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異世界で唯一の男魔法使い  作者: 木林森
異世界のお嬢様学校にまさかの入学
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クリスタ視点です。

次の話も含め、今一つ文章が整理できていないので、完結してからちまちま改稿します。

「はーいみなさんおはようございます。この新二年B組の担任をするマリアです。よろしくお願いしますね」

 学年の変わり目である長期休暇を終えた初日。新たなクラス……とはいってもあまり変わり映えしないクラスメイトと一緒に、今年も私のクラスの担任をするマリア先生のお話が始まりました。とても優秀な先生なのですが、私たちに、まるで小さな子供を相手するかのような態度で接してくるのが玉に傷ですわね。

「この長期休みの間、里帰りした子もいれば寮に残って過ごした子もいますね。それぞれが有意義な長期休暇を過ごせていたら先生は嬉しいなと思います」

 先生は教壇に立ち、そんなお話をします。新クラス初日と言う事で当たり障りのない話題ばかりではありますが。

「さて、長期休暇と言えば、とてつもないニュースがありましたね。今までの歴史をひっくり返す大きな出来事がありました」

 先生がそんな話題を出した瞬間、クラスの空気に緊張感が混ざるのがなんとなく感じ取れますわ。

(魔法を使える男、でしたわね……)

 そのニュースを家で聞いた私は、はしたないことにお洋服の上に紅茶をこぼしてしまいましたわね。

 ですが、そんなことがあっても仕方がないほどそのニュースは衝撃的でした。

 長い長い歴史の中で、魔法は貴族の血を引いた女性しか使えない。それはもはや世界の常識であり、揺るぎのない事実でしたわ。

 それを叩き壊すようなニュースは、私にとって大きな意味を持ちます。

(男なんかが……貴族の婦女子の誇りである魔法を……っ!)

 男と言うのはあまりにも下劣な生き物。こちらが社交辞令で下手に出ていることをいいことに、人の身体を無遠慮にジロジロと舐めまわすように見る嫌らしい生き物。髪の毛が宝石の様だとか、まるで焼きたての白いパンのようなきれいな肌だとか、見てくればかり見てそれで褒めた気になっている愚か者。

 その実、裏ではあれと交わりたいだとか、いい女だったとか……そんな下劣な話をしている、同じ人間とは思えない生き物。

 しまいには自分たちが魔法を使えないやっかみに、私たちの事を兵器だの、権力争いのための子供を産む道具だのと……あまりにもふざけたことをいう下等生物。

 そんな男が……魔法を使える?

 それはとても許せない事であり……尊厳を踏みにじられるような思いでした。

「魔法を使える男がいたんですよね?」

 先生の言葉に、茶色い癖っ毛が特徴的な、私を慕って下さるクラスメイトの一人が、明らかな不満を込めてそう言いました。彼女も男に尊厳を踏みにじられた一人ですのね。

 いや……この学園に通う方のほとんどが、そんな経験を少なからずしたことがあるでしょう。

「そうですね。なんとその子が……我がクラスに所属することになりました! それじゃあ入ってきてください、ヨウスケ君!」

 先生がそうおっしゃった瞬間、教室がざわめきに支配されました。先生の言葉に少なからず動揺しているのでしょう。

 動揺している、というところでは私も同じですが……私の場合、ざわつくとか、顔を見合わせるとか……そういった行動すら出来ず、固まってしまったのですわ。

 教室の出入り口から、見たことがない服――恐らくこの学園の男性用の制服ですわね――を着た、黒髪黒目の男が入ってきました。

「えーと……ヨウスケ・ミハマです。よろしくお願いします」

 その男……ヨウスケは困ったような態度で簡潔な自己紹介をするとお辞儀をしました。

 私から見ればまだまだでしたが……まぁ、悪くはないものでした。

「はいありがとうね。それじゃあみなさん、ヨウスケ君と仲良くしてね」

 先生のそのお言葉は、到底無理だ、という感想を思わず抱いてしまうものでした。

 私たちの尊厳を踏みにじった男と『仲良く』する? そんな屈辱……受け入れがたいですわ!

