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デュナミス  作者: kou∞
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アイロニー

最近は散々だった。



月曜日には寝ぼけていたのか道に迷い、学校についたのが12時で先生や親には怒られる。



火曜日には理不尽な持久走大会の練習



ただ良いこともあった。

前から僕が少し気になっていたヒメジさんから話かけられた。



内容は意味がわからないものだった。




「私、水曜日学校休んで病院いったんだけど、君、**病院の前の廃ビルから出てきたね。何してたの?」



「えっ?僕が?多分見間違えじゃないかな?」



その日の午前中の記憶は無いけれど、、、廃墟に入った記憶はないよ。



「いや君だったよ。んでね私の診察が終わって会計待ってる時にそこから血を流した男の人がでてきてビックリしたんだよ。」




「いやぁ全く記憶にないんだよね。水曜日の朝とか特に、寝ボケて入ってケンカしちゃったのかな?」



「うわぁこわーい」



本当に記憶にないんだよね、、、

寝不足かな?



ただ彼女と話せたから内容はあまり気にしない。



彼女は学校で目立つ方だ。



だが僕は読書をしている姿にただ惹かれている。



僕も読書は好きだ。



この世界と断絶することが簡単に出来るから。

そして、読書をしていると人から話かけられないから。



小説を。



特に、恋愛ものであったりファンタジーだったり。



しかし、この水曜日、木曜日で買った本は全部、サスペンスや残酷なものだった。



いつの間にか買っているんだ。



読み終わっているのに内容はほとんど覚えてない。



僕は若年層アルツハイマーかもしれないと思うようになってきた。


それでも僕は静かに受け入れられる。



、、、気がする。



何故か。



そして僕は今日を迎えた。



祝日で休みだが僕は早く目覚めた。


朝からうるさいのだ。



パトカーなんかが



テレビをつけるとニュースが、、、


「××町に来ています!この平穏な町に訪れた恐怖。昨日から帰宅していなかった●●さん(14)が変死体で見つかりました。」



これでか、、、

家から100Mもない場所だ。



僕はすごくいたたまれない気持ちだ。

家族はどんな哀しみを持つのか、、、

もしかしたら好きな人や恋人がいたんじゃ、、、すごく哀しい



僕は思う、僕はこの現代では生きにくい人物だと、、、



僕は陰口や悪口が大嫌いだ。



それに弱い者イジメや犯罪

それをする人間、、、



僕は本気で音楽でそんな人々をかえたいと思っている



そう本気で思っている。



しかし、そんな僕に対する人々の反応は、、、偽善者か中二病だ。


だから僕はそんな事を考えてないフリをする。



そして僕は笑われる恐怖から逃げる。



僕はその場所にはいかないつもりだ。



野次馬が嫌いだから。



しかし、いつの間にかそこにいた


寝ぼけてたのかな?



僕は愕然とした



まだ元、彼女の中にあったであろう物の回収作業が行われていた。


それからそれを携帯で撮る野次馬共。



、、、、、、

俺は野次馬なんか気にしないが

そこにいた男に話かけた。



「どんな気持ちですか?」



「はい?」



男は不意に声をかけられたことに対して驚きを隠せないようだった。


「あなたの作品でしょう?」



驚きで声を無くしているようだ。


俺には確信はなかった。

ただの賭けだった。



ただ早朝でほとんど全ての人々はジャージや寝間着、会社へ行くような格好だがこの男は黒基調の着崩れのない服装。



肌は日光を知らないような白さ。


足が震えているのに、顔はどこか誇らしげ。


まるで自分が描いた絵が優秀作として飾られた小学生のようだった。


俺はこの男が犯人だと思わなくても話掛けただろう。



俺と臭いが同じだ。



「あなたもこっちの世界の人間ですか?」



男は落ち着いて話かけてきた。



「こっちの世界?世界と言える場所じゃないですよね?」



俺はアイロニーたっぷりに言う。


「残念ながら私は犯人ではありませんよ。残念ながらこの事件の犯人ではないです。」



その男の話を無視し、俺は観察した。



ほとんど回収されている。



田舎の警察だからだろうか、隙間から中が見えてる。



その中で何もしてない警官を見つけた。



余りの酷さに驚いているのだろう。


普通の人間なら吐く程だろう



その警官は上司から追い出された。



出てきたところでわざとぶつかり手帳を抜き取った。



何か犯人に通ずる情報があるかと思ったからだ。



犯人を捕まえるつもりなんて更々ないが、、、



見てみたいだけだ。



どんな人間が、どんな感情で、この世界にいるのかを



警察手帳に書かれていたのは無数の十字架と贖罪という文字。



俺は面白い事を思いついた。



「あの、、、落としましたよ」



「は、はい。す、すいません」



「この事件、動機は何なんでしょうね?」



「犯人が捕まってないのでわかりませんし、私たちからは話せる事は何もありません。」



「そうですか、、、犯人は今何をしてるんでしょうね」



「わかりませんね」



「俺は贖罪じゃないかと思うんですよね。今、罪を償い贖罪することでまた新たなる儀式を行う。

きっとそんなことを無意識にこの作品を見て思っている」



「何が言いたいのですか?」



「きっと何も言いたくないんですよ」



俺はその場を離れて帰宅した。



親に咄嗟にどこにいってたのか聞かれたが僕はよく覚えていなかったのでコンビニと答えた。



テレビをつけたらまだあのニュースをやってる。



晒し者じゃないんだよ



と憤りも感じる。



かわいそうに、、、



そしてあの事件から二週間が経った。



あの日のように激しくは報道されなくなった。



世間はそういうものだ、、、



俺は考えてた。



疑問



何故犯人を誰も見てないのだろうか?



