第三夜
雪尾:江玖糸亜さんから、さっそくおたよりです。
ほほう・・・
僕の実力を知りたいと・・・
萌黄:偉い神様たちに認められているようです。
雪尾:地元で、町に入り込んだ妖怪や魔物を、狩りまくっています。
ただ・・・
萌黄:ただ?
雪尾:ペストをばらまく、巨大ネズミを倒した時は・・・
萌黄:尻尾に「ミミズ」みたいな加工を施したのに、狐火で跡形もなく焼いちゃったんですよね・・・
がっくりと肩を落とす雪尾・・・
雪尾:もえちゃんに贈った婚約指輪代わりのフィギュア以来の傑作だったのに・・・
萌黄:確か、メル友になった中国の猿の神様に教えてもらった術も使ってましたよね。
雪尾:うん。
身外身の術。
二十八本の毛っていうのは、僕のオリジナル。
萌黄:普通、言いませんよ。
いけ!「別人」!なんて!
雪尾:いいじゃん。
他には、透視の術や、幻術なんかも使えますね。
幻術の応用で、「砂を吐いて」見せたこともあったなあ・・・
萌黄:銀行の次期頭取のミユキちゃんなんか、応用して「砂糖」吐いてましたね。
雪尾:電鉄グループの社長をしているお兄さんにウケたらしいよ。
萌黄:他にも、でっかい「狐」の姿にもなれます!
雪尾:それが「本性」なんで。
二人:遅くなったので失礼します。
またねーッ!