表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

神様事情



「まぁ、そんな事はさて置いて、ふんわり浮かぶ魂なキミはサクッと転生して下さい。面倒臭くなってきたし」


あ、やっぱり魂なのか私。

じゃなくて、面倒なら転生なんていいじゃん。

もう普通に死なせてくれよ、本当に。


「まぁまぁ、特典も付けてやるからさ」


いらないー。


「分かった。じゃあ適当に勝手に転生させておく」


鬼か!?


「残念ながらに神様です。速やかに諦める事をおすすめするよ」


…人間だけはヤメテクダサイ。

もう人間は嫌だ。

人間関係面倒臭い。

腹の探り合いなんて出来ないんだよ、ボケェ…。


「あー、うんうん。人間に嫌気がさしたんだねー。じゃあ、なりたいものとかはないのかい?エルフとかドワーフとか妖精とか」


全部人型じゃん!


「仲間には優しい奴ららしいけど?」


らしいって…。


「だって神様がほいほい地上に降りるわけにはいかないだろ?眷属からそれとなく聞いた話だよ?…記憶が

間違ってなければ」


なんだ、その怪しげな記憶!!

神様ならちゃんと覚えててくれ!


あー、もういいよ。

諦めれば良いんだろう…。


…だったら鳥がいい。


鳥だって生きるの大変だって分かるけど、自由に空飛べる鳥になりたい。


「なるほど。…うん、じゃあ丁度いいし、キミにお願い事をしようかな?」


拒否権は?


「ないね!まぁ、大した事じゃないよ。キミが空を飛ぶ時、何を想うか…。キミの生きる予定の世界が美しいと感じるか、それとも穢らわしいと感じるか教えて欲しいんだ」


え?


「キミがどちらを感じるか…選ぶのか、楽しみだよ」


そう言って、神様は少し、本当に少しだけ…




笑った。




「さぁ、転生の時間だ!キミには箱庭に落とそう。大丈夫だ、そこには優しい存在が居る。…きっとキミを受け入れてくれる誰かが居る。でも、忘れる事なかれ。…そうでない存在も居る事を」


…神様は感情がない。

心がない。



…はずだった。



なのに、なんでそんな…




哀しげで優しい瞳で見てくるのか…。





「…キミが今度は絶望しないように祈ってるよ」






彼の顔が見えなくなる瞬間、誰かの名前を聞いた気がした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