王弟殿下邸宅にて
王弟殿下の邸宅は王宮の中にある。
モリノ子爵はモネとトーマスを連れて王弟殿下を尋ねる。
ライオネル王弟殿下は昨日までにマーリーの家庭事を調べていたらしい。マーリーの母はオーク子爵と取引のあった西国の貿易商の令嬢であった。4年前、マーリー12歳のときに子爵夫人が亡くなって、マーリーの母は子爵の後妻になったということ。
「え、ということは妾の子。」
と、モネが口にすると、殿下は
「まあそういうことになる。そして、そういうことはあまり口にすることではない」と、言った。
殿下は続けた
「まあこういう事は少なくない。そして、感情的にどうかと言うことは、思うことはある。で、あなた達も、そういう、目で見ることはあるだろう。そして、見られている方も、あなた達が口や表情に出してないつもりでも、相手は気がつくものだ。
ミスオークの育った西国では7歳から学校に通う。そして学校では、男女一緒のクラスで、なんとクラスの掃除まで一緒に行うんだ。そういう教育を受けてきた人は、私達とは違った考えを持つ。西国では18歳で学校を卒業し、結婚は20歳くらいからで、女性は結婚しても働く。また、恋愛結婚がほとんどだ。そして、男女の間の壁が小さいと言うことは、女性は、男の気持ちをよく理解し、汲み上げる事に長けてるということだ。
まあ、王国でも庶民の学校はそんなだけどね。でも貴族の学園は、貴族の古い習慣の上に立っている。男性の体にむやみに触れるのは良くないとされてるよね。
貴族男子といえど、15歳の男子というのは、まあ、色んな悩みもあることだ。そして、それをうまく汲んでくれる女性が現れたらどうだろう。
私の学園の時でもそんなことがあってな、子爵の令嬢がいて、彼女は平民の愛人の子と言うことで、侯爵令嬢のグループに嫌がらせをされてたんだ。そしたら、子爵令嬢は、侯爵令嬢と仲の良くない貴族の子息達を次々に籠絡してったのだ。そして、最後には、嫌がらせした侯爵令嬢を、暴力をふるった、服を破った、嫌がらせをしたという、言いがかりで学園から追放したんだ。
子爵令嬢は、学生だけでなく、上位教官まで籠絡していたのだ。その教官に告げ口して、侯爵令嬢を追放したというわけだな。
私?私は王族でもあまり影響力はなかったので、子爵令嬢からは蚊帳の外だった。
注意するべきは民間人の人心掌握術。だね。特に自分の敵方の人間に接触されるとさ、都合の悪いことになりやすい。そのためにも普段から注意しておくことだと思う。
よくされるのは、暴力をふるった、階段から突き飛ばされたとかいう『暴力被害の訴え』。
そういうことがないように、なるべく個人行動はやらない、グループで行動することだね。
また、呼びだれて何が嫌がらせされそうな予感があると、学園長にそれとなく来てもらうようにするといい。
先日みたいに呼び出されたような時とかはさ、学長室から見える場所をこちらから指定するとか。」
話を聞いて、殿下にお礼を述べて3人は屋敷を後にした。




