表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

下賤(げせん)の君

作者: 黒楓

今日は月曜日。“月曜真っ黒シリーズ”です。




 メスのツバメは優秀な遺伝子を獲得する為に、遺伝的に劣っているオスの目を逃れて“ツガイ外配偶行動”を行う事があるらしい。

 その頻度は、ツガイが密集した環境下では巣の中のヒナの3羽のうち1羽にも上り……しかも同じ優良な遺伝子を持つヒナがいくつかの巣で存在するらしい。


「やっぱり女はメスだなあ~」

 勿論口には出さないが、この記事を読んだ時のオレの感想だ。


 と言うのは

『間違いなくオレの子種だろう』という子供が主役の家族写真付き年賀状が毎年、数枚送られて来るからだ。


 オレは今まで付き合った女の顔は『未婚』・『既婚』・『年齢』を問わず忘れないし、()()()場所も日時もキチンと記憶しているので「ああ、あの時のだな」と思うだけなのだが、8年前に1か月ほど付き合った女と街で出会った時は笑えた。


 その時、一緒に居た彼女のダンナは“オレの子種由来”の子供が『眉目秀麗で頭のデキも優秀だ』と言う事を盛んに吹聴した。

 隣で立っている彼女が余りにも情けない顔をしていたので、オレはダンナの話に合わせ感嘆して見せてやったが……せっかくオレの遺伝子を受け継いで生まれて来たのに『“自分の子供”が誰の子か見分けも出来ない様な』男の愚鈍さが感染してしまうのだろうなあと少々気の毒に思えた。


 ツバメのオスはどうだか知らないが、オレは“自分の種”を見境なく蒔いたりはしない。

 それに値しない女と()るときは“当たり前のリスク管理として”付ける。


 ところがたまに、“価する女”が「付けて!」と懇願する事がある。


 その瞬間にオレは服を着て次の“順番”をこなす為にスマホをタップするのだが、結局、女の方が縋ってオレの服を脱がせ、疲れて果てて眠るまで乱れ、嬌声をあげ続ける。


 それはオレの持って生まれた()()()()だけでは無く……オレが()()()()()()()()を系統だてて記憶し、常に“アップデート”しているから。

 よって満足を得られない女はひとりも居ない。

 女は贅沢だ!

 単なるイケメンで聡明なだけでは満足しない。

 高いステイタスとか意外な優しさとか激しく燃やされる事とか……その欲求は果てしないが、それがメスの本能というものだ。


 ただ、オレも“ボランティア活動”ばかりはしていられないので……“金満マダム”達には文字通りの“ツバメ活動”をヤっている。


 まあ、彼女達は……本能と背徳と享楽の三つ巴の蜜の味に飢えているのだから、それをこちらが満足させてやれば充分な対価を『モノ』・『カネ』・『ステイタス』で支払ってくれる。


 ところが“節操のない女”はここにも居て……オレは『女のダンナと共闘して女を排除する』という新手法を試してみた。


 それはあっさりと成功したのだが、当事者である“大物実業家”から()()()気に入られ、オレの会社の業容拡大に手を貸したいとのオファーを貰ってしまった。


 オレの目下の