モラトリアム No.2
「おいクソ男!」
「誰だ!僕に罵倒を浴びせるのは!?」
「姉ちゃんと二人で何の話してたんだ?」
「いやっえっと、、、」
「勉強を教えてたんですよ。」
「そ、そうだよ。」
「なんのだよ?」
「ア、アクセント記号とかですよね?」
「そ、そうだよ。」
「じゃコウスケ君。このImagination.にアクセント記号「′」を付けてください。」
「か、簡単だよ。ヒメジさんは僕をバカにしてるの?」
Imagination!
こんな簡単な問題を僕にさせるなんて、、、
「わ、私は君の発想を天才だと認めます。」
「この兄ちゃんバカだ!!」
「じょ、冗談だよ。笑っていただけたかな?」
僕をそんな目で見ないでヒメジさん。
ヒデちゃん。ちょっと勉強するからでてください。
「コウスケ君。」
「なに?ヒメジさん」
「明日から毎日一緒に勉強しましょう」
笑っている
笑っているけど目が笑ってないよヒメジさん!
「僕と?」
「はい。」
う、嬉しいような怖いような、、、
「と、というか僕は何で ここにいるの?」
「そ、それは、、、」
「それは?」
「デ、デートです!!!!」
「えっ!?」
「確保!!!」
こからか聞こえたけど、、、もしかして?
「い、今のは?もしかして、、、」
いやいやあり得ないよ。こんなところまで、、、
「月曜日、覚えておけ!!!」
オギ君の声がしたけど
きっと空耳さっ
「ヒメジさん!」
「な、なんですか?」
「ぼ、僕は君のことが、、、」
「わ、私のことが?」
「、、、」
「コウスケ君?」
「目が覚めたよ。大分疲れがとれた」
「あぅ、、、」
「どうしたんだい?そんな真っ赤な顔して、、、まさかコイツに何かされた?」
心臓を指さすが
実際どこに隠れているかわからない
心臓にいるというクオリアというものだ
「い、いえ」
どうしたんだ全く。
なぜ泣きそうなんだ。
「大丈夫?熱でもあるんじゃ?」
「い、いえ本当にないです!」
「そ、それならいいんだけど、、、」
なぜ怒られたのだろうか、、、
気がつけば9時。
この時間帯になると母親の安否が気になる
が、ちょっとやるべきことがある。
紙とペン。事情を書いておく。
そして、それから30分ほどして母親が帰ってきた。
なるほど、犯人は徹底的に娘狙いか。
「初めまして、ヤマモトといいます。」
…この部屋に盗聴器があります。…
「えっ!?」
「娘さんとは友達として仲良くさせていだたいてます。」
…さぞ驚きでしょうが、演技に付き合ってください。…
「そ、そうなの?ゆっくりして行ってね。」
OKサインを手で作りながら話した。
物分かりのよい、頭のよい人でよかった
「はい、ゆっくりさせていただきます。」
そんな会話をちょくちょくしながら
筆談した。
…犯人の目星は?…
…旦那と結婚する前に一度人を振ったの。その男はずっとストーカーしてきたわ。…
…なるほど、ほぼ決定ですね…
…どうすればいいの?…
…ま、まぁちょっと明日仕掛けたいと思います。…
…わかったわ…
…今日は泊まってもいいですか?…
…どうぞ…
「今日は泊まってもいいですか?」
「どうぞ。へんなことはしないようにね。」
「はははは、大丈夫です。」
性欲なんてないから
さて、明日が本番か。