ペリペテイア No.4
「君はここで待ってておくれ」
ヒメジさんは隣の部屋に案内された。
バタン
「何故犯人だとわかっていながらな何もせずに終わったんですか」
依頼主の犯人を殺したいという言葉に嘘は感じられなかった。
「確かに今でも殺してやりたいさでも、、、」
「でも?」
「私は娘の姿があんな風に置かれている。いや飾られてると言った方がいいかも知れない。そんな状況を見たとき、憎悪と共に美しいと思ってしまった。」
「美しい?」
「君も感じたろう?死を美しく感じるんだ」
「まぁ確かに美しくは思います。」
「だろう?」
「ですが彼の飾り方は上手くない。せっかくの獲物なのだからもっと綺麗に美しく飾るべきだと思いました。」
「なんと、、、君は、、、」
「ところで娘さんは?」
「あぁ。私は彼女を一人娘を大切に育てた。その大切さが愛が、異性に対するものになっていった。
早くから死んだ妻に似て美人に育ち、私は彼女を愛していた。彼女も私を愛してくれた。
世間では禁断と呼ばれる。
その恐怖と儚さの中で私は凄く幸せだった。
しかし、本当の恐怖が私を襲った、、、」
「娘さんが消えたことですか」
「いや、子供が出来てしまったことだ」
「なるほど。それで消えて、飾られてる姿を見て哀しくも、どこか安心して美しく感じたというわけですね」
「そうなんだ。そして私は考えた娘を切り刻んだナイフが欲しい。だからこんな仕事を依頼した。」
この人は何とも不器用な人だ
そして、世間の正義と自分の正義との葛藤。
辛い物があったろう
なにせ、、、
「キャー」
なんだ?
急いで隣の部屋に行く。
犯人だ。
ヒメジさんの首にナイフをあてて微笑んでいる。
「こんにちは」
コイツはやはり馬鹿なのか
「ふざけるな」
「ふざけてなどいません。」
「なら離せ」
「何を、、、、アナタも見たいんでしょ?切り刻まれたこの子を」
「いや全く見たくない」
これは事実だ
コイツは飾り方が汚い。
そして、婦女暴行をしてから殺すなんて俺の美に反する
「お前気持ち悪いんだよ」
ついでてしまった
「ん? 何がですかね?」
「お前は捕まる。お前は馬鹿なのか?婦女暴行し、殺害とは下らないな、しかも汚い」
「ふざけるな!私の作品は美しい」
ナイフを向けて走ってきた。
またこのパターンか
慣れた。
腕を掴み、投げる。
そして、ナイフを拾って足にさす
叫び声が五月蝿いので頭を蹴り気絶させる
そして依頼主にある提案をする
依頼主はその提案をのんだ
帰り際、依頼主から封筒に入った大金を頂いた。
全て彼女に渡した。
俺達は駅で別れた。
一週間後、ニュースであることが流れた。
「以前から騒がれていた連続殺人ですが最後に首吊りで発見された男の体液と殺害された7人目の女性に付着していた体液が一致して、犯人である可能性が高いということです。」
やはり、、、
「この男は自殺の可能性が高いと言うことです。」
これが俺が提案したことだ
復讐と快楽
これが果たされるはずだ
しかし、提案してないことを彼はした
してしまった、、、
「さらにこの事件の第一被害者の父親もナイフで刺された状態で見つかっておりなんらかの関係があるのではないかと、、、」
まさか自殺するとはな
葛藤があったのだろう
というか俺らと話した時もう決めていたのだろう。
ヒメジさんに渡した封筒には1000万入っていた。
家族がとんでもなく驚いていたそうだ
もちろんヒメジさんも、俺も驚いた
ヒメジさんは驚き過ぎたのかはたまたただの疲労か学校休んだ。
だから電話でいろいろ話した。
そして俺の存在についても話した
いや話さざる終えなかった
信じてもらえないかも知れない
彼女が変な感情をもつ前にと思っていたが、、、
遅かった。
でも俺たちはきっと今まで通りだろう
親しい友人に過ぎない。
コイツ(僕)はどうか知らないが
人の欲は尽きない
俺はただ性欲がなくて違うものに欲があるだけである。
たったそれだけ
しかし、この世界ではそれだけが大きな違いなのである。
たったそれだけで人はすれ違うのである。
身をもって経験した。
面白い人生。そんなものは価値観だ。
他が他にぶつけるものじゃない。
大事な人を失って愛欲がなくなった男の悲しいストーリー。
俺はテレビを消して、深い眠りに就くことにした。
今の一番の欲はこれだから、俺は逆らうことなく生きていく。