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【死ぬほど頑張る】を極めてしまった 〜社畜は異世界でやり直す〜  作者: 汚醜
第二章 盗賊

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第25話 真っ暗闇の未来に描き殴る

「今こそ町に獣人なんて居ないから目立ってねぇが、昔っから人間との仲は滅法悪い。俺がガキの時も獣人と人間は別れて遊んでた。獣人には悪い話が多い。人間とは違って野生の本能が強いから暴力的だとか、ある村が獣人によって滅ぼされたとかな。」


 人間と獣人の対立。バイヨンとミザリーも仲が良く、記憶喪失のマリーはもとかくソウまで普通に接しているので気づかなかった。


「まあそんな中、だ。一部の騎士が寝返った。」

「特殊遊撃隊ですわね。」

「ああ。騎士団や王国による縛りがない、王国の存続という任務だけを抱える部隊だ。第一は人間、第二は獣人のみが所属する。俺の親父もそこにいた。」


 ソウの表情は変わらないが、貧乏揺すりの周期が早くなっている。

 

「ソウ……。」

「獣人達を全員引き連れて王国の外に脱出。その後のことは誰にも分からない。」


 人間が所属するはずの第一も一緒にクーデターを起こしたということだろうか。一体何のために。

 マリーが頬杖をつきながら質問する。

 

「つまり君はこの盗賊団がその第一特殊遊撃隊と同一だと考えてるわけね。」

「ああそうだ。もし顔見知りか親父が居たら和解できるかもしれねぇ。」


 何となく希望が見えてきた。もし知ってる人がいた場合は本拠地の内部を探索した後脱出すればいい。


「和解?確かにあっちからすれば仲間の息子がやってきたから歓迎してくれるかもしれない。でもここに来た目的は制圧。君、情に訴えかけておいて何の躊躇いもなくその人達やお父さんを売り飛ばせるの?そもそも相手が私たちをここから出す理由も無い。ここから出られなくなる可能性だってある。」

「……。」


 ソウが喋らなくなった。祖国と父親を天秤に掛けることになっているなら当たり前だ。どちらを取っても後味の悪い結果になるのが見え透いている。

 バーバラに魔法を教えてもらった後に出会った獣人の子のことを思い出す。未だ獣人の立場というのは低い位置にあるのだろう。

 俺も思っていたことを同じような境遇にあるバイヨンに聞く。


「バイヨンはどう思う?今でさえ差別は続いているのに、ここの獣人達がジパランに戻った時、どんな差別を受けるか……。」

「どっちにしろ盗賊行為は悪。罰するべきです。同族達には申し訳ありませんが、獣人差別に関しては後々解決法を探せるはずです。」


 また重い沈黙が辺りを包む。俺達の手のひらの上に獣人と人間の関係、ソウと関係のある人物の命があるのだ。絶対に零す訳にはいかない。

 下を向いた時にあった木目をずっと見つめていると目が回りそうになる。

 まるで冥界や、黒と水色のみで描いた絵画のような世界にいると自分が存在しているのかさえ不安になる。そんなとき。


「何やってるの?僕も混ぜてよ。」


 コロが秘密基地の上に登ってきていたのに今気づいた。ニコニコ笑いながらこちらの様子を伺っている。


「他の仲間はどうしたの?」

「疲れたから休憩。ずっと何か話してたの?」


 かなり時間が経過していたようだ。明るさの変化が無いため分かりにくい。

 コロはこの集落の住人だ。こんな健気な子を人間と獣人のいざこざに巻き込んでいいのだろうか。


「ねぇ、お父さんとお母さんはいい人?仲間たちは?人間である騎士団が居るのに平和に生活出来てるの?」


 俺自身なんでこんなことを聞いたのか分からない。何かをこの子に期待していたのかもしれないし、ただのコミュニケーションの一部に過ぎないのかもしれない。

 コロは眉を上げて言った。

 

「何言ってるのさ!騎士団の人達が良くしてくれてるからみんな良くやってるよ。それに種族がどうとか関係ないじゃん!」


 こんな窮屈な洞窟の中でも、まるで極楽の住人の様な笑顔を見せる。地上で困っている人は居るだろうが、その解決の為だけにこれを壊せるだろうか。

 マリーが不満げに、コロに目を合わせずに口を開く。

 

「井の中の蛙は大海を知らない。君が知らないだけで、外の世界では種族間での争いなんてザラにある。そもそも見た目だけが理由だったりするけど、その種族に消えない傷をつけられたり、大切なものを奪われたとかもある。君も人間に友達や家族が殺されたら憎ましいと思うでしょ?」


 コロは頭を掻きながら、マリーをじっと見つめる。

 

「姉ちゃんは何をされたの?」

「さあね。」

「その首の傷でしょ。」

「なっ……!?」


 マリーが首を隠すように抑えた。布と皮膚が掠れる音がする。

 勿論、首の辺りは隠されていて見ることなんてできやしない。


「僕の恩寵だよ。透視ができるんだ。姉ちゃんには気の毒だけど、それは種族同士のいざこざとは何も関係が無いよ。ただそこには悪い人が居ただけ。獣人でも人間でも魔族でも、良い人悪い人は居るでしょ?」

「……。」

「この世界は話し合いができるなら誰でも仲良くなれるようになってるんだよ。」


 マリーは出したい言葉が見つからずイライラしているようだった。

 

「そうだ!じゃあ仲良くなるために僕達と遊んでよ!」

ルールルールルル……


神「こんにちは!神の部屋へようこそ……。今日は誰かの紹介をしていくぜ!今日はコイツだ!」


名前 バイヨン・エルァレース

年齢 26歳

誕生日 8月11日

趣味 写真、アルバム作成

特技 綱引き、縄跳び

身長/体重 165cm/61kg

弱点 炊いた米を濡らす系料理


また来週〜!

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