 同じ空気すら吸いたくもないのに、この選ばれし婦女子が集まる神聖なる学び舎で、同じ教室で、そんな男と過ごす……。そんな生活を想像すると、思わず顔を顰めてしまいますわね。

「うーん、そうねぇ……」

 先生がクラスメイトを見回しながら、そんなことを呟きました。恐らく、世話係を選んでいるのでしょう。

 そんなことを、どこか他人事として考えながら、私はこれからの学園生活で、あの男に関わらないことを心に決めました。

「そうだ、クリスタさんにしましょう! クリスタさん、しばらくヨウスケ君のお世話係よろしく頼むわね」

「ちょっ! 先生っ!?」

 そう心に決めた矢先に、先生が私を指名しました。

 思わず私は勢いよく立ち上がり、それに抗議します。

「どういう事ですのっ!? この私が男の世話係なんて冗談じゃないですわ!」

 紛れもない本音。関わるのさえ嫌なのに……男の世話係ですって!?

 私の抗議が癪に障ったのか、ヨウスケが口の端をヒクつかせますが、私はそんなのは気にしません。

「あらあら性別関係なく仲良くしなきゃだめよ~? それにその人の為人ひととなりも見ないでそんなこと言っちゃダメよ?」

 先生はおっとりとした口調でそうおっしゃりました。確かにその考えには反省ですが……相手が男ならば話は別ですわ。例外なく男は下劣であり、下等生物。今まで社交界などであって来た男どもは皆そうだったのですから。

「それにクリスタさんが本当は優しいのは知っているわよ? 確か三カ月ほど前は卒業生に送るお花を育てているときに柔らかい笑顔を浮かべてお水をあげ――」

「その話は根拠のない主観ばかりですの! 実際は面倒でしたわ!」

 先生がいきなり爆弾発言を投下してきましたので、即座に修正します。

 先生は人の事を好意的に見過ぎですわ。この私がお花を育てるなんて雑用を楽しむわけ――いや、でもパステルカラーでカラフルなお花を見てると不思議と嬉しくなって、お水をあげるのもちょっと楽しかったような――って違いますわ!

「それに長期休暇の前なんかは学園で育てているウサギさんとしばらくお別れするのを残念がっていたような――」

「それも独りよがりの主観の色眼鏡の勘違いですの! 実際は学び舎を離れることで高度な勉強が出来ない事を惜しんでいただけですわ!」

 全く、先生はこういうところが玉に傷ですわ! 情操教育の一環と言って生徒で持ち回りで育てているウサギの世話が、たまたま長期休暇前日にあっただけですわ。そんなのただ面倒で――ああ、でも、あの白や茶色のふわふわやくりくりとした潤んだ目には癒されましたわね。そんな目で見つめられると、どことなく別れを悲しんでいるようで、こちらもちょっと寂しく――ってそんなわけないですわよ! ウサギじゃなくて学園から離れるのが残念だっただけですわ!

