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砂漠
カオルと申します。
これから細々とですが、投稿していきたいと思います。
よろしくお願いします。
ただただ続く砂漠の中、その列車は大きく砂煙を上げながら進む。
その列車の名はホープ(希望)。
人類最後の対異界獣用列車型要塞である。
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列車の上の見張り台からゴーグルとマスクを付け、全身を布で覆った男が身を乗り出して遠くを見つめ始める。
そして小さく呟く。
「来たな。」
男は徐に、そして慣れた手つきで足元に転がっている鎖を手に取ると、思い切り引っ張る。
ガチンッと大きな音が鳴る。
そして見張り台のすぐ後ろにあるハッチが開いて、大柄な男が半身を出して、見張り台の男に聞く。
「バリー、今回はなんだ?」
「鳥だ。」
見張り台の男が答える。
「わかった、急いで準備する。」
そう言って男がハッチを閉めた頃、大きな大きな鳥のような影が列車を包み込み始めていた。