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私がモテないのはお前に言われんでもわかっとる!  作者: 矢御あやせ
第2夜 デブのくせに人間名乗ってんの?
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西からやってきた刺客!

問 あなたは昔、「遊んで」いましたか?




――南波知子(29)の場合



「遊び? そうね、短大時代にコンパしたりは……」 



問 ジュリアナですか? 



「ンなもんとっくに廃れてたわよ! ちなみにコンパはよく幹事してわね」


問 ……。


「って何よその"やっぱり"みたいな顔!!」




――坂入ミハル(25)の場合



「そういうの無理なんですけど……なんか……その、無理なんですけど……」



問 どう無理なんですか?



「えぇっと……その! 無理! です!!」



問 痛いです。殴らないでください。




――山崎恋頃(20)の場合



「……たかおに、かげふみ、ケイドロ」



問 昔すぎませんか?



「……スーファミ、なかった」



問 いや、そうじゃなくて。


質問を変えます。最近遊んでますか?



「……たかおに、かげふみ、ケイドロ」



問 何してんのお前!!!!



「……スーファミ、ないから」



―*―



「どうでしょう」


「イマイチ」



いつもの居酒屋。

上座ソファー席で知子さんは腕を組む。

なんか、こう……すごく……偉そう。

思わず「知子様ァ! 靴舐めますか!?」ってひれ伏したくなるような威厳を放っている。




「ですよねー」



私といえば、出力した原稿を団扇がわりに扇いでみたり。


連載第2回の締切が刻一刻と迫っているのにも関わらず、早くもこの調子だ。



「あーもう。イヤになるわ」



私は原稿をバッグの上に放り出してテーブルに突っ伏した。


あたしにゃぁ文豪は荷が重いわ。



「あきなちゃん、マナー悪いよ」


「最低ね」


「お死になさい」



あ、処女ーずが何か言ってらぁ。

男と遊ばずにすくすくと育った真面目な処女ーずさんがよぉ。

てめぇらは口動かす暇あるんだったら女磨けよ!

特にミハル。24にもなってスヌーピーのTシャツ着てんじゃありません!

休みの日だからってラフにも程があるだろ!

ピーナッツは食べ物か読み物であっても着るもんじゃねぇんだよ!!!


つーか恋頃、今さりげなく死ねって言っただろ。

怖いよ怖い! ゆとり教育超こわい!

どうせお前あれだろ、ボタンひとつで人間が生き返るって思ってんだろ!!

いや、300円課金すれば生き返る世代かな?

どっちにしろ怖ぇぇよゆとり世代!!!

バブル経験してる知子さん以外はみんなゆとり世代だけどあきな戦々恐々だよ。



「すーんませーん、お客さん、どいてくれません?」



そこで割って入るオスの声。

机に突っ伏しているせいで顔は確認できない。

しゃがれた大阪弁。

なんなんこいつの声。この「オレ方言男子っす」的アピールが糞腹立つんだけど。


「断る。つーか私のこと敬ってるならもう少しへりくだれよ店員がよぉ。お客様は神様だろ? アァ゛ン?」


「さいでっか」



グイッと。


オスは無理矢理私を押しのけて料理を置く。



ンだとこら。


神様に向かって舐めた真似しやがってよぉ。


仕方ない。特別に無礼者の顔を見てやろう。



テーブルを前に、痩せてひょろながいヤツが胡散臭い笑みを浮かべている。


生き物に例えるなら……ヘビだな。


芸能人に例えるなら関西出身アイドルユニットの白いやつに似てる。

えーっとあいつ。ヒルナンデスに出てるやつ。えーっと、横なんとかさん。

権利関係の問題で名前は出せない横なんとかさん。

カープの横山竜士と苗字が一緒の横なんとかさん。



「お待たせしましたー。ナンコツのから揚げでーす」


「あら、見ない顔ね。新人さん?」



知子さんはここでも偉そうだ。

あんたさぁ、社内じゃ飽き足らずどこまで子分を増やす気なんだよ。


「はいィ。おとといからやってます、ヤスダ言います。よしくおねがいします」


うーん、なんだこの隠す気のない西からやってきた感。

虎の刺客か何か? 能見ください!


こいつは……臭うなぁ。

プンプン臭いやがるぜ。


ここにいる馬鹿どもの鼻は誤魔化せてもこの丘崎あきな様を出し抜こうなんつぁ334年早ぇぞ、安田くんよぉ。



「そいじゃ、また」



新人店員、安田は手をひらひらと振って去っていく。



さぁ、楽しい議論のはじまりだ。


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