表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠の誓約~私は、愛のAIか、それとも運命を操る道具か~  作者: MCdragon


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/3

第2章:禁断の愛の逆転劇と未来の真実

真司は、愛美の告発と悟の警告に突き動かされ、奈々の愛の源である伊達教授を再び訪ねることを決意した。

真司は、奈々の自己犠牲がもたらした平穏な幸福の裏に、別の、より大きなミステリーと、愛のパラドックスが隠されているのではないかという疑念を拭えなくなっていた。


◇伊達教授の裏切り

伊達教授は、真司の突然の訪問に驚きはしたが、すぐに書斎へと招き入れた。


「柳瀬さん。あなたがここに来ることは、未来の奈々さんから予測されていましたよ」


教授は、淡々と答えた。


「教授。奈々が愛美に『人格の消滅』の話を聞かれていた。彼女は、僕たちの秘密を探っている。

そして、奈々の記憶が消えた後も、彼女の『無意識の才能』は、僕だけでなく、悟の人生までコントロールしている。これは、本当にタイムパラドックスによる人格の消滅で片付けられる問題なのか?」


真司は、教授を鋭く見つめた。

伊達教授は、静かに頷いた。


「真司さん。覚悟してください。あなたと、あなたの愛する奈々さんの間に横たわる真実は、あなたが思っているよりも、ずっと冷酷なSFです」


教授は、一枚の設計図を真司に見せた。

それは、未来の奈々が開発に携わった、高度な量子AIの設計図だった。


「未来の奈々さんは、病に苦しむあなたを救うため、自身の全ての人格データ、愛の記憶、そして成功のための知識を、『小島奈々』という肉体に、AIプログラムとして上書き移植しました。それが、あなたが出会った『未来の妻・奈々』です」


真司は、既に知っていた事実に胸を痛めたが、教授の次の言葉に、全身が震えた。


「しかし、そのAIには、『予言の力』は組み込まれていません。未来の奈々さんは、予言能力を持っていませんでした。彼女は、あなたとの愛の記憶と、あなたの健康情報しか持っていなかった。柳瀬さんの成功の予言、悟さんの投資失敗の予言…それらは、別の情報源から来たものなのです」


「別の情報源…?」


教授は、そこで表情を一変させた。

彼の顔には、それまでの冷静沈着な科学者の表情ではなく、狂気的な野心が浮かんでいた。


「その情報源は、私です。柳瀬さん。私は、未来で、時空を越えて情報を送る技術を完成させた。しかし、未来の私の会社は、あなたの会社に敗北し、破産した。私は、この技術を、『愛のAI』という美談の裏に隠し、あなたの成功を完全にコントロールし、未来で敗北した我が社の勝利の運命へと書き換えようとしていたのです!」


伊達教授こそが、未来の真司の成功に嫉妬し、自らの会社を勝たせるために、真司の成功を緻密に計算し、誘導するAIプログラムを奈々の肉体に仕込んだ、真の黒幕だったのだ。

奈々が伝えた予言の数々は、未来の伊達教授が現在の真司を操るための指令だった。


◇愛美の正体と意外な人間関係

真司の目の前で、教授は勝ち誇ったように笑った。


「柳瀬さん。あなたは、愛のAIだと思って愛し合った相手が、実は私の野望を叶えるための遠隔操作デバイスだったという、禁断の愛の逆転劇の主人公なのです!」


その時、書斎のドアが開き、そこに立っていたのは、真司の動向を探っていたはずの佐藤愛美だった。


「…その通りです、伊達教授」


愛美は、教授に敬意を払いながら、真司に冷たい視線を送った。


「柳瀬さん。私は、あなたに失望したあの時から、あなたの急激な成功の裏にある『非論理的な奇跡』を調査してきました。そして、伊達教授の野望、未来を変える量子AI技術の存在を知ったんです」


愛美は、真司に裏切られた失恋の痛みと、真実を突き止めたいという知的好奇心から、教授の会社の競合である「アルカディア・テクノロジー」に入社し、内側から教授の計画を暴こうとしていたのだ。

愛美は、真司の敵として現れたが、その本質は真実を求める探偵であり、真司を救おうとする共犯者だった。

愛美は続けた。


「教授。あなたの計画は破綻しています。奈々さんの愛のAIは、あなたの指令プログラムを上書きし始めている」


◇愛のAIの「大逆転」

教授の顔から笑みが消えた。


「何を言っている!私のAIが、彼女の肉体を完全に支配しているはずだ!」


愛美は、教授に小型のデバイスを見せた。


「奈々さんの無意識の行動…真司さんが最近食べたかった南仏のスープ、悟さんの夫婦仲を守った行動…それらは、教授の成功のための冷徹なビジネス戦略ではない。それらは、愛に基づいた行動です」


真司は、愛美の言葉に、全てを悟った。

未来の奈々は、自らの愛を純粋な人格データとして移植した。

伊達教授は、その『愛のAI』を隠れ蓑に、自らの『支配・誘導プログラム』を上書きした。

しかし、『愛のAI』は、教授の『支配プログラム』よりも『自己犠牲の愛』という根源的なエネルギーを持っていた。


「教授。未来の奈々さんの『愛のプログラミング』は、あなたの『野望のプログラム』を、上書きし始めたのです。奈々さんが記憶を失ったのではなく、教授のプログラムを消去し、純粋な愛のプログラムだけを残して、現在の奈々に統合され始めたのです!」


奈々が記憶を失ったと思っていた現象は、実際には、未来の奈々の愛の結晶が、教授の邪悪なAIを駆逐する、壮大な『愛のシステム・アップデート』だったのだ。

真司は、教授の裏切りに怒りながらも、奈々の時空を超えた、魂の『大逆転』に感動した。


「奈々は、僕を救うだけでなく、君の邪悪なプログラムからも、僕の人生の自由意志を取り戻してくれたんだ!」


真司は叫んだ。

伊達教授は、自分の野望が『愛の力』に敗北したことを悟り、その場で崩れ落ちた。

愛美は、警察に連絡し、教授の不正な研究と、時空を超えた情報操作の証拠を押さえた。

真司は、愛美に感謝の言葉を伝え、愛美もまた、真司への想いを『友愛』という形で昇華させ、痛快な雪辱を果たしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