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私がモテないのはお前に言われんでもわかっとる!  作者: 矢御あやせ
第1夜 イケメンとセックスしちゃったかも!
11/44

緊急召集・朝まで生テレビ

「いや、だから。酔った勢いでイケメン宅に宿泊しましてね」

「はぁ」

「ほらほら。ここまで言えば……おわかりでしょう?」


あーどうしよ。

ホントわかり易すぎて困っちゃうなぁ。

スペシャル番組の視聴者プレゼントキーワードクイズばりのわかりやすさに自画自賛しちゃうそう。


「ううん、わかんない」

「まぁたまたぁ~」



知らなかった。ミハルはバカのようだ。

視聴者プレゼントクイズも解けないなんて社会出る資格ないよアンタ!



「だから、致したかもしれないんだって」

「何を?」



マジかよ。

ポカンとするミハルfeet私。



「するってする事だよ」

「あきなちゃんが?」

「うん」

「イケメンと?」

「ええ」

「何を」

「人生……勉強?」



ミハルはハッと一度目を丸くした。

そしてあろう事か、次の瞬間、床に転がり、クッションを抱えて壊れたファービー人形のように笑い出したのだ。



「あははははは!!! ない、ない、ないないぃ。あきなちゃんに限ってそれはないよぉー」



ひーひーふーと息苦しそうに彼女は言う。

何? アンタ生まれるの?



「うっせぇド腐れメガネ!!! テメェが読んでる薄い本のがありえねーわ!!! 現実見ろや!!!」

「いやぁ(笑)」



なぁにが「いやぁ(笑)」だ。

なんてムカつく顔!!!!!

なんてムカつく半笑い!!!


ピンポンの表紙みたいな顔で笑うんじゃないよ!!!

松本大洋に挿絵頼むの絶対無理なんだかんな!!!

ふざけんな!!!



「……うーん、絶対ないなぁ(笑)」



バカにしやがって!!!


その(笑)、真っ二つにしてやろうか!!!


竹冠と下の天の上の方がヒヤリハットしちゃったみたいなやつに引き裂いてやろうか!!!!


(竹天)にしてやろうか!!!!



「いや、ちょ、だって!! ま!!! おおお起きたらベッドだったしぃ? 違う服着せられてたしぃ?」



ミハルは「あははぁ」と呆れたようにはにかんでいる。


何だその顔!!

免許証か!! 証明写真か!!! 私はインスタント証明写真撮影機か!!!

お前もあの(竹天)と同じ目に遭わせてやろうか!!!


「多分……絶対、違うと思うよー」

「はあぁん!? 根拠はぁ!?」

「だってあきなちゃんだし」



あー、なにこれ。なにこれ。なにこれ超むかつく!!!!

こんのド腐れ芳醇クソマnk!!!!

お前なんか純潔らしくパン祭りの白いお皿でフリスビーでもしてろ!

私はフジパンでミッフィーちゃんのグッズもらっちゃうから! 

女子力上げちゃうから!



もう頭きた!!!

ミハル相手じゃ埒があかねぇ!!

これだからオタクは!!!

コイツ絶対この世のオス全部がホモだと思ってるよね!!

キスマイなんちゃらもセクシーなんちゃらもサバイバル宅配員さんたちも全部ひっくるめて、世の中のイケメンどもは漏れなく女並べて好き放題してんだよ!!!

やつら女体並べて刺身や生クリームを盛り付け放題してんだよ!!!!


ぐぬぬぅ、悔しいのお、悔しいのおおおお!!!!




こうなったらかくなる上は!!!!!





「ただいまより第一回、丘崎あきな処女喪失審議会をはじめる!!!」

「イチイチ呼び出してんじゃないわよ!!」

「あはは……ふたりともごめんね」

「おいしい六甲おろし」



緊急召集。処女ーず全員集合である。


かくなる上は、知子さんと恋頃も呼んで朝まで生テレビだ。


ちなみに恋頃が食べているのは大根おろしだ。

恋頃は野球を知らない。

以前、試しにタイムリーって何だかわかる? って聞いてみた事がある。

すぐに返事がきた。

その答え、「道端で見つけた小銭が和同開珎で顔を上げたら見知らぬ風景が広がっていること」。

何それ!!!!!!

多分ね。それ。タイムスリップ!!!!!




「どうせ夢でしょ?」



知子さんは興味なさそうに言う。


バッサリ。


(竹天)と同じ運命を辿ったのは私の方だった。



いや――


私はドヤ顔でミハルに振り返る。


「ふっふーん。坂入刑事、証拠品を」

「え? あれ見せるの?」

「な・つ・こ・み」

「はい、このTシャツです」


魔法の呪文に当てられたミハルは、白地の布切れを私に手渡す。例のイケメンから授けられたシャツだ。


「くらえ俺のこのエクスカリバー!!」

「あああ、だめ! あきなちゃんったらもう!! いかがわしいんだから。BL小説の帯じゃないんだから」


いや、何それ。いかがわしいのはお前だよ、ミハル。

せっかく最高潮だったテンションがしょっと下がっちゃったよ。どうしてくれんのさ。


「ちなみにエクスカリバーは剣よ」


と、ツッコミを入れる知子さんはあらゆる角度からシャツを見ている。


よほど疑わしいのか、深く眉間にシワを寄せていた。



「確かにあきなのじゃなさそうね。クサくないし」


うるせぇ!!!! 

クサくねーよ!!!

こっちは鬼の形相でロリータ衣装ファブりまくってんだかんな!!

実家に送られてきたリセッシュをファブの容器に詰めてファブりまくってんだかんな!!!



Tシャツはリレーのバトンのように恋頃に手渡される。恋頃は受け取るなり、シャツに鼻を寄せた。


そして素早く大根おろしを口に掻き込む。


な、なんだそれ


意味はあるのか?



いや、あの超人・恋頃さんなら何か意味があるに違いない。


だってあの恋頃さんだから!!!


海原雄三の白髪のメッシュをセットした美容師と友人関係で雄三の使ったお箸の右を貢がせたと噂される恋頃さんだから!!!!

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