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転職戦士  作者: ゴーマよし
1章 はじまり
1/6

中年男はTweet「オーガまじヤバ過ぎ」

初投稿です。

読んで頂けると嬉しいです。

ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。

 


 ひとりの中年奴隷男がキッチンに立っていた。現代日本の立派な奴隷メンタルを持つ男である。


 その40過ぎの男は見窄らしい風体をしていた。


 ひび割れて赤切れだらけの手は老人のよう、爪はストレスで変形し、ツヤのない髪の毛はザンバラで、目には生気が無い。





 キッチンからわずかに見えるリビングでは奴隷の主人たる妻と天真爛漫な愛娘がテレビを観ながら寛いでいる。


「娘ちゃん晩御飯の前にお菓子食べすぎないようにね。」


「ムシャムャ♡」

 テレビに夢中になり菓子を頬張る娘の耳には届いていないようだ。かわいい


「パパはそう言うけど、菓子食べなきゃお腹空いちゃうじゃない! 小姑みたいに言わないでよっ!!」

 それまでスマホを眺めていた6つ年下の我が家のトラブル震源地である妻が口を挟む。



「そ、そうだね。ごめんごめん。」

 秒で謝る。。



 夫がご飯の用意してる時もスマホを弄りっぱなし

 『いいご身分ですね、どうせ、これでまたいただきますも言わずガツガツ食べんだよね』

 心の中でTweetする。


 ちなみに食事の時の頂きますは

言わずもがな「命を頂きます」の意味であると聞いたことがあるが、

 地域によって違い 合掌ありいただきます 合掌なしいただきます 合掌もいただきますも無し があるそうな


 東北にルーツのある合掌なしいただきます派のごまよしは食事時に合掌が仏前っを感じます

うーん地域差

妻は合掌ありいただきます地域だか、しないで食べる



 そんなちょっぴり捻くれた男は

 家庭において最も貧しく待遇の悪い階級の人間です。

 尊厳は認められない、妻の機嫌で気まぐれに言葉のサンドバッグにさらされるアウトカースト、時には包丁を持ち出され

 基本、言われるがまま、唯々諾々、命じられるがままで日々を過ごしている‥



 『カミさんは大鬼、ここは地獄みたいなもん、、』

 無慈悲で冷酷な仕打ちがここまで出来る妻という雌オーガの思考を男は理解できない。



 ただただ可愛い娘の成長を見守ることそれを男は生きる救いとしていた。




 ごまよしは皮革の製造業、工場勤務で賃金は低水準、

 妻は東京都の都職員で高給取り、妻の実家は三重県で建設業を営むブルジョア。収入の差からくる引け目がある。


 他人に譲りっぱなしな男の性分のせいもあるが

 もともと遠慮をしないタイプの妻から理不尽で横暴なハラスメントは苛烈を極める事がある。

 オーガ大激怒、日常茶飯事である。


 妻は地方私立大卒だがエリート揃いの東京都職員の中では仕事が出来る方では無い。

 周りの同僚は東大早慶、国立のオンパレード、そんな偏差値高すぎキラキラ輝いてる君達に囲まれての仕事というだけでも肩身が狭いのに

 上司がヒステリックなパワハラ女総括(妻いわく)なのもイケない。


 仕事のストレスを溜めた辞めたがりの妻は

「私が仕事を辞めるに辞められないのはパパの収入が低いから、仕事と子育ての両立なんて無理、何でパパは辞めさせてくれないの」となじる。

 両立というか、子育ても家事もママのお世話もパパが殆どやってるよね?


 専業主婦に憧れるオーガ様には固有の習性がある。

 何かと言うと保育園の先生が気に入らず子供の保育園を5回変える。

 勿論その度に送り迎えを夫に丸投げ。一番遠い保育園は車で片道20分、男は会社に無理を言って1時間遅出にして貰い、早退、遅刻も重なっていき夫の会社での立場はどんどん低下していく。


 千葉に住む70過ぎの男の親にも送り迎えの手伝いを強要した。

 ……「オーガさんありがとうの一言もないのよ」さもありなんと思いながら自分の親に謝るごまよし


 オーガ感謝はされず、逆に不満と恨み言を浴びながら日々を勤しんでいた。


 朝は一番に起きて朝ごはんを用意して、妻と娘を起こし、グズる娘を着替えさせて出発、車で20分の保育園へ預ける。

 仕事が終わり保育園に娘を迎えに行き、その足で妻の職場近くのスカイツリーで妻もお迎えしてそのまま帰宅。

 せめて自分で帰ってきてくれママ


 帰宅後は晩御飯の準備、この間、妻は絶対何一つ手伝わない。

 テーブルの上の片付けしてくれると助かると言ったこともある。一ミリも動かす携帯を弄っておられる。


 そんなこんなで食事が出来たら娘に食べさせるのもごまよしの仕事、そして男も急いで食べ終える。


 急いで食べたら急いで風呂掃除しながらシャワーで体を洗って、お湯張りのスイッチをオン


 (この間も妻は携帯?)


 風呂を上がったらリビングの掃除、茶碗洗い

 浴槽のお湯が張れたら、娘のお風呂に入れる。


 (この間も妻は携帯に夢中!)


 妻に風呂に入るよう促し、洗濯機を回す。


 娘はアトピーがあるので、寝る前の体温の上昇により痒みを訴える、氷冷剤で幹部を冷やし背中を撫ぜてなんとか寝かしつける。ラブリー


 洗濯物を干して、炊飯器をセットし

 1日の労働は終了、0時過ぎ。

 さらに寝ようとすると妻の職場のグチを2時くらいまで聞かされる事もたびたび


 男はそんな日常を送っていたが

 転機が起きた。


 引越しである

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