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第三話  招かれざる客人



 レムルス王国所属の軍船レヴェナント号が監獄島に到着したのは、まだ夜も深い未明のことだった。


 心許ない月明かりの中、十名の人間が小舟を使って浜辺から上陸を果たす。その半数以上が物々しい鎧姿の兵士たちであり、彼らに守られる形で、最後に金髪碧眼の少女が監獄島に降り立った。


「ここが監獄島。思っていたよりも普通の島ですね」


 少女――レムルス王国第三王女レナスロッテ・レムルスは、興味深そうに周囲を見回し、そんな感想をもらす。


 レナスロッテは御年十八歳。王国の至宝とまで謳われるほどの美少女であった。豊かな金髪を頭の後ろで結い上げ、丁寧に編み込んでいる。服装も涼しげなワンピースと、後ろに白銀の鎧をつけた騎士を侍らせていなければ、まさに避暑地にやってきたお姫様といった風貌である。


 しかしその右手の甲に刻まれているのは聖痕――勇者候補の証だ。彼女は姫であると同時に、勇者を目指す戦士の一人でもあるのだった。


「この島のどこかにセルン様がいらっしゃるのね。無事にお会いできればいいのだけれど」


「姫様。油断なさらぬよう」


 レナスロッテに注意を呼びかけたのは、護衛の青年騎士クリフだった。


「監獄島はかつてモンスターの楽園と言われた場所です。十年前にモンスターが全滅したとはいえ、昨今の情勢です。復活したモンスターが潜んでいないともかぎりません」


「承知しています。危険な場所だからこそ、早くセルン様とお会いしなければ」


 二人が話をしていると、付近の探索に出ていた兵士が戻ってくる。

  

「姫様! 海岸付近に人の気配はありません!」


「そう。島の形状からして、やはり中心部近くにいらっしゃるのかしら?」


 兵士の報告を聞いたレナスロッテは、持ってきた監獄島の地図をランプの明かりの中で広げ、島内で人が暮らすのに適した場所に印を付けていく。


「この印の場所を順番に探していきます。クリフ、わたくしの装備支度を」


「姫様も捜索にご同行なされるおつもりですか!?」


「もちろんです。クリフはセルン様のお顔を知らないでしょう?」


「ですが危険です。探索の開始自体、本来であれば夜明けを待つべきなのです。これ以上は捜索隊の副隊長の立場から看過できません」


 クリフは苦言を呈する。夜明けを待つことなく上陸を強行したのは、隊長であるレナスロッテの独断であった。


「それにこの監獄島へ送られた罪人は、十年前のセルン殿で最後なのですから、顔を知らなくとも捜索に支障はございません。人に出くわせば、その相手がセルン殿となるわけですから」


「ですが……」


「姫様、ご自愛を。ここは私にお任せくださいませんか?」


 クリフは立て膝をつくと、右手を鎧の上から心臓にあてるように掲げる。


 その手の甲にはレナスロッテの右手の甲にあるものと同じ、勇者候補の証である聖痕が刻まれていた。


「勇者候補序列第二十一位、クリフ・ゼントス。必ずやセルン殿を姫様の前にお連れ致します」


「……わかりました」


 レナスロッテは不承不承といった様子で従者の意見を認める。


「けれど、決して強硬手段は取らないように。セルン様を見つけた場合は事情を説明し、同行をお願いするのです。もしもセルン様が拒絶した場合は、一度ここまで戻ってきなさい。そのときは改めて、わたくしがセルン様の許へ赴きます」


「そんな! 姫様自らが赴かれるなど!」


「当然のことです。わたくしは今回、セルン様のお力をお借りするためにここへやってきたのですから」


 レナスロッテたちが監獄島へやってきたのは、かつてこの島へ送られた罪人、セルン・ベルクルトへの協力要請のためだった。たった一人の罪人を連れ帰るためだけに、わざわざこの絶海の孤島まで大国の王女が赴いてきたのだった。


 そうするだけの価値が彼にはあると、そうレナスロッテは信じていた。


「いいですね? 決してセルン様と事を構えるようなことにならないよう、誠心誠意言葉を尽くすのですよ?」


 どこか心配そうな姫君からの言葉に、クリフは真面目な顔で深く頷いた。


「お任せ下さい! 姫様の期待に見事応えてみせます!」


「……本当に頼みますよ?」


「はい! では行ってまいります!」


 クリフは立ち上がると、七名の部下を連れて意気揚々と森の中へ入っていく。


「……本当に頼みましたからね、クリフ」


 暗い森の奥へ消えていく背中を、レナスロッテは願うような気持ちで見送った。







「しかし、セルン・ベルクルト、か」


 木々をかき分けて森の奥へ奥へと進みつつ、クリフはつぶやきをもらした。


「副隊長。そのセルン殿とは一体何者なのですか?」


 そのつぶやきを聞きとがめた部下の一人が尋ねる。


「この監獄島へ送られたということは、罪人なのですよね?」


 監獄島はレムルス王国の南端に位置する孤島であり、罪人の流刑先として長らく重宝されていた場所だった。


 モンスターが絶滅する十年前まで、島の周囲は強力なモンスターの跳梁する海域であり、島の内部にはそれ以上に強力なモンスターが生息していた。そのため島流しにあったが最後、生きて帰った者は一人もいない。


