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12/15

歓迎

七千文字くらい書いたけど一度で投稿はもったいないからさん分割させてくたさい...!!


orz

 前回にログアウトした場所、ゲームにログインする前のホームメニューのような役割を持つ自室のベッドの上から起き上がり、禊は仮想空間での身体をストレッチする。

 軽く五分程、約束があるのに特に急ぐ訳でもなくたっぷりの時間を費やす。


「さて。クロムク、応答して」


『はい、ますたぁ様!』


「権限付与、仮想身体操作権。クロムク、姿を表しなさい」


 禊が仮想空間にあるアバターの操作権限をクロムクに付与してやると、クロムクはストレージにある専用アバターを配置して動かし始める。


「はい、ますたぁ様!」


「C.G.Vをショートカットに追加してほしいの」


「了解です!暫くの間お待ちください!」


クロムクがちょこちょこと走り回り何やら作業をしているのを眺めながらベッドに腰掛ける禊は、ふと部屋に備え付けられた棚に飾ってあるトロフィー群が気になり目を遣ると、輝かしいトロフィーに並んだみすぼらしくも禍々しい黒鋼が目に留まる。


「懐かしいわね...。このトロフィーは初めて取得した実績だったかしら」


 禊が初めてプレイしたあの日を懐かしんでそのトロフィーに触れると、実績の内容がポップアップで表示される。


───〈実績:クリミナルマインド〉《条件:ログインから30分以内に犯罪行為を行う》


「確か、絡んできたプレイヤーから物取りをしたら取得したものだったかしら」


「ますたぁ様、ショートカットキーとゲート、どちらでログインなさいますか!」


 作業の手を止めて禊に問い掛けてきたクロムクに目を向けると、モーションコントロールと入場ゲートの二つの設定画面を前にしていた。


「新しいゲートを作成して。配置場所は...魔法少女世界のとなりに」


「了解しました!」


 クロムクは手早く作業を再開し、ものの数秒で作業を終える。


「設置完了です」


「ご苦労様。早速だけれどログインするからコンバートを手伝って頂戴」


「了解です!ささっ、ゲートにどうぞ!」


「ますたぁ様!晩御飯までには帰ってきてくださいね~!」


 お母さんらしい台詞を放つクロムクに苦笑いを溢し、禊は渦巻く闇のゲートを潜ってC.G.Vの世界に潜入した。





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


つぎに禊が周囲を認識した時、眼前には白い石の床が最果てまで続くような寂しい世界だった。


「殺風景な場所ね...?」


───またお客さんだね!


 突然に聞こえた声は空間な響き渡り、次の瞬間には禊の背中から声が掛けられる。


「C.G.Vにようこそ!アンリは!シェヴェールト・コクーン・アンリエット・ハイミリヒ・ソレイユ!ヨロシクね?」


 禊が振り向くと、白髪が身体を包み隠して、爬虫類に似たる異形の眼や尾、肘と膝より先の四肢が肥大し鱗に包まれた肉体と褐色の肌色が見て取れる十三歳ほどの少女が立ち尽くしている。


「歓迎ありがとう...えーっと...何と呼べばいいのかしら」


(些か視線の遣り場に困るような、そうでもないような...。アングラなゲームは趣味嗜好が理解の範疇を越えていますね...)


 美しくも醜くもあるその肢体に困惑しながらも、《怪しげな風体の少女に名前を聞かれる》という初対面ではよくある対応をされて、呼び方を聞くという英語圏等の長い名前の文化ではよくある対応をとる禊。


「いえいえ~!私のお役目ですので!お名前はファーストネーム、つまりは個人名、姓名なら名、シェヴェールトが適格かと!日本人の方は呼び易いでしょうからアンリエットを縮めてアンリと呼んでくだされば!近しい者からはマユちゃんとも呼ばれます!」 


「ではソレイユと呼んでもいいかしら?」


「いいですよ!お好きにどうぞ!」


「それにしても年頃の女性としてはその服装(?)はあまりよろしくないと思うのだけれど...。表現制限のないアングラなゲームは流石と言ったところね」


 禊がアンリエットの容姿を"アングラ"と評価したそのとき、アンリエットは馬鹿を見るような眼差しで禊を伺い、次いで「ああ、そうか、そうだった。私の正体は知らないんだったよね?」と、禊に悪戯な微笑みを向ける。


「あァ!嬉しいです!"アングラ"だと言いましたか?それはいいですね!もしあなたにとって世界が"アングラ"なら私はとても愉快ですよ?」


「随分と嬉しそうですね?アングラな世界が嬉しいなんてあなたは悪魔かなにかなのかしら?」


「ああ、そうですよ!私の性質がそういうものなのですよ~!」


「貴方の正体?」


「怪物とか呼ばれてたりするよ~?それもそのとおりなんだけどね~?その怪物って表現も、アングラって言葉も、全部私にとっては馴染み深いものであっても正体ではないんだよね~」


 ますます困惑し、意味深なアンリエットの発言に不気味さを隠せないでいる禊を揶揄ったアンリエットは、遂に我慢ならないとばかりに吹き出し、呵呵大笑といった風に腹を抱えて笑った。


 おぞましさのある風体からは想像もできないような、人間的で明るい口調。


 アンリエットの柔らかな表情の滑らかとさえ表現できる変化が不気味に思えていた禊は、頭がイカれているような様子に若干引き気味になった。


「私にとっては"アングラな世界"って言葉は琴線に響くんだよね~。その言葉が知られていることが私の幸せなの!」


「───成る程?」


「わかんないよね~?お姉さんって悪と善なら善性に近いし~?」


「悪事ならかなりのものだと自負していたのだけれど」


「そんなことはないよ~?お姉さんは自分で思ってるより綺麗な人だからね~!」


 にっ!とした微笑みで全て知っているかのように禊の発言を否定するアンリエットに、禊は新たな疑問を浮かべたが───


「さて!それじゃ今からこの世界での貴方達について話すね!」


「(話の続きをしたいのだけれど、相手は女の子っぽいとはいえ自称悪魔の異形...大人しくした方が良さそうかしら)───宜しくお願いするわ」


 それを察したアンリエットは強引に話を戻すことにしたようだ。───禊もその思惑を察したが、起こらせるのも得策ではないと強引な話題の転換を黙認した。


「貴方達は今から此の世界での身分や経歴についてを抽選するコトになるの!例えばその辺の道端に転がされてる浮浪者にも生れば...世界一の財閥の御曹司に生まれるコトもある!」

いかがでしたか?今回はここまでとなります!

ここまで読んでくださり本当にありがとう御座います!


続きはブックマークをして、☆☆☆☆☆を★★★★★にしてお待ちください!


次回投稿は6/20です!





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