6.幻の魚の魔物と、幻の肴
作者:ごんたろう様
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【幻の魚の魔物と、幻の肴】
この少年は貴族出身のテイマーであり、幻と言われる魚の魔物『ゴンラードン』のテイムに成功した人物。
ゴンラードンは幻の肴とも言われるほど美味だとも言われている魔物で、テイムされているのを見た漁師たちが、捕獲の協力を少年に依頼した。
その協力は断った少年だが、せめてその特徴を伝えようと、ゴンラードンそっくりの粘土細工を作ったのだが、漁師たちに渡す前にメイドがそれを壊してしまった。
この絵はちょうどそのメイドが少年へ謝罪している場面で、ゴンラードンも描かれている。
しかし漁師たちからすると、せっかくの粘土細工を壊され、描かれた絵も肝心のゴンラードンは一部が欠けている。
もっと詳細を書くように迫られた絵師が扱いに困り、当美術館に寄贈されたという経緯がある。
当人たちへ許可をとり、今回無事に展示へと至った。
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「あれ? ってことは、この人、今普通にいる人?」
ゲンは首を傾げた。許可を取ったということは、きっとそういうことなのだろうか。
「貴族かー」
なんかとにかく偉い人、というイメージである。お金持ちでふんぞり返っているイメージを持っていたが、まさか同業者にそんな人がいるとは思わなかった。
「食べると美味しいんだって」
ラーちゃんはよく分からないという顔だ。水辺に行くことがほとんどないので、魚にあまり馴染みがないのだ。
「海、そのうち見たいなぁとは思うけど」
ゲンの言葉に答えるように、ラーちゃんがピョンと跳ねる。嫌がってはいないけれど、だからといって喜んでいる様子でもない。
海というものを話に聞いたことはあるが、見たことはない。話を聞いてもいまいち想像できない。機会があれば行ってみたいなとは思う。
ただ、それよりも何よりも、交わした大切な約束がある。今はそれだけを追いかけたいのだ。
「次で終わりみたいだよ。行こっか」
ラーちゃんが肩の上で軽く跳ねた。