 死の恐怖をゆっくりと味合わされるという意味では、処刑よりもよほど残酷な罰と言えるかも知れない。


「よほどの大罪を犯さなければ、ここへ島流しになどあわないと聞きます。セルン殿は一体なにをやらかしたのですか?」


「セルン殿が罪人としてここへ追放されたのは事実だ。だが詳しくは機密のため教えてやれん。ただ……」


「ただ?」


 クリフは部隊全員の顔を見回しながら続けた。


「ただ、セルン殿を見つけた場合は、姫様がおっしゃられていたように礼儀を尽くせよ。決して罪人だからといって見下してはならない。そうだな。自分は今、賢者を相手にしているのだと思え」


「賢者、ですか?」


「ああ。少なくとも、セルン殿が姫様が今望まれている知識を持っているのは間違いないからな」


「姫様が望まれていると言いますと、やはり勇者選抜がらみの?」


「そう言うことに……って、おい。機密だと言っているだろうに」


「すみません」


「まったく」


 苦笑いを浮かべつつ、クリフは自分の手に刻まれた聖痕に視線を落とす。


 クリフやレナスロッテを含めた勇者候補たちは今、たった一人の本当の勇者を目指して競い合う勇者選抜の最中だ。この大事な時期に、長い時を費やしてまで監獄島まで来たのだ。クリフも詳しくは教えてもらえなかったが、セルンにはそれだけの価値があるのだろう。


 あるいは……それだけではないのかも知れないが。


 クリフが思い出すのは、彼を語るときの敬愛する姫の表情だった。いつも花のように笑う少女ではあったが、そのとき彼女が見せていた表情は、護衛として長く側に居続けたクリフが、改めて見惚れてしまうほどの破壊力を秘めていた。


「……姫様とセルン殿には、なにか個人的な関係があるのだろうか?」


「副隊長?」


「……なんでもない」


 クリフは頭を振って心に浮かんだ疑問を振り払うと、歩く速度をあげる。


「もう一度言っておくが、お前たちもセルン殿を見つけた場合は丁重に接するように心がけろよ?」


「了解!」


 同行する兵士たちは声をそろえて答える。


「しかし副隊長、セルン殿はレムルス王家によって追放されたんですよね? こちらが下手に出た程度で、同行を承諾してくれますかね? いや、そもそも、顔を合わせた時点で戦いになったりはしませんか?」


「その可能性はゼロではないだろうな」


 むしろ可能性としてはそれなりにあるだろう。自分をこんな島へ追放した王家に恨みを抱いている方が普通だ。


「その場合の対応はどうしますか?」


 兵士が聞く。


「決まっているだろう?」


 クリフは答える。


「一度は停戦を呼びかける。だがそれでも襲いかかってくるのならば、仕方がない。決して殺してはならないが」


 後ろの兵士たちを振り返り、腰の剣に手を添えて獰猛な笑みを浮かべた。


「お互いの力量差というものを、これで説くことになるだろうな」


 格好つけた彼はそのままの格好で――すとんと落とし穴に落ちていった。


「うぉおおおおおおおおお!?」


「副隊長!?」


「副隊長が落とし穴に落ちたぞ!」


「ああ、副隊長が落とし穴に綺麗に落ちた!」


 兵たちの動揺の声が響く中、彼ら以上の大きな悲鳴をあげつつもクリフは手足を伸ばし、なんとか穴の底に落ちる前に止まることができた。


 部下の助けを借りてなんとか這い上がったクリフは、自分の落ちた落とし穴を覗き込む。


 見れば、大人の身長三人分くらいあろうかという深い落とし穴の底には、鋭く尖った石槍がいくつも突き出ていた。作った人間の殺意を感じる、凶悪な落とし穴だった。


「あ、危ないところだった。まさか罠が仕掛けられていようとは……」


「副隊長、大丈夫ですか?」


「問題ない」


 任務を続行するぞ、とクリフが続けようとしたとき、それまで静かだった夜空に一条の稲妻が駆け抜けた。


 そして……


「みーつーけーたーぞー」


「ぎゃあああああああああ!!」


 突然、森におどろおどろしい少女の声が響いたかと思うと、空から雷が落ちてきて、撃たれた兵士が悲鳴をあげた。


 さらに続けざまに雷は落ちて、次々と兵士を撃ち倒していく。明らかに自然現象ではない。人為的な攻撃だった。


「敵襲!」


 と、クリフが声をあげたときには、すでに連れてきた兵は二名にまで減らされていた。さすがは鍛え上げられた王国兵だけあって死んではいないようだが、皆痺れて身動きひとつとれないようだった。