「まぁまぁ落ち着いてクリスタさん。せっかくの可愛いお顔が台無しよ? それにレディーなんだからそんな下品に声を荒げてちゃダメよ?」

「先生のせいですわーっ!」

 先生の言葉に、思わず全身全霊で突っ込んでしまいます。去年から何回かこんなやりとりがありましたわね……。

 私はこの数分で大分体力を消耗し、肩で息をしてしまいます。

「はーい、じゃあ朝のホームルームは御終いね。それじゃあ、とりあえず新しい学年の一発目の授業、頑張っちゃおー!」

「マイペース過ぎますの! それと頑張るも何も最初は始業式ですわ!」

 ああ……もはや先生のマイペースは治らないとは思いつつも、ついつい突っ込んでしまいますわ。

「あ、それとヨウスケ君はクリスタさんの隣よ。それじゃあ仲良くね~」

 先生はまたもや爆弾発言を投下していくと、今度は突っ込む間もなく去っていきました。

「あー、そんなわけで、悪いけどよろしく頼むな」

 彼も先生のマイペースさに圧倒されたのか、困ったようにそう言ってきました。

「平民の男風情がこの私になんて口をききますの? ハームホーン家の長女である私にその態度とは育ちが知れますわ」

 男に話しかけられ、とっさにそんな言葉が出てしまいました。

 確かに話しかけられるのは不本意でしたが……家柄をかさに着て威張るような態度は、私は好きではありません。男を嫌悪するあまり、つい口に出してしまいます。

「ん? この学園は生徒間では家柄関係なく平等じゃないのか?」

 ヨウスケは私の痛いところを的確に突いてきました。実際、私はこの学園の実力主義なところに惹かれて入学したのですから。

 正直、生まれた家だけで格付けする考え方と言うのは気に食わないですわ。偉いのは家族であって本人ではなく、それで威張るようならそれは虎の威を借る狐ですわ。

 だから、先ほどの私の発言は、自己嫌悪をさせるのに十分な物でした。

 いくら相手が男とはいえ、あんなことを口走ってしまうのは、あまりにも情けなかったのです。

「というかハームホーン家の長女って……公爵家のお嬢様か」

「ようやくお気づきになりましたのね? まぁ下賤な男にしては上等とでも褒めておきましょうか?」

 見たところ、この男はそれなりの教育を受けているように見えて、今一つこの世間から『浮いた』存在に見えます。多分、人里離れたところで親から教育を受けたもの、場所柄故に世情には疎かったのでしょう。それならば、多少の不満はありますが男にしては上出来ですわね。馬鹿ばかりとは思っていましたが、さすがに過小評価しすぎていたようですわ。

 私の言葉を受けて、後ろの方たちが一斉に頷くのが感じ取れました。

 この学園は爵位や生まれによって格付けすることを良しとせず、成績や性格で人を見ることを推奨しています。

 ですが、体に染みついた貴族の考え方は取れないのか、どうしても爵位の高い生徒の腰ぎんちゃくになってしまう方が多いのです。

 結果、『派閥』というものが出来てしまうのですが……正直、これもあまり好きではないですわね。

 私の事を慕って下さるのは嬉しいですが……その一方で、打算や、爵位にのみ惹かれて私を褒めそやす方がいるのも事実です。

 そんな方から向けられる、天才だとか、美しいだとか、強いだとか、尊敬しているだとか……そんな賞賛の言葉は、私に向けられたものではありません。『私そのもの』を見ているのではなく、『私の生まれ』を見ているのです。

 はたして、そんな風に褒められて嬉しいのでしょうか。少なくと私は喜べませんわ。


                 ■


「あ、今年もやるんですね。はーい、じゃあクリスタさんに決定ね。みなさん拍手~」

 当然ですわね。今年も私が学級委員長を務めることが決定しました。

 将来は人を導くのが仕事……ならば、今から人の上に立つことを覚えておかねばなりません。

 ふと、何となくヨウスケの様子が気になって左を見ます。ヨウスケの表情からして、どうやら彼も異存は無いようですわね。なんとなく安心――って何で私はこいつの様子に一喜一憂してますの!?

 私が自身の妙な行動に苛まれているうちに、先生が私たちにプリントを配りました。

 それは個人個人の時間割。予め希望しておいた選択科目もしっかり記されています。

「…………」

 私は自分の時間割と、隣にいるヨウスケの時間割を見合わせます。

「ん? どうした? 何か不都合があったか?」

 そんな私の様子が気になったのか、ヨウスケが問いかけてきました。

「世話役だからどの授業が一緒でどの授業が違うかを把握しておかねばなりませんわ。……奇妙な縁で全部の授業が寸分違わず同じですわね」

 幸運か否か、不幸中の幸いとでも呼べばいいのでしょうか。ヨウスケとは時間割が全く一緒でした。不本意ではありますが、こいつの世話係を任された以上、それをしっかりやり通さなければなりません。ならば、こうして時間割が全く一緒なのは好都合と言えるでしょう。

