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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

自動販売機

作者: モブ

誤字脱字、脳内補完でお願いします。

家の前に新しく出来た自動販売機を前にして、男Aは悩んでいました。


たまたま歩いていた、通りすがりの女Bが、どうかしましたか?と声をかけてきた。


男Aは言いました。

「この自動販売機はボタンだけで何も書いてないのですが、何が出てくるのですか?」と。


女Bは言いました。

「あら、これは私が昨日設置した自動販売機です。この周りをよく歩いては近辺の人に説明し回ってるんですよ」


男Aは少し悩んだ。

説明する必要のある自動販売機なんてあるのか、と。

が、深く突っ込んだら負けだと思い、


「それなら話が早いですね、説明してもらえると助かります」

と説明してもらえるよう頼んでみた。



「えぇ、簡潔に話しますと、この自動販売機は貴方が望むモノが出てきます。値段は貴方が決めて良い凄い自動販売機なんですよ」と。


胡散臭い、嘘だったらどうしてやろう。と思いながら

男Aは100円を入れて250mlの水を頭に想像しボタンを押した。


ガコンっ。


と何かがでてきた。

手に取ってみるとそれは自分が望んだ250mlの水であった。


1回で分かった。

これは本物だ。

メーカーもどんな種類の水なのかをズバリ当ててみせたのだ。


「これは便利ですね。また来ていいですか?」と、男は上機嫌に言う。


「いいですよ。いつでも来てください。しかし、基本はモノ限定にしています。それ以外は出来ないこともないのですが、望んだものが出てくる可能性はとてもとても低いです。何事にも加減は必要ですからお気を付けてお望みください」と、女Bは微笑んだ。


それからというもの、男Aは誰にも言わずに望むものを毎日想像しては、ある時は100円でダイヤの指輪、ある時は10円で高級ブランドの時計等自らが満足するモノを''ほぼ''集めた。


が、満たされないものが一つだけあった。


男Aはなぜ満たされないのかは自分でも分かっていた。


原因は数年前に亡くした将来妻になる予定の女性だった。


彼女は口調が丁寧であり、誰にでも優しく、男Aにだけ甘え、叱り、嫉妬する、とても男Aにとってとても大事な存在である女性だったのだ。


カフェで出会って以来、お互いが一目惚れをし、アプローチを続けてから付き合い始めた生活。それからというもの、プロポーズに成功し、仕事も出世をした。何も不自由ない。

幸せな毎日を送り、これからも送る順風満帆な人生だったハズだった。


いつも通り仕事の見送りをしてもらい、家で迎えを待ってくれている日常は消え、事故で亡くなったと聞かされた時は会社を飛び出し、病院に着いた時にはもう未来は消えていた。


男Aは泣き叫び、1週間の休みを貰って仕事に戻ったが、手が震えて何も出来なかったと言う。


もし生きていたら…。


男Aは女Bの言葉を思い出した。


「基本はモノ限定にしています。それ以外は出来ないこともないのですが、望んだものが出てくる可能性はとてもとても低いです。何事にも加減は必要ですからお気を付けてお望みください」


可能性はある。

失敗したらまたやり直せばいい。

深く考えたら負けだ。


と自分に強く言い聞かせ、自動販売機で買ったものを全て、そしてすぐ売りさばいた。

値段が高ければ成功する確率も上がるだろう。戻ってきたらあの楽しい生活に戻れるんだ、と勝手な妄想を浮かべ、おおよそ4億円のお金をその自動販売機に入れ、強く、ただ強く彼女が戻ってほしい一心でボタンを押した。










































結論から言うと、失敗し男Aは電車で身を投げ自殺した。


残った自動販売機の周りには大量の赤く鉄の匂いがする液体と目玉、筋、爪、骨、指等、様々な女性の人体の部位が転がっていた。


そこには、男Aが知っている女Bの大切にしていた物まで。


傍から見ていた女Bは言った。

「あの人の事はよく知っていますの。やっとこちらに案内することが出来ましたわ。あの人は私が嫉妬深いってご存知でしょうから、あの世で私がこんな事をしたと知っても怒らないでしょうね」と微笑みながら少しずつ少しずつうっすらと消えていった。




次の日には血の跡も人体の部位の跡形もなく自動販売機ごと消えていた。

感想あれば欲しいです。

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