「敵の姿は!?」


「わかりません! 遠距離からこちらを狙ってきているようです!」


 クリフは近くにいた兵士に聞くが、返ってきたのはそんな曖昧な返答だった。


 実際、クリフの眼にも敵の姿は視認できなかった。最初の声からすると少女のようだが、それ以外の氏素性は上手く隠れられてわからない。


 ただ、件のセルン・ベルクルトではない、ということは間違いなかった。


「監獄島に他の罪人が送られていた? そんな情報はなかったはずだが……」


 どちらにせよ、ここで立ち止まっていては的にされるだけだった。クリフからは敵の姿は確認できないが、相手にはこちらの位置がばれている。先程のクリフの悲鳴の所為だった。


「散開して敵を探すぞ!」


「了解!」


「りょぎゃああああああ!」


 部下の一人が返事をしようとして悲鳴をあげ、その場に没する。


「ぎゃあ!」


 さらにもう一人も、離れた先で狙い撃ちにされてしまう。気が付けば、あっという間に残りはクリフだけになってしまった。


 そして最後の標的であるクリフに、雷撃の矛先が向けられる。


 紫電が瞬いたかと思えば、すぐ目の前に迫る強烈な雷撃。逃げる暇などどこにもない。直撃を浴びてしまう。


「舐めるな!」


 だがクリフは、なんとか持ち前の魔法抵抗力をもって耐えきった。そのまま、雷撃が向かってきた方角へと走り寄る。


 それを拒もうと次々と雷撃が向かってくるが、クリフはそのすべてを耐えきり、ようやく襲撃者の姿を視認することができた。

 

「なっ!?」


 木の上に立ち、自分を見下ろす襲撃者を確認してクリフは驚きの声をあげた。


 その姿もそうだが、それよりも彼女の手の中に集まる紫電の輝きに目を見張る。間違いなく、これまでとは比べものにならないほどの魔力と破壊力がそこには込められていた。


「馬鹿な!? 個人で扱える魔力の限界を超えているぞ!」


「はっ、我に人間の常識が通用するものか!」 


 襲撃者は口の端をつり上げるようにして嗤うと、指先をクリフに突きつけた。


「手こずらせてくれたが、これで終わりだ!」


「くっ、神器解放――」


 クリフは右手の聖痕を掲げる。


 そして真名を唱え、与えられた力を使おうとしたが、それより先に放たれた雷を喰らい、意識を強制的に吹き飛ばされてしまった。


「馬鹿、な……この、私が……」


 意識が消えていく中、勇者候補としての加護すら撃ち貫いた雷撃の威力に恐怖すると共に、クリフは主に対して懺悔する。


「すみませ……姫さ……きを、つ……」


 この島には怪物がいる。恐ろしく、そして可憐な怪物が。

 

 最後にクリフが闇の中に見たのは、輝くような純白の美少女の姿であった。







       ◇◆◇







「マスター! 早く起きるのだ、マスター!」


「ん~?」


 身体を揺すられ、セルンは自宅のベッドの上で目を覚ます。

 目を開けると、トアレが得意満面の笑みでこちらを覗き込んでいた。


「なんだ? トイレに付いてきて欲しいのか?」


「ち、違う! トイレくらい一人で行けるわ!」


 頬を赤らめて否定したあと、トアレは再び笑顔に戻ってセルンの腕を引っ張る。


「それよりも早く起きて外に来るのだ! そして我を存分に褒め称えるがいい!」


「褒める? もしかして、ぽんぽこを捕まえたのか?」


「そうだ! 一網打尽である! 全部捕まえて庭に並べてあるから、早く見て欲しい!」


「わかったわかった。そう急かすな」


 あくびを噛み殺しつつ家を出たところでセルンは気付く。


 まだ完全には陽が昇りきっていないものの、すでに朝を迎えていた。

 つまりトアレは一晩中、害獣を退治するために起き続けていたということだ。


「いつもは日が沈むとすぐに眠くなるのに……がんばったんだな」


 軽い気持ちで仕向けてしまったが、これは大いに褒めてやらないといけないな――そんなことを思いながら、セルンはトアレに案内されるまま、家の裏手までやってきた。


 トアレはセルンの腕を離すと、仕留めた獲物を前に堂々と胸を反らす。


「見よ! これが暴食王ぽんぽこたちの末路である!」


「なるほど」


 セルンはひとつ頷く。


 目の前には八名の兵士らしき男たちが、完全に意識を失った状態で山積みされていた。


「なるほど。……そう来たか」


 セルンは寝起きの頭で考えた。よく考えてみた。


「トアレ。こいつら、どこをどう見ても人間にしか見えないんだが?」


「ああ。驚きの事実だな。まさか暴食王の正体が人間だったとは。……一番恐ろしい獣は人間。そういうことなのであろうな」

 