「ああ、分かった。いやぁ、済まないな、世話かけて。優しいじゃないか。あれだけ文句言ってても、こうして真剣にしてくれるなんて。ありがとな」

 私の行動をどこかを勘違いしたのか、ヨウスケは笑顔でお礼を言ってきました。

 その笑顔はどことなく……先ほどの朝のホームルームで、先生が私の事を見ている顔と似ている、と感じました。

「なっ!? そ、そんなの違いますわ! 仕方なくですわよ仕方なく!」

 それを、私は即座に否定しました。当然ですわ。それではまるで……私がこの男の世話係を一生懸命頑張ろうとしているように聞こえるのですわ! そんなこと――いや、確かに務めは果そうとしておりますが、決して楽しんでいたり積極的と言うわけでは――あ、でも積極的ではありますわね。実際、ヨウスケと授業がすべて同じだと分かって、少しほっとして、嬉しかったような――ってあああああああああ!!!

「ん~? どうしたのクリスタさん?」

「な、何でもありませんわ!」

 先生の問いかけに、混乱してしまった自分を誤魔化すように、私はそう言って席に座り直しました。ううう……何故だか体が熱いですわ。


                 ■


「ちょっと待ちなさいな」

 私はヨウスケを呼び止めます。

「ん? 何か用か?」

 ヨウスケは振り返り、私にそう問いかけてきました。

「この後は私、入学式準備の手伝いがございますの。手伝いなさい」

 手伝うのは当たり前ですわね。とはいえ……朝に酷い発言をしてしまった負い目があるのも事実ではあるため、当たり前、と断言しにくくはありますが。

「手伝うのはやぶさかじゃないんだが……何で俺?」

 ヨウスケは嫌そうではないものの、訳が分からない、と言った表情でそう問いかけてきます。

「私が世話係をする以上、恩に報いるのが当然でしょう? 男と言う下賤な生物でもある貴方は、当然私の下僕も同然。普段男の方が力があるとか負け犬のごとくほざいている以上、これから予想される力仕事でじっくり働きなさい」

 男が相手と言う事でつい口調は強くなってしまいますが、これらは全て事実。先ほどと違って自己嫌悪に浸る必要はございません。

「まぁ下僕とか、当然とか、そもそもそれが人にものを頼む態度かよとか、いろいろ突っ込みたいところではあるが……まぁいいさ、手伝ってやるよ」

 ヨウスケは不満げではありましたが、手伝うことに了承しました。

 さて、たっぷりこき使ってやりますわ。


                 ■


 ヨウスケが持ち上げた重い置物を置く場所を指示すべく、私は配置表と見合わせながらそこを光属性魔法で照らします。

「ふむ、先ほど言った通り、男と言うのは力仕事の面ではそこそこ役に立ちますのね。まぁ、その程度は働けないと生きている価値すらありませんが」

 同年代の男に比べて細身で、あまり頼りにならなさそうでしたが……腕力ばかりが強い男なだけあって、他の方々とは効率が違いますわね。こればかりは評価してもいいでしょう。

「いんや、俺自身は力は大して強くないよ。魔法のおかげ」

 ヨウスケは置いて戻ってくると、そういって新たな置物を軽々と持ち上げました。

「あら、そういえば下劣な男のくせに魔法が使えるのでしたわね。さしずめ、手のひらに高密度の空気を集めて、それで持ち上げているのでしょう?」

 風属性魔法の中でも日常生活で便利な魔法ですわね。重い物を持ち上げるほどに高密度な空気を維持しなければなりませんが、この学園の生徒なら、平均より上だったら大体の風属性魔法使いの方は出来る魔法でしょう。

