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2.夢の都市を目指した少年

挿絵(By みてみん)

作者:ロータス様


✎______________

【夢の都市を目指した少年】


【夢の都市】を目指して旅を続けた少年。

ユニコーンという珍しい一角獣の魔物、そしてやはり珍しい妖精もテイムしている、テイマーとして優秀だった少年は、ある日突然魔物たちとともに姿を消した。

夢の都市に旅立ったのだとも、夢破れてどこかに隠れ住んだとも言われているが、別の説もある。

すなわち、少年は【夢の都市】出身であり、何らかの理由があり帰れなくなっていた、というものだ。

それというのも、テイムしているもう一体が「スライム」だと言われているが、その姿は普通のスライムとは違うことから、【夢の都市】でテイムしたのではないかと思われているのだ。

研究者による議論が交わされているが、未だに結論は出ていない。

______________


「ユニコーンだ! カッコイイ!」


 目を輝かせるゲンに、ラーちゃんが体当たりをした。不満そうだ。


「大丈夫だよ。ラーちゃんはカワイイから!」


 一切の悪気なくゲンは言ったが、ラーちゃんは体を横にフルフルさせる。否定の意思表示、ということは「そうじゃない」と言いたいのだろう。

 ゲンはラーちゃんをジッと見て頷く。


「うん。やっぱりラーちゃんはカワイイが似合うと思う!」


 またラーちゃんは体当たりをする。それを笑って受け止めたゲンは、改めてラーちゃんの姿をマジマジと見る。不思議そうにしながら、ラーちゃんもジッと見つめかえす。


「そうだよねー」


 再び視線は絵へ向かう。ラーちゃんの体の上部から出ている突起が、くるんと下に垂れている。目も二つ。けれど、描かれている目は一つだ。


「不思議だけど……でもラーちゃんみたいに色が違うスライムがいるんだから、少しくらい形が違う子がいてもおかしくないのかなぁ?」


 ラーちゃんが上下にプルプルしたあと、左右にもプルプルする。


「そうだよね。分かんないよね」


 そのうち何かが分かる日が来るのかもしれないが、別に分からなくても、今こうしてラーちゃんといられれば十分だ。そう思い、次の絵画へと足を進めたのだった。


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― 新着の感想 ―
大人たちから見たラーちゃんは、ユニコーンとどっちが珍しいのか……という、本家視点でも気になっちゃう笑 ゲン少年の純粋さが眩しい…… 絵画ひとつひとつ見ながらも、絆を深めていってるのが素敵(*´꒳`*)
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