犯人が飾った場所は人通りは少ないが見かける確率もあるだろう



早朝発見されたことから

いつ飾られたのかが推定できるが


それも疑問だらけだ



そして三週間目の朝がきた。



僕は疲れがとれてない気がしている。



でいつものようにテレビをつける


「また被害者です!**町の●●さん宅のガレージにて**さん(17)が変死体で発見されました警察は同一犯による犯行だとしています。」



驚愕した。



涙が止まらなかった。



僕は**さんとは元クラスメイトだった。



僕はすぐに向かった。



家族とも面識があったため



より一層行かなければならない気がした。



現場は人が溢れていた。



コイツらは何なんだ!?

野次馬。大嫌いだ!



友達も何人かいたけど声をかけられるほど安定した状態じゃなかった。



隙間から中の様子が僅かに見えて、僕は吐きそうになった。



あの子があんな状態に…



犯人を殺してやる。



彼女の両親を探していたら



見知らぬ男に声をかけられた。



「久しぶりですね。どうですか?美しいでしょ?」



「美しい?ふざけんな!」



僕はその男を殴り、胸ぐらを掴んだ。



「ど、どうしたのですか?あなたもこっちの人間でしょ?彼女だとしてもあなたは何も感じないはず」



「意味がわからねぇんだよ」



そんなことをしていたら警察がきた。



「何をしているのか?」と



男は何もないと逃げた。



アイツが犯人じゃないのか?



僕はそんな気がしていた



けどそれどころじゃなかった



彼女の両親と会い、話を聞き、通夜にでて、学校を休んで葬式にもいった。



哀しみは一向に消えない。



ある日彼女の親友だった子に公園に呼ばれた。



「犯人探そう。」



予想通り。



「ダメだ」



俺は言った。



「な、何で?」



「君が危ない」



俺は当たり障りのない言葉言った。



本当はちっともそんなことを思っちゃいなかったが。



犯人を見つけるのは俺の役割であり快楽だ。



しかし、この女はそんな俺の考えを知らず手を握ってきた。



暖かさを感じて俺は咄嗟に離した。



すると抱き着いてきた。



この女の鼓動が伝わってきた。

心拍数が上がっており、俺の鼓動と交わる。



僕はふっと気付く



この状況が一として理解不能だ



そうか彼女は辛いんだな、、、

親友がなくなったんだもん

このままにしておこう



僕は彼女と長い間話して暗くなっていた。



公園で別れを告げ帰る途中



心配になり



僕はやはり彼女を家まで送ることにした。



彼女を探してると警官がワゴン車に大きな荷物を入れてるのが見えた。



俺はすぐに駆け寄り、警官に聞いた。



「何してるんですか?」



「あ、あぁいえあの、、、」



「その荷物を貸してください」



「き、危険な物ですので」



危険なモノか、、、、



「ならこういうべきですか?彼女を返してください」



「えっ?えぇ?」



「アンタが犯人だろう?」



前の贖罪警官だ。



犯人とわかっていたが、踊らせたかった。



「そして、アンタもだろう?」



車から出てきたのはこっちの世界野郎



「まさかね。前の殴りかかってきたのが演技だとは」



違う。演技なんかじゃなかった

俺はこいつのしたことに腹が立っているが感謝もしている



あの時、もしもこいつが殴りかからなければ確信はなかった



普通警官が逃がすわけがない

犯人だとすぐに思うはずだ。



一人目の犠牲者。


警官が飾り、男が見張り。


多分格好は男が警察の服をきて、通った人に事件が行ったから違う道を通ってくれなんてことを言ったのだろう。




二人目の犠牲者。


男が飾り、警官は見張り。


方法は同じだろう。


それなら犯行が発見されても警官の一人が警察に怪しい人影を追っていた。犯人は逃げた。なんて言えば取り繕いができる。



「そう。正解です。大まかには」


「俺は経緯など関係無いし興味もない」



「ではこの女性を一緒に美しく飾りませんか?」



「却下だ。内臓をえぐりだすだけで美しいと思っているお前らと俺は違う。」



「はい?」



その会話の途中、警官が逃げた。


ドサッと荷物を置いて、、、



男が笑った。



「美的センスの違いですかね?

じゃ私はアイツを自分の美的センスで芸術にしてきます」



車で行ってしまった。



違うな。生きたままでも美しいものはある、この女の心音は芸術その物だった



俺はこの女を殺すのは惜しいと思った。



「ねぇ起きて。」



「えっ?」



僕と彼女は公園にいた。



「何で?ここにいるの?」



「わからない、、、」



「ってかもうこんな時間だ。ヤバイよ」



「ほ、本当だ!じゃ家まで送るよ」



「なんかさっき誰かに襲われた気がする」



「夢じゃないかな?」



「そうかなぁ」



彼女の家の前に着くまでいろんな会話をした。



「じゃまたね」



「うん、ありがとう」



翌日。



朝、いつものようにテレビを見る


「二人の女子生徒を殺した容疑者が捕まりました。

一人は無職の男性でもう一人は警察官です。

警察官の**容疑者は殺害されており、無職の**容疑者が自首すると言って逃げたから殺したと供述しています。」



捕まったんだ、、、死刑になれ。


僕は心の底から思った。



「なんと無職の**容疑者は一人目の犠牲者の兄だったそうです。機などは未だに不明です。」



動機など一般人にわかるわけない。


それが俺らの普通だから。



しかし、お前らの無様さには笑ってしまう。



俺は皮肉たっぷりの笑顔を浮かべながらテレビを消した。

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