「モヤットだ」

「いきなり訳の分からないことを言われても分かりませんわ」

「ハズレって意味だよ」

 むぅ、ならば最初からハズレと言ってくださればよろしいでしょうに。

 それにしても、それじゃあないとなると……えっと……

「ふむ……そうなると……ああ、もう! 分かりませんわ! さっさと教えなさい!」

 ついに考えが行き詰まり、思わずヨウスケに答えを求めてしまいます。

「おいおい、せっかくの芸術品のような髪が台無しだぜ? どうせ手入れとかしっかりしているんだろうから自分の努力をないがしろにするようなことをするなよ?」

 ヨウスケのその言葉に、私は頭を掻きむしる手を止めます。

 今のは褒め言葉、私の御髪に対する賞賛でしたが……今まで言われた言葉に比べ、とても嬉しく感じました。

 今まで言われてきたことは、本心から思っていても、打算や、やっかみや、欲望のようなものが見え隠れして気持ち悪かったのです。

 ですが今のは……そう言ったこととは無縁の、まさに本心でした。

 それと、私がこの御髪を維持するための努力もないがしろにしませんでした。

 今までも褒められはしてきたのですが……それは、生まれ持って綺麗ですね、天然で綺麗ですね、というニュアンスが感じ取れるものだったのです。実際、それで喜ぶ方も多いのでしょうが……この自慢の御髪を維持するために、毎日奮闘している私からすれば、それは侮辱にすら聞こえました。

 けれど、ヨウスケは私の御髪を天性や生まれ持ってのものではなく……『努力』の結果だと褒めてくれたのです。

「……とりあえず、褒めてくださったことは素直に感謝しますわ」

 その褒め言葉には、今までしてきたような形だけのお礼でなく……心の底から、感謝しました。

 照れくさくて、戸惑って、ぶっきらぼうにはなってしまいましたが、紛れも無い本心です。

「と、とにかく、その魔法は何なんですの!? 今なら特別にこの私に教えられる、というとても名誉な事をさせてあげてもよろしくてよ?」

 照れくささを紛らわせるように、私はそう問いかけます。

 ああ、全く……この頬の熱さは何ですの!? 妙に心が浮足立って、考えが定まりませんわ!

「さぁ、その辺は自分で考えな。自分で分からないようじゃ公爵令嬢で優等生で学級委員長の名が泣くぜ?」

「むっきーっ! 戯れも程ほどになさい!」

 その問いかけも煙に巻かれ、それどころか私のプライドを刺激するその言葉に、つい子供のように地団太を踏んで返してしまいます。

 全く……どこまで人をおちょくれば……っ!

 ふと何やらたくさんの視線を感じ、まだ興奮冷めやらぬ状態ながらもあたりを見回します。

「く、クリスタ様があんな態度を……?」

「普段から高飛車だけど、今はまるで子供みたいね」

「ああ、そんなクリスタ様も可愛らしくて愛らしい……っ!」

 小声で、そんなやり取りが交わされているのが聴こえました。そしてこちらに向けられる目、目、目。

 い、今までのやり取りが見られてた? しかも注目されてた?

 普通に考えればそうですわね。なんせ私は目立つ存在ですし、周りには作業中の方がいるんですもの。そしてやり取りをしている相手がヨウスケなのだから、注目を浴びるのはむしろ当然のことと言えますわね。

 ……ああああああ! これは明らかに失敗ですの! は、恥ずかしい! 私は火属性に適性がありませんが、今なら使えそうですわ!

 この恥ずかしさの元凶、ヨウスケをキッ! と睨みます。頬が今までにないぐらい熱く、今にも火が噴き出してしまいそうなぐらい。

 そして私は、

「明日にはその魔法を解明して差し上げますわ! 覚悟なさい!」

 とヨウスケに人差し指で差し、そこから赤い顔を隠すように逃げました。

 ああ……っ! なんとはしたないことを………っ!

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