだんだろうけど、、、



僕は次の言葉を言えずにただ止まってしまった。



「きっと救われのは私だけじゃないでしょうね。」



「いや、結局は警察が捕まえていたと思うよ」



「いえ、心の面です。」



「ん?」



僕は、、、



「あっこれ。」



紙袋を渡された。



「何?」



「警察がさっき渡してくれ。ってさっき渡されました。」



証拠の参考としてとられていた、あの日来ていた服



普通、こんな物を彼女に渡すのかなぁ。



血だらけの服。



ズボンに入っていたのは自分への手紙。



笑ってしまう。



自分自身に書いたのに。



開いて見てみる。



バカみたいだなぁ、、、



裏に書いてた。



真っ赤な血で、僕が生きてる理由が。



結局そういうことかい。



「もう一人の俺へ。これが最後だ。」


まだあと2~3章続きます。

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