ある木の下で
背中を預けるのなら
ひとりの沈黙に重なる木へ
降り注ぐ木漏れ日
黄緑色が霞む
擦れ合う葉の隙間から覗く青
風の音階を辿り
行き着くは
いつか私の傍にいたひと
小指をほどいた後の約束を
守り続ける
日付のない待ち合わせ
思いをやるために
見上げた空
千の青
揺らす風の万華鏡
散り散りになろうとも
一つの光の中
地平線から折り曲がる世界の
向こう側から
もうやって来ることのないひと
今は佇むばかりの
恐れ知らずだった足の記憶が
呼び掛ける
会いたい、が
会いにゆく理由の全てでした