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【死ぬほど頑張る】を極めてしまった 〜社畜は異世界でやり直す〜  作者: 汚醜
第二章 盗賊

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第28話 アラフォー

 日記を閉じて、再び廊下を歩き始める。奥に進むほど人気が少なくなっていくように感じた。

 構わず歩みを進める。すると、ずっと続いていたはずの壁が突然終わりを迎えた。

 模型と同じく庭があるようだ。その幅と同じだけ穴が空いている。高さ2mほどの壁で3方向囲まれていて、中には訓練用の重りや打ち込み台のようなものが複数見えた。人は居ない。

 いや、気配がなかっただけで一人いた。大柄で少し太っている。つい足を止めて見つめてしまった。ピクリとも動かない。

 次の瞬間、周りに置いてあった打ち込み台が全て半分に折れた。魔法で指から蛇口の様に水を出して飲んでいる。


「とんでもねぇ精度の魔力操作だ。生物から自然に漏れ出る魔力まで完全に閉じ込めてやがる。居ることにすら気付けなかったぜ。」

「周りのやつがスパーンっていったのは何が起きたんですか?」

「…………全く分からん。」


 ソウが親指を廊下の先に向ける。あんなのと戦闘になったらただじゃ済まないだろう。気づかれないうちに先を急ぐ。

 奥にあった階段を登るとその先には鉄の扉が見えた。文字が掘られていて、ソウ曰く『書斎』らしい。

 特に危ない要素はないだろう。ソウが扉を開けてガンガン前に進んでいく。

 中は学校にある図書館の様だった。天井は高いわけでもなく、ただ同じ平面に本棚が並んでいるだけ。ただ何処かで見た様なデジャブを感じる。


「へぇ、ただの盗賊や騎士団が持っていい設備じゃねぇな。」


 視線がこの部屋の中心へと寄っていく。そこにあったのは禍々しい書見台。神父は『神の書斎』と言っていた。

 恩寵を与える為の設備がこんなところにあるのか。確かにコロも恩寵を持っていた。

 それにしても、こんな大きな力を生み出す可能性がある、兵器といって差し支えない程の物体をそう簡単に手に入れられるだろうか。


「ただの盗賊が持てる物でもないなら、何か大きなコネがある……?」

「教会だけが儀式の方法と神の書斎の作り方を知ってる。よっぽど仲が良いヤツでも居たのか……。」


 協会の人物が個人的に騎士団との繋がりを持っていたのか。俺の知っているかぎりでは、思い当たる人物は1人しかいない。


「メリンさん……?」

 

「――ふふふ、懐かしい名前。」


 女の声、奥から足音が近づいてくる。俺達以外にも人が居たのか。さっきの奴と一緒で全く魔力を感じなかった。

 本棚の端から姿を現す。3m程ある本棚の半分くらいの大きさ、魔女の様な帽子を被っている。


「……ああ、もう何年会ってないんだろうな。」


 ソウが目を合わせず、違和感のないように返答する。

 俺も適当に相槌を打つと、適当に本を取って読むフリをした。


「やー、しらばっくれてるの。もう私分かっちゃってるんだ。まるでさっきから他人行儀な話し方。いや、他人なの。スパイなの。」


 女は体を左右に振りながら笑顔で話しかけてくる。ソウが素早く槍を取り出し、そいつの首元に刃先を向ける。


「騒いだら殺す。てめぇには色々聞かなきゃならねぇ。おい、ロープか何かでこいつを拘束しろ。」

「そんなの持ってないですよ……!」


 自分の命が脅かされているというのに、女は不気味なほど怖がらない。むしろ楽しんでいるようにも見えた。

 今こいつに騒がれたら全てが終わる。絶体絶命だ。


「にー、そんな怖い顔しないで欲しいの。別にあなた達と争おうとなんて微塵も考えてないんだ。特にソウ。君とは。」

「……背丈や顔つきだって違う。どうして分かった。」

「未来が見えるからさ。」

「テメェの恩寵か。いや、んな簡単に開示するわきゃねぇな。それに本当なら……強すぎる。」


 ソウが自分の首元から何かを取り出す。甲冑で見えなかったがネックレスをしていたようだ。目を凝らさなければ見えない、透明な石がついている。


「昔、親父から貰った嘘が分かる石だ。嘘をついた奴が近くに居れば色が濁る。」

「やー、これで疑いが晴れたようだ。」


 いや、不気味だ。何を考えているのか全く読めない。未来が読めるなら俺達が潜入することだって分かっていた筈だ。

 何故仲間に知らせなかった。コイツは俺達に何を求めているのだ。


「……ソウ。少なくともこの人は戦う意思なんてないですよ。」

「分かってる。いちいち口を挟むんじゃねぇ。」


 槍を背中に仕舞うと、女の方を睨めつける。


「テメェは何を考えてやがんだ?」


 女は後ろで手を組み、ゆっくりと右へ移動し始める。

 

「やー、ただ1つ言っておく事があるとすれば、視えてしまったなら態々動く必要なんてないということなの。」


 体が動かない。いや、動かすことはできる。自然と目だけが女を追っているのだ。

 女が足を止め、こちらに向き直る。


「自己紹介をしておくの。ジパラン騎士団第一特殊遊撃隊作戦担当。アネット・ローアド。」


 次の瞬間、アネットの左側にある壁が爆発した。

 近しいが、魔力とは違った感覚がした。これが魔素だろうか。奥から人のシルエットが近づいてくる。


「ごめん、緊急事態。」


 マリーが壁を破壊してやってきた。奥にはマティアスと初めて会った時に見た赤いローブの男。

 作戦は失敗したようだ。

ルールルールルル……


神「こんにちは!神の部屋へようこそ……。今日は誰かの紹介をしていくぜ!今日はコイツだ!」


名前 マギコォ・ジャウカーン

年齢 「もう数えてないぞ……」歳

誕生日 7月77日(???)

趣味 木工、短歌

特技 変化に敏感

身長/体重 146cm/38kg

弱点 孤独


また来週〜!

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