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【死ぬほど頑張る】を極めてしまった 〜社畜は異世界でやり直す〜  作者: 汚醜
第一章 チュートリアル

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第9話 ゴージャスデリシャス

デカルチャ〜!

 俺が寝ている間、夜になっていたようで、医者を含めた俺達一同は料理店に来ていた。偶然にも人は誰も居ないそうだ。


「私これにする。柴又は?」


 メニューを渡されたが、まったく文字が読めない。


「そういえば文字読めないのか。もう適当に選んじゃいなよ。」

「えぇ……じゃあこれで。」


 適当にミミズのような文字から1つ選んで指を指してみた。それを見たマティアスとマリーが吹き出した。お医者さんはこちらを見向きもせずにもう一つのメニューを見ている。


「イツキ……!本当にそれでいいのか!?」

「流石にそれは!あはははは!!」

「なんで笑うんですか?じゃあ違うのにしますよ……。」


 なんか恥ずかしくなったので、そそくさとそのメニューから大きく離れたところにあったやつを指さした。しかし一層笑いは強くなった。そんな様子を見て、医者はため息をついた。マジでなんなんだこの店。変なメニュー置きすぎなんじゃないの?

 

「待て!イツキが折角選んだんだから……バカにするなよ!!」

「マットも笑ってるじゃん!」


 肩が自然と上がる。早くコイツらを黙らせなければ。

 

「もおおおおおおっ……これでいいですよ!!」


 マティアスが机に突っ伏してプルプル震えながら手を上げて店員を呼んだ。


「すみません……あの魔猪のハンバーグセット2つと……キノコパスタと……僕だけの特別キングお子様セット!!ください!!」


 店員さんも営業スマイルよりニチャアという感じの笑顔に変わった。マジで恥ずかしい。こいつらが笑ってたのってそういうことか。店員さんが確認のためにオーダーを読み上げたときもこいつら大笑いしやがる。その後俺の前に料理が置かれると、とうとう店員も耐えられなくなっていた。死にたい。

 ちなみにマティアスは料理を消して食っていた。俺も何言っているか分からない。

 料理が半分無くなった頃。


「さて、イツキのこれからについて話さないとな。」


 自然と食べ進める手が止まった。

 そうだ、この後について考えなくては。正直あの戦いの後だと、魔王を倒しに行くとか考えるのが億劫でならない。


「さて、どうしたい?」

「無論、魔王を倒しに行きますよ。」

「めげないんだな。あの後でも。」

「家に帰る目的や、生きる理由を見つけるってのもありますけど、あの戦いの後だとやっぱり魔王軍そのものが許せないと感じます。だから……。」


 不思議と空気が冷ややかに感じた。沈黙が空間を包む。

 

「あのさ。」

 

 マリーが真顔で立ち上がる。

 また否定されるのだろう。当然だ。あんなにボコボコにされた後なんだから。


「私も行く。」


 マリーの眼光が鋭く突き刺さる。


「…………へ?」


 酷い目にあったのは俺だけではない。マリーの性格ならあの後、魔族と関わらず生きる選択肢が出てもおかしくないはずだ。


「君は気づいてないかもしれないけど、私をあれだけ熱くさせたんだから、責任もって私も連れてってよ。私の仲間は君しかいない。」


 マリーが拳を突き出す。一遍の迷いもない。


「マリー……。こちらこそよろしく。」


 俺も応じて拳を小突く。

 マリーがパーティに加わった。


「そんなマジマジ見ないでよ……何か恥ずかしいから。」

「え、何が?」


 マリーが頬を少し赤らめながら、その部分をなぞるように掻く。

 

「ははは!成程こういうことだったのか。いつの間にそんな仲良くなったんだよ?でもまだ2人だね。魔王退治となるとイマイチ心細い。まだ未熟で強くなる余地があるとはいえ、魔王よりも弱いやつに殺されかけたんだ。」

「他に誰かアテでもあるの?」

「バーバラ。こいつらと一緒に行ってみない?」

「丁重にお断りさせていただきます。」

「やっぱね。」


 このお医者さんの名前がバーバラらしい。いつもゆっくり話す人だが、この時だけは凄い速度で返答した。当然だ、この人はただの医者で、あんな化け物達とは渡りあえないだろう。


「どうするのマット?この町の戦えるやつなんて騎士くらいだよ。」

「騎士は頼りにならないな。あの事件のときも動き遅いし弱いし。でも面白そうなやつは1人居たね。」

「珍しいですね。あなたが人を褒めるなんて。」


 ガダン!!いきなり音がして振り返ると、青いツンツンヘアーで、何故か顔がボコボコになった騎士が店の中に入ってきていた。マリーが苦虫を噛み潰したような顔に変わる。


「……変なやつが入ってきた。」

「うーっわ!!なんでここにいんだよ!!」

「こっちのセリフ。」


 犬猿の仲というやつだろうか。誰とでも仲良くしてそうなマリーが人とギスギスしてるというのはなんか意外だ。


「あっ、コイツ。面白そうな騎士。」

「はぁ?」


 マリーと仲が悪い騎士。なんだか嫌な予感がする。バーバラが悪くなった雰囲気を和らげようとしている。


「ちょっと、落ち着いてください。騎士のあなた、酷い顔ですね……傷を治します。こちらへ来てください。」

「余計なお世話だ!お前の顔もひでぇなぁ……治せなかったのか?」


 バーバラが殴りかかろうとしたので全力で止めた。自分から患者を増やしてどうするお医者さん。

 ちなみに顔に傷がついていたのは、盗賊団との戦闘によるものらしい。

 マティアスが椅子を持ってきたので1つの机に5人が座っている状況に。普通のもあったのに、何故か俺の椅子は子供用だった。


「なんでそんな仲が悪いの……。」

「「こいつが気に入らないんだよ!!」」


 2人がハモる。仲良いじゃねぇか。


「息ぴったりじゃん。あそうだ、お前こいつらと一緒に魔王倒しに行ってくれない?」

「「はァッ!?」」

僕は昔からどうも気に入らない人間に突っかかる悪癖がありました。人数の大小や善悪関係ないもので、自分でそれを抑えられなかった小さい頃は相当数に嫌われていたと思います。

ソウはそんな頃に嫌っていた人間の何人かが元ネタです。僕的には結構酷いことをやらかした筈ですが、何だかんだ今では全員仲良くしてくれてます。相手が良い人達なだけに、自分が嫌な人間であることが分かって心が痛いです。

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