「ていっ」


「あうっ」


 少しだけ大人になったような顔で宣うトアレの頭に、軽く手刀を叩き込む。


「な、なにをする!?」


「それはこっちの台詞だ。なんでこんなあからさまに怪しい奴らに手を出すかなぁ」


 頭をおさえて涙目になるトアレを無視し、セルンは倒れ伏す男たちに近付いていく。八人ともがトアレの魔法によって気絶していたが、うち一人は全身真っ黒になるまで灼き焦がされていた。


「全員、なんとか生きてるな。この一人だけ念入りに焼きを入れられてる奴は、他よりいい鎧を着てるし、こいつが隊長ってところか」


「ああ、そやつか。気配からして勇者候補のようだったからな。神器を使われる前に、強力な魔法を叩き込んでやったのだ。まあ、神器を使われても我ならば勝てると思ったが、マスターに前教えてもらったとおり油断は禁物だからな!」


「なるほどよく出来ました」


「いひゃいいひゃい!」


 トアレの頬を引っ張りつつ、セルンは改めて騎士を観察する。


 白銀の甲冑を黒い煤で染めた騎士の右手には、たしかに勇者候補の証である聖痕が刻まれていた。よくよく見ると、鎧にはレムルス王国の紋と共に家紋が彫り込まれている。装備の格から察するに、間違いなく王国でもそれなりの家柄のお坊ちゃまだろう。


「よりにもよって、レムルス王国の勇者候補で、しかも貴族か。……まずいことになったな。どうしてこいつらが監獄島に来たかはわからないが、下手をしたら軍隊を差し向けられるぞ」


「軍隊? 我、なにかまずいことしたのか?」


 ようやく事態の深刻さを悟ったのか、赤くなった頬をさすりつつ、少しだけ怯えた様子でトアレが主の表情をうかがう。


「お、おしおきか? 我、またお尻ペンペンされるのか?」


「そうだな。よし、尻を出せ」


「い、嫌だ! あれは嫌だ! 謝るから許して欲しい!」


「ダメだ。悪いことしたらちゃんとお仕置きしないとな」


「ぴぃ!」


 トアレは小さな悲鳴をあげて逃げ出そうとする。

 だがそんな彼女の前に、そのときのっそりと巨大な壁が立ち塞がった。


「ひめ、さま……まも……」


「なっ!? こやつまだ!」


 トアレの行く手を遮ったのは、先程まで意識を失っていた勇者候補の男だった。


 まだ意識不確かな半覚醒の状態にも関わらず、なにかに突き動かされるようにして、トアレに向かって襲いかかる。握りしめられた岩のような拳が、猛烈な速度で放たれた。


「くっ!」


 トアレは咄嗟に迎撃しようとするが間に合わない。


 逃げることも不可能。まぶたを閉じる暇すら――


「危ないな」


 ――なかったトアレを守るべく、セルンは右手をのばして男の拳を受け止めた。


 ズシン、と地鳴りのような音が響く。

 しかしセルンはトアレを左手で抱き寄せたまま、涼しい顔で衝撃ひとつ彼女には伝わらせることはなかった。


「よっと」


 そのまま、セルンは男の勢いを利用してその巨体を軽々と宙へと放り投げてしまう。男は頭から畑に突っ込んでいき、その衝撃で今度こそ完全に意識を失ってしまった。


「大丈夫か? トアレ」


「ま、マスター。ありがとう」


「気にするな。……まあ、ここはやられておいた方が、後々のことを考えれば楽だったかも知れないがな」


 セルンが横を振り向くのと同時に、森から十数名の人間が姿を現す。倒れている兵士たちと同じ鎧を身につけた、兵士の一団が。


 兵たちを率いているのは、煌びやかな鎧をまとった金髪碧眼の少女だった。


 彼女はセルンの存在に気付くと、他のなにも目に入らない様子で、一目散に駆け寄ってくる。


「もし、あなたはセルン・ベルクルト様ですよね?」


「そうだが、あんたは?」


「あっ、これは大変失礼致しました」


 少女は慌てたことを恥じるように頬を赤らめると、こほん、と咳払いをしてから、花咲くように微笑んで名乗った。


「わたくしはレムルス王国第三王女、レナスロッテ・レムルスです。本当にお久しぶりですね、セルン様!」


「レナスロッテ? えっ? 誰だっけ?」


 その笑顔は、しかしセルンの一言にすぐ消えてなくなるのだった。



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