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5.テイマーにとって大事なこと

挿絵(By みてみん)

作者:幻邏様


✎______________

【テイマーにとって大事なこと】


十数年前、テイムした魔物をまるで消耗品のように、雑な扱いをするテイマーが多かった時代があった。

そんな時代にあって、魔物の自主性を認め強い絆を結んでいたこの少年は、“異物”だった。

しかし、少年がテイムしていた「弱い」とされる魔物が圧倒的な強さを見せたことで、人間と魔物の関係性が大きく見直されるきっかけとなったのだ。

この絵に少年の「エース」と呼ばれたスライムは、残念ながら描かれていない。

布に巻かれたままのパンと、少年の視線が横を向いていることから、その視線の先にいたのではないかと推測される。

そのときのスライムが何をしていたかは不明だが、食事中だというのに急かす様子もない。魔物の自主性を大切にしていることが、この絵からも読み取ることができるのだ。

______________



「スライムがエースかー」


 ゲンはつぶやいてラーちゃんを見る。ラーちゃんは体を後ろにそらせて、その顔はドヤ顔だ。


「だったら、ちゃんとカミナリ使えるようにならないとねー」


 ゲンが言った途端、ラーちゃんがそのまま後ろに倒れた。肩から落ちるが、それを分かったようにゲンは手で受け止める。


 ラーちゃんはカミナリを落とすことができる。しかしコントロールできず、いつも自分の上に落としてしまうのだ。練習しようと言っても嫌がってしないので、ノーコンのままである。


「ちゃんと練習……あっ、だから!」


 ラーちゃんが手から抜け出て、逃げるように先に向かう。カミナリの話題を出すと、いつもこの調子だ。


「自主性大切にしてたら、いつまでたっても練習できないよー」


 文句を言いつつ追いかける。


 テイムした魔物が道具扱いされていた時代があったことは知っている。初めてその話を知ったときは寂しかったし、今がそうじゃなくなっていることが嬉しかった。 


 でもそういう時代だったら、ラーちゃんにカミナリの練習をさせることも簡単だったんだろうか、とつい思ってしまった。


 どうやったらスライムが「エース」と呼ばれるまでに強くなれるのか。どうやって練習したのか、教えてほしいなぁと思うのだった。


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