序章Ⅰ
この世界には三つの大界がある――――
人間界、魔法界(異世界、魔界とも呼ばれる)、そして、泉下都。
人間界とは名前の通り、人間の住む世界。魔法界とは精霊・妖精・悪魔等、人間が言う「二次元」に出てくる生物が生きる世界。大昔に人間界と魔法界を繋ぐルートがいくつか発見されたが、ほとんどが壊されたため、行き来はできない。
魔法界には、主に魔法族と呼ばれる者が生きている。姿は人間そっくりだが、魔力を持つか、持たないかで分けられる。魔力量は人それぞれで、初級技一つ使っただけで疲れる者もいれば、悪魔を倒せるほどの力を持つ者もいる。才能がある者や自分の魔力に自信のある者はやがて、魔女・魔術師の道に進むようになるのが一般的だ。全く使えない者もいるが、生活に支障は無いし、そもそも魔術の才能がある者の方が少ない。
人は死後、あの世へ逝く。
生物が朽ち、魂と切り離され、神様の元へ帰り、また新たな生命へと生まれ変わる。または、死霊となり現世に残ってしまう霊…。
泉下都とは、死んだものが逝く場所と言われている。人間も魔法族も悪魔も、全ての命あるものが死後訪れるところ――と魔法界にある某文献で記されている。だが、存在自体が不明。誰もが言う、天国・地獄の存在すらも…
魔法界西部にヴァオレイン王国という大国がある。
西部はヴァオレイン王国、ベルスタン王国、ドゥーバ王国、フェルス国で成り立っている。
西部には四季があり、過ごしやすい気候と言われている。地方では主食である小麦栽培や、市場で売る食料も豊富で、果物の栽培も盛ん。王都や都市に進むと、主要機関も多く集まり、企業、魔女・魔術師、剣術士、冒険者などといった組合がある。そのため多くの人種が集結し、多人種大陸といわれている。
ヴァオレイン王国は西部の中で、最も古くから栄えている、歴史ある国だ。
国のほぼ中心に王都ヴァルブルンを構え、王都の真ん中に宮殿を築いている。宮殿の周辺には貴族や親衛隊や騎士が宮殿を囲むように住んでいる。中にいけばいくほど、位が高かったり、名門や上流貴族と呼ばれる家柄の者が暮らしいる。この一帯を民は「ヴァオレインの庭園」と称している。
ヴァオレインの庭園を抜ければ、上層向けの店が並んでいたり、財をなした裕福な民の屋敷があったりする。更に進めば、広範囲に広がった民衆区域に入る。ここも同様に、中にいけばいくほど富裕層な者が暮らしている。冒険者、魔術師組合等もこの区域にある。
――そして、この話の舞台となる国だ。
※更新は不定期です。