02 二日目の夜の深まり
「江莫恩、まずドアを閉めて、それからこっちに来て。」
「何だよ、徐海辰?」
「両親が私たちの付き合いを認めてくれたんだから、他のカップルみたいにセックスしてもいいんじゃない?」
江莫恩は顔を赤らめながら徐海辰を見つめて言った。「両親が私たちの関係を認めてくれたとしても、まずはセックスしないでおこうよ。」
徐海辰は言った。「じゃあ、キスくらいならいい?」
江莫恩は答えた。「うん……いいよ!試してみようか。」
徐海辰は嬉しそうに言った。「いいね!ありがとう、ベイビー。」
「うう……」
「徐海辰!ベイビー、どうしたの?」
江莫恩は恥ずかしそうに言った。「お互いに名前をつけた方がいいと思うの。」
話が終わる前に、徐海辰がすかさず言った。「じゃあ、君をベイビーと呼ぶよ。僕は何て呼んでくれる?」
「うーん……じゃあ……君のことを“大きなワンちゃん”って呼ぶよ……」江莫恩は蚊の鳴くような声で言い、顔を真っ赤にしていた。
江莫恩は唇を軽く噛み、胸が早鐘のように高鳴るのを感じた。彼はうつむき、小さな声で言った。「じゃあ、試してみようか……」
言い終わるとすぐ、徐海辰の顔がゆっくりと近づいてきた。熱い吐息が江莫恩の顔にかかり、その瞳は深い湖のようで、見る者を引き込むようだった。
柔らかい唇がそっと重なり、湿った温もりが伝わってきた。江莫恩はその瞬間体が硬直し、全身が緊張して動けなくなった。しかし、徐海辰の動きはとても優しく、唇をそっと噛みながら、防御を少しずつ解いていった。
「う……徐、徐海辰……」江莫恩はキスに酔い、大脳が真っ白になり、彼の名前をただ無意識に呟いた。
「はは、いいね。」徐海辰は彼の鼻先を甘えるようにつまみ、強く抱きしめて深くキスをした。
今回、江莫恩は逃げずに徐海辰の気配に全て身を委ねた。彼の手は無意識に肩に触れ、体も徐々に力を抜き、流れに身を任せるようだった。
二人が息を切らしながら離れると、江莫恩は徐海辰の胸に寄りかかり、目を閉じ、小さな声で呟いた。「なんだか……疲れちゃった……」
徐海辰は軽く笑い、彼の頭を撫でながら言った。「君は本当にちょっとからかうだけで反応する小さな猫ちゃんだな……」
徐海辰はすぐに言った。「いいよ!」
江莫恩は彼が「いいよ」と言うのを聞くと、無意識のうちに徐海辰の体に這い上がり、キスをした。
「江莫恩!なんでキスしただけで寝ちゃうの?」
この時、徐海辰は心の中で「きっと疲れたんだな……じゃあ、部屋に連れて行って寝かせよう」と思った。
徐海辰は江莫恩を優しく抱き上げ、彼女の体が少し熱を帯びているのを感じた。彼女の顔は胸に静かに寄り添い、その瞬間すべての疲れが消えたようだった。廊下を歩きながら、彼の足取りは自然とゆっくりになり、彼女により多くの安らぎを与えたかった。
部屋の柔らかな灯りが彼女の微かに閉じた瞳を照らし、この静けさの中ですべての疲労と心の重みが包み込まれるようだった。
彼女をそっとベッドに下ろし、毛布をかけてあげた。彼は無意識に彼女の穏やかな顔に目を留めた。その口元には微笑みが浮かび、まるで甘い夢を見ているかのようだった。
彼は静かにベッドのそばに座り、彼女の規則的な呼吸を見つめていた。心の中に溢れるのはただの優しさと愛おしさだった。その時、彼はただそばで静かに彼女を見守りたいと思い、言葉もなく、この静けさの中で全ての疲れを消し去るようだった。
静かに立ち上がり、窓辺に歩み寄り、静かな部屋を振り返った。夜は深く、星は輝き、彼の心は彼女への愛と大切さで満たされていた。