プロローグ No.1
テレビの中の現実
目の前にある現実
例えば
テレビで戦争を見るのと
目の前で殺人を見るのと
どちらが恐怖か
どちらが真実味があるか
例えば
テレビの原発所事故と
目の前の交通事故。
どちらが恐怖か
どちらがリアルか
失礼ながら少し考えて頂きたい。
どれも自分に起こる確率はある。
確率が高いか低いかである。
でも
後者、前者。
ではないだろうか
なぜなのかを考えて欲しい
考えて無駄だったと思ってくれれば幸いだ
何故こんな話をしたか
それは今から話す物語。
そう。上からものをいうようだがいろんなリアルの始まりの物語で見つけて欲しい。
「コウスケ、、、」
「何?ユウジ」
「頼みがある。」
「うんまぁ聞かせてよ」
「蝸島に泊まり、事件を解決してくれないか?」
「えっ蝸島?僕は、、、もっと詳しく」
「うん?まぁいい。知ってるだろう?連続殺人の島。」
「あぁ俺もニュースくらいは見てる。」
「そこに叔父が住んでるんだが、お前の事を知り、ある用があり調べ依頼してくれとな、、、」
「なるほど。わかった」
「はやいな」
「断る理由は皆無だからな」
「じゃ、後日、内容はメールで送る」
「わかった」
蝸島。
人が殺される呪いの島。
とマスメディアから言われている。
そのほとんどは解決。
今回はユウジの叔父がパーティーを開く。
そんな折り、殺人予告の電話がきたらしい
うむ、怖いな。
このマンガや小説のパターン。
良いことが無かった。
刺され、殴られ、罵倒された。
仕方ないことだったが
こいつ(僕)も危ないこともあった。
死ぬということに何も感じはしないが、、、
さて蝸島。
島が蝸牛のような形になっているから蝸島。
今では皮肉で禍島と言われている。
殺人が多く起き、解決されている。
しかもその多くが警察ではなく、探偵が。
高校生も3人ほど事件を解決しているらしい。
計画犯罪も衝動的犯罪もどちらもだ
今回は計画犯罪になるのか
うむ、あまり好きではない。
「と言うわけだ。」
「わかった。」
「因みに、ユウコもヒメジも誘っておいた」
「おいおい、殺されるかも知れないんだぞ」
「置いて行けば俺らが殺される」
「しかしだなぁ、どちらにしろヒメジさんを連れて行けば俺が殺される」
「仕方ないだろ」
「仕方ないで済まそうとするな日本人。」
「お前もだろうが」
「確かにな」
「ところで、叔父が知り合いを呼ぶ時、サクラダの親も呼んでアイツも来るらしい」
「そうか、、、」
「気まずいな、俺らは騙されてただけだがアイツはお前を、、、」
「まぁいいだろ。気にすることはない。」
「全くお前は、、、」
「ところで、誰が狙われてるんだ?」
「知らん。言ってないらしい」
「そうか、、、来るのは大手企業のお偉いさんばかりなんだろ?」
「あぁ。さらに国会議員まで来る」
誰が狙われてもおかしくないと、、、
「そういうことだ。」
「とりあえずリストを頼む。」
「わかった」
その行く日まで7日間。
まずはヒメジさんの家に行くことにした
「ってわけなんだけど、、、」
「行きます!」
「いや危険だから」
「なんと言おうが行きます」
「話を聞いてないのかい?」
「聞いてます。」
「なら易々と行くなんて言わないでくれ。」
「君が助けてくれます。」
「その保証はないよ。」
「あります。」
「わかった。君の頑固は知ってるから何も言わない。」
