プロローグ No.11
あれから一ヶ月が経った。
私達三人は学校が終わったら何時も同じ場所へ向かう。
「今日はブシ君がニューソングを披露して、半数の人がトイレに駆け込んだんですよ。」
なんて毎日あったことを話す。
けど、返事は返ってこない。
虚しい。寂しい。
結果として私の愛するべき人は生き残った。
あの暖炉でずっと
「なんで置いてきぼりにしたんですかっ」
って問いかけにも、ずっと、
「カルネアデスの板なんだ。」
としか言わなかった。
あのあと、本当に助かった。
一日待って外から
「誰かいませんか?」
という言葉が聞こえた時は涙がでるほどだった。
紙面各紙はこの事件をものすごく取り上げた
また警察からの事情聴取。
私たちはあまり話せなかった。
恐怖で理解をしてなかったから。
彼が一人で話した。
本当に、凄かった
怖かった。
助かって良かった。
親から怒られた。
弟には励まされた。
学校では友達にいろいろ聞かれた。
サクラダ君は最大の悪魔だとも言われた
彼は、最大の被害者であるのかも知れない。
まだ彼女は残るというので私たちは帰ることにした
手を繋いで。
「ねぇ?」
「ん?」
「本当に生きてるって素晴らしいね。」
「うん。」
「ねぇ?」
「何?」
「私のこと愛してる?」
「あぁもちろん。世界で一番愛してる。」
「私もよ。あなたのこと愛してる、、、
ユウジ!」