喚起 - まことの証明
いやっふぅ!
更新だぁ!
いやぁ、小説の更新ほどに楽しみなことはないね!
どこかの更新ばかりのゲームが配る聖◯石くらい楽しみ!
...FG◯昔みたいにメンテしてくんねぇかなぁ...?
とても億劫そうな憂いのある顏の主は事態を引っ掻き回すのが大得意である知己に見詰められて、己の難儀な性質をこれでもかと恨んでいる。
その顏の美しき主と謂えば、誰あろう禊という名の彼女以外にはない。
───つまり、この憂い顔の美少女とは誰あろう我らが主人公咎女 禊である
「舌打ちなんてヒドイですよ?私傷ついちゃいますからね?」
「待ち伏せですか?いつもどおりですねー。てっきり、カメラでも構えているかと思っていましたよ」
「無視ですか~」
「言いたいことはそれだけですか?では私は失礼します」
うざったらしく構いに来た後輩を馴れた様子であしらって、徒歩にしてはあり得ないほどの高速で門前を通り過ぎる。 隣をみれば、さぞや必死に走っている後輩の様子があるであろうそれを、一切の躊躇なく振り払うように。
「あー!ストップ!ストップ!」
「そうしたいのは山々ですが、今は事情が事情ですからねっ!何しろ、会長の異能力の残滓が...」
「首都圏喪失のアレと似ている、という話でしょう?」
「ええ!」
「ささっ、インタビューですっ!」
といっても、今回に関しては後輩の性格からなにも大して困ったことにはしないだろうと、楽観を交えて現実逃避する。───それは、ひとえにミソギの後輩である彼女の能力に頼らざるを得ないからであり、そしてその能力の主である後輩自身も信頼に足る確信がミソギにはあるから。
「いや、その必要はないです。すでに、グラウンドを押えてあります」
「手が早いでですねっ!?」
「ほら、さっさと従いて来てください。置いていきますよー」
「はやっ!疾いですって!」
「着きましたね」
置いていく、などと言葉を残した十秒後には、既に彼女は目的地へと到着している。 これこそが、彼女が政府より認可を受け行使する、ミソギの力。 その登録名も、《完全成功》 あらゆる行動を成功させる無双の業とも、理論上最強の能力ともされるチカラ。
それを用いて実に軽快なステップとアクロバットの技術により、何時も通りに二回の窓ガラスを叩き割って───とはいかず、すでに対策としてサランラップの張られた窓枠から屋内に侵入したミソギはスタスタとすでに目的地で待機しているであろう新聞部部長の待つ放送用機材室へ訪れる。
ガラリと扉を開放すれば、放送用機材室には呆然として直立している新聞部部長が居る。 彼女は身長156cm.の小柄な姿で、ボサッとした髪の毛がだらしなく振り乱れている。その姿は全体的に"何が"とは言わないがストンとしていて、慎ましやかなものを包み込むスポブラと布面積の少ないショートパンツ以外にジャケットのみ着用した何がとはいわないがギリギリな衣装の中学一年生程度にみえる少女で、僅かながらもある盛り上がりは全く隠せていないシリコンブラがちらりと覗いていて誰がどうみてもお子さま体型で、みていて微笑ましくなるとともに悲しいものが込み上げてくるだろうか。
ミソギは予想通り、すでに回り込まれていたが、気にせずに放送準備に取り掛かる。
「せんぱぁい!疾すぎますよ!」
「まったく、わたしの【電播】の能力でも追いつけないのは反則ですょう」
この学院の生徒は首都圏喪失より地表に現れた異能力を持っている。
それらは、多くの場合に何かしらの単一機能を持っているが、彼女の能力は【電播】といって、認識系の能力を一部拝借する能力。 電波を用いて配信した情報を直に認識すれば"種"が植えられ、彼女の情報を継続して取得し続ける限り成長を続ける。 逆に言えば、本体からの認識の補完が絶たれれば解除される。 応用すると様々な効能を発揮するが、その一つが先ほどの仮初の体である'無垢人形'というもので、人造人間の中でも初期の頃に産まれた自我のない虫のような存在を器として憑依することも可能で、その本体は当然に意識のない虫以下の状態になる。尤も、反射的な運動は失われていないので、長時間憑依すると'本体が恥ずかしいことになる'こともあり、決して万能ではない。