「ありがとうございます。」
「じゃこいつにそれを話してくれないかい?」
「わかりました。」
「じゃよろしく、、、」
「あれ?ヒメジさん、、、」
「どうしたんですか?」
「何してたっけ?」
「何いってるんですか。蝸島の話ですよ」
「あぁ。でもそれユウジとしてたような、、、」
「その後、私と一緒に行くことにしたんじゃないですか。」
「何しに行くんだっけ」
「えっと、、、」
そうして僕はいろいろ話を聞いた。
なんのことかさっぱりだよ。
あぁ。怖いなぁ。殺人島かぁ。
ヒメジさんと一緒だから我慢出来るけど。
死ぬ可能性もあるんだよね、、、
あっユウジからメールだ、、、
さて。誰が来るのかな
俺は携帯を開く
・スズムラ オサム
国会議員。
汚職疑惑あり
・タカハシキヨム
大手企業社長。
裏金疑惑浮上中
・ホリエタダヨシ
国際的企業社長。
恐喝の容疑あり
・サクラダカムイ
IT産業で大きな活躍をしている
サクラダの親。
コイツには驚いた
・マツムラキヨシ
大手製薬会社社長。
俺が解決に導いて売り上げが極端に下がった製薬会社の社長。
何故か無実になったがな
他数名。
全てユウジの叔父の屋敷に泊まる。
俺らは4人で特別室。
4人共同じ部屋というのも気にかかるところもあるが、、、
そして、その日がきた。
夕方からユウジの家に集合。
バスで船があるところまで行った。
舐めてた。
ユウジの叔父がこんなに金持ちだったとは、、、
凄い、、、
「凄いな」
「スゲーなぁ」
「凄いわね」
「凄いですぅ」
「おいおい、ユウジまでこんな反応かよ」
「初めて見たぜこんなの」
「ユウジ、すぐにでも結婚しましょう」
「お前は金目的だったのかよっ」
「えぇ」
「深く傷ついたわ!」
「冗談よ。愛してるわ、全力で!」
「それもそれで恥ずかしいからやめてくれ。公開処刑だ」
「仲が本当にいいな二人は。」
「ヤマモト君のお陰よ。ね、ユウジ?」
「、、、」
「おいおいどうしたユウジ?顔が真っ赤だぞ。熱かお熱か?」
「うるせぇ。」
「あっ乗務員さんが呼んでます。」
「さぁいくか、、、」
「テンション低いな。」
「あぁまぁな」
人が殺されるかもしれないという割には警備が少なくないか?
なんて思うが口にはしない。
いや出来ない。
お前の叔父も犯人として見ているなんて言えるわけない。
「ここから12時間はかかるそうだ。」
「遠いな」
「なんかこの船借り物らしくてな、みんなへの最初の持て成しだそうだ。」
「成る程。じゃ個別の部屋もあるんだろう?」
「あぁ。もう行くのか?」
「ちょっと、あんまりこういうの得意じゃなくてな」
「あ?そうだったか?お前が一番こういうのが好きじゃなかったか?」
「人は変わるんだよ」
「数日前の修学旅行から早い変化だな」
「あぁ5時間で変わるんだよ」
「お前はキムラカエラの髪型か?」
「何だ?ボケにボケを重ねたのか?」
「いやツッコミだ。お前が前したな」
「そうか、、、」
「あぁ、、、あっここだ。」
「おい、確か4人で同じ部屋だったよな」
「そうだな」
「これは?」
「叔父に電話するか?」
「早くしないと圏外になる。」
「わかった。」
「あぁ叔父さん?
うん、久しぶり。いや聞きたいことあって
いや、脅迫の事じゃなくて
部屋のことなんだが
あぁ、いやそこおかしい。
なんで気をきかせた結果が4人部屋でベッドが2つなんだよ
おかしすぎるだろ!?
