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【死ぬほど頑張る】を極めてしまった 〜社畜は異世界でやり直す〜  作者: 汚醜
第二章 盗賊

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第14話 おやくそく

あれから3人とは別れ、俺は宿屋に戻った。そして俺は今、宿の食堂に居る。

 昨日は疲れ果てていたため、布団に入ると朝になっていた。着替えて宿の食堂に行き、注文を済ませる。

 そして現在に至るのだが、一向に来る気配がない。キッチンへ近づくと、黒焦げになった店員の子が倒れていた。どうやら料理に失敗して爆発したらしい。一緒に片付けをした。

 俺も図太くなったな。

 それはそうと、俺はマティアス、マリーと合流する約束をしていた。なんでも今日は王城に行くらしい。王様が俺たちに感謝したいんだとか。マティアスも王様に用があるそうだが。

 城の前で集合の約束になっているので移動を始めた。


「誰かーっ!強盗です!!」


 耳を突き刺すような鋭い悲鳴。声の方向を向くと、か弱そうな女の子が5人の集団に襲われていた。あれは……前の盗賊達だ。町の中でも堂々とこんな活動ができるのか。

 治安への不安を感じざるを得ない。


「ま、それはともかく助けないと。」


 魔王軍の隊長とやらと闘ったのだ。今更こんな奴らに遅れをとることはない。めいっぱい強化魔法をかけて、大きく助走を取り、全力で殴りに行った。

 ……はずだったのだが、軽くいなされてしなった。おかしいな。

 いや、よく考えなくても調子に乗りすぎた。赤ローブのような魔法使いも居たのに、俺がなんとかできるはずもない。


「なんだこいつ……どけッ!!」

「ゲホッ……!!グゥ……!」


 腹を思い切りぶん殴られた。コイツも強化魔法を使っているのだろう。パンチで体が浮くなんて体験初めてだ。強化魔法を使っていても俺にはこんなパワーは出せない。

 でも何もしないままこいつらを逃がしたくは無いので、必死に袖を掴んだ。

 傍から見ればダサすぎる。


「離せって言ってんだろ!!」


 今度は背中をボコボコに殴られる。バーバラに安静にしてろと言われたのに……。また大怪我をしてしまうかも。


「オイ!!てめぇら何やってんだ!!」


 誰か助けに来てくれたのだろうか。

 青いツンツンヘアー、あのときの騎士か。槍を構えて、鋭い眼光で相手を睨めつける。

 盗賊達が1歩後ずさりする。


「ちっ……お前はめんどくせぇな。引き上げるぞ!!」


 俺のことを殴っていた男が玉を投げると、煙がモクモクと上がり、次の瞬間には盗賊達は消えていた。


「大丈夫ですか!?」


 襲われていた女の子が駆け寄ってきた。俺が殴られた箇所を触ってくる。嬉しいけど正直すごく痛い。後ろで青騎士が俺のことを睨めつけてくる。なんだなんだ。


「お前本当に魔王軍の隊長を抑え込んだのか?信じらんねぇ。最初のパンチ、間合いも威力も舐めすぎだ。」

「最初から見てたなら助けろよ……。」


 フン、と俺の目から視線を外し、今度は女の子の方に歩み寄る。


「大丈夫かアンタ。何されたんだよ。」

「私のネックレスが取られてしまって……大事なものだったのです。騎士様何とかなりませんか?」


 不安そうに両手を擦り合わせる少女。しかし青騎士の返答は残酷なものだ。


「悪いけどもう無理だな。諦めろ。」


 ここで俺はニヤリと口角を上げる。

 2人が不思議そうにこちらを見つめた。俺はただボコボコにされていたわけではないのだよ。

 おもむろに袖の中を見せつけた。


「探しものはこれですか?」

「あ!それは!!」


 今回のミッションは盗られたものを取り返すこと。無理に殴り合う必要もないのだ。


「無理に間合いを詰めたのはそれを取り戻すためか。面白くねぇな。」


 女の子にネックレスを渡すと、表情がパァっと明るくなった。この笑顔で寿命が10年は伸びた気がする。

 立ち上がりズボンに付いた砂を払うが、いつもと感触が違う。

 ポケットの中に手を入れる。

 ……ない。


「……どうかされましたか?」

「母親から貰った大切なキーホルダーが取られた……!」


 確かにこの世界からしたら精巧な作りで、見た目だけなら貴重品に見えなくもない。

 いつも持ち歩いていた為、無いと心にポカリと穴が空いた気分になる。その次に来たのは罪悪感と焦燥感だ。

 人が折角くれた物を無くしてしまうなんて。


「その……ごめんなさい。もし宜しければこれを貰ってください。」


 さっき盗られかけたネックレスを差し出しながら、不安げに少女が尋ねる。

 その姿を見ていると少し気分が落ち着いた。


「いえ、あなたの大事なものを貰う訳にはいきません。自分で助けた結果ですから本望ですよ。」


 少女が笑顔になった。ネックレスを再び着けようとしたとき。ソウの目が大きく見開く。


「ああぁ!?そのネックレス!!」


 青騎士の顎がいきなり外れたかのように開く。それと同時になぜか女の子も焦り始めた。冷や汗ダラダラである。


「どうしたんですかいきなり。」

「何もこうも……これは王族のペンダントだ……。というかよく見たらその顔……!」


 お約束展開ってやつか。助けた人間が実はすごい人でしたってやつ。

 今度は青騎士の冷や汗がダラダラである。


「オホホホホホ……見間違いではなくて?では私はこれから用事があるので……。」


 青騎士がスタスタと歩き去ろうとする女の子の手を掴んだ。

 

「何でこの状況でお上品になるんだよ!駄目です!王城に連行する!!てか用事ってなんですか!!」

「盗賊団を壊滅にさせに行くんです!!」


 何言ってんだこの人!?

 流石にこれは狂っているとしか言いようがない。

 

「ダメに決まってんだろ!!ついてこい!!」


 当然のツッコミである。

 青騎士が王女を引きずって移動していく。

 『無礼ですよ!死刑にします!』とか叫んでいるけど、本当に大丈夫なんだろうか。

どうしてもこの姫が好きになれない。この先もずっと。元ネタになったキャラは好きなんですけどね。

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