他者の認識に自身の認識を植えつけ、他者の認識を借りる能力。それが彼女の能力で、そして能力には人間の限界として欠点が憑き物とされる。
本人的には、「素晴らしい能力で発現した当初はとても喜んだが、その頃のボクは性に疎くてさらには性能には敏感な質だったから、その頃に施した能力のせいで能力の出力はすでに限界値に近い。つまり、ボクの能力の発動には必須条件である肌の露出が大きな足枷になっていてね」
「分かりやすく言うと、化粧も服装も不自由している。色々と誤魔化しが効かなくて、女性としては残念なことにお洒落に気を遣えないのさ。...実のところ、この姿も能力のデメリットなのではないかと疑っている」
との言で、種々の後悔があるらしいが、粗相についてはそこまで不便だとは思っていないらしい。
「アナタの能力は同系統の能力同士をチューニング出来るから破格の性能でしょ?私のはよくある増大系のの能力よ?負けられないわ。認識を共有するからちびっこのアナタはさっきのアナタとは違って本体だし、本体はどうせ中にいるのが何時ものことなんでしょう?お嬢さまのみならず学園生徒から色々と聞いているわ」
「は、はい。ソウッスネ(完全成功はただの増大能力じゃなくて第六感さえ獲得するチートなんだけどなぁ...)」
ミソギは自身の力と比べて圧倒的な展開速度を誇るミソギの能力を羨むような言葉をミソギに掛ける。 するとミソギは強い口調でそれを否定する。
実は、彼女が自身の能力の有用性をわざわざ広めているような発言は仲のよい友人からすれば常日頃のことであり、内心苦笑いを溢しつつもさっとキモチを切り替えて不満たらたらな表情をもとに戻す彼女は流石に馴れた様子で、それをみてとったミソギは何時ものことと軽く流して
頼みごとをする。
「さて、グラウンドに投影してくれる?私はソッチの機械に知識はないから」
「まるでボクがニッチな趣味を持ってるみたいに言わないでくださいよ...」
「...」
「エ?」
「本番開始三秒前、3.2...」
どうやら、自覚がないらしい。 普通に考えれば、その若さで機械系部品のコレクションを持っているのは十二分にニッチな趣味でしょ。 さて、さっさと始めちゃいましょうか。流石の手際ですでに準備は整ってますからね。
「今日は皆さん、よく晴れた日ですね。暑い中汗水垂らして御苦労様です。さて」
「あっ、ハイ。...オホン、毎度御馴染み!奇想天外極まる学園を駆ける新聞部部長兼、みんなの憧れるすーぱー八方美人、絢白 圭菜でーすっ!」
ザワザワ "え、なにこれ?"
ザワザワ "あれですよセンパイ、生徒会長の何時もの騒ぎです"
ザワザワ "相変わらず綺麗な人ですね~?私の次に!そう、私の次に!"
「さて、この暑さの中態々グラウンドを使用しているのは、勿論のこと嫌がらせではなく朝から噂になっているだろう、件の学園新聞に掲載された昨日の一件よ」
「ハイ!私が書きました!」
「はいはい。いつも遠慮はないけど公平な視点の記事で助かってるわ〜。これでいい?」
「むふふ。宜しいですよー!」
大変満足そうで何より。 まぁ全て何時ものじゃれあいですから、先ほどのことも気にしていないでしょう。
(先輩、もしかしなくてもあれって冗談ではないんだよね...。何時もの軽口でもあの発言は目が笑ってなかったし、そんなにニッチな趣味って思われてる...?)
いかかでしたかっ!
此処まで読んで頂き、感謝感激雨霰!
つきましては、どうか好評を賜りたく存じます!
☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただけると幸いです!
もしかすれば、次次回からは短い話を毎日アップにするかもしれないので是非確認を!
では、また次回にお会いしましょう
ぱーぷるはーとでした!