我慢しろっておいっ
いやそっちの部屋もなのかよ。
あっ」
「どうした?」
「すまん、我慢してくれで終わった。」
「本当にか?」
「最後に男になれと言われた。」
「ユウジ、頑張れ。」
「他人事みたいだがお前もだぞ。」
「わかってる。」
それにしても4人部屋にベッドが2つしかないから広い。
さらに高級ホテルみたいだ
「じゃ俺は休むからあの2人を頼む」
「あぁ。ってかあの2人は?」
「ロビーだ」
「わかった。飯になったら呼ぶからな」
「助かる。」
バタンとでて行った。さて、何から始めるか
家族連れが多少いた。
サクラダはまだ見てない。
サクラダ、
サクラダタカシ
俺が現れる前。
三人でよく遊んでいた。
アイツの母親が亡くなるまで。
よくテレビなんかである話だ。
帰宅途中サクラダと俺の目の前で亡くなった。
いや殺された。
轢き殺され、男が出てきて死体を蹴った。
僕という存在はひた隠しにしていた。
時系列も変えた。
サクラダを励まそうとした当時の俺はサクラダに殺されかけた。
犯人は逃亡中。警察は何をやってるんだか、、、
しかし、犯人は当時の俺に半殺しにされた。
傷があった。腕に大きな。
これまで感じてた、大きな勘違い。
人が死ぬ。
身近な人が。
メディアで体験する「それ」とは違う。
格が違う。
大きな闇。壁。光はない。
多くの哲学者が語る。
リアルさが無いまま受け入れる。
受け入れられないままに受け入れる。
受け入れたフリをする。
しかし、サクラダは何も受け入れなかった。
俺は多重人格。
サクラダは根本的に変わった。
俺も別次元だが
サクラダも俺とは違う次元。
普通の人間が生きてる世界が光なら闇。俺は狭間。
というところだろ。
それから、アイツは俺に同じ苦しみを与えようとした。
そのお陰、いや、ただの一割程度だろうが、俺ができる要因になった。
「コウスケ君ご飯で、、、えっ?」
「あぁありがとう。」
「な、なんでこの部屋ベッドが二つしかないんですか?」
「俺の叔父さんの計らいだ。」
後ろからユウジが来た
「どういう叔父さん!?」
キノシタさんが驚いている
「ファンシーな叔父さんだ」
「どういうことよっ!?」
「と、ところでどう寝ますか?
「俺とユウジ、キノシタさんとヒメジさんでいいだろ?」
「ゲイだった(の)(んですか)!?」
「違(げーよ)!」
「じゃユウジは私と寝よっ」
「待て、色んな恥ずかしさと怖さがあるぅぅ俺の関節はそんな風には曲がらねぇ!!」
「寝ましょ」
「とりあえず、腕を外し、飯を食いに行こうぜっ」
「寝ましょ」
「無視かよ!」
「わかりました。ユウコちゃんはユウジ君と寝て私はコウスケ君と寝ます。」
「おいおいヒメジさん。危ない事を言うね。俺の命に関わるぅぅおいおい俺の首はそんなに曲がらないぞ」
「寝てくれませんか?」
「いや、こだわる理由がわからない。」
「寝てくれませんか?」
「無視か。付き合ってもない男女がそんなことをしてはいけなぁぁやれやれ、人の腕をそんな風に扱ったらダメだぞ」
「デジャブだ」
「おい、ユウジそんなこと言ってる暇と余裕があるなら、二人から酒の匂いがするのはなぜかを教えろ」
「さっきのウイスキー入りチョコレートだと思う。」
「成る程。だからヒメジさんは猫にはなってないわけだ。」
あれは厄介だ。というかチョコレートに含まれるアルコールは多くても0.03%、人体には被害はこないはずなんだが
「クールな話方をしてるが俺達はかなり危険な体制だぜ。」
「あぁ。」
「ユウコ、寝るから、一緒寝るから。」
「寝るから?なんか嫌みたい」
「あぁ一緒に寝かしてください。寝たいです。」
「あはっユウジったら」
「た、助かった。」
「楽しみ~」
仲が本当にいいな。
「ヒメジさん?」
「はい。」
「一緒に寝よう。」
「一緒に寝るだなんていやらしいです!!」
「理不尽なっ」
「いやらしすぎます!」
「はっはぁコウスケ!手も足も出ないとは全くこのことだな。」
「キノシタさん、ユウジの携帯にはキノシタさんの画像フォルダ意外にも、動画フォルダもあるぞ。しかも寝顔の」
「ぎゃー!」
「デシャヴだ」
「許さん!」
Prrrr
ナイスタイミングだったと思う。
「お料理の用意が出来たので食堂へお越しください。」
俺らは向かった。
楽しい時間。
いやそれほどでもなかったが
安全な時間は終わった。
ここからはこの後、ずっと語られて行くだろう。
今まで起きた殺人事件なんかくだらない。
俺のような異端者。による殺人事件の幕開け。
犯人と俺らの殺されるか殺すかの物語の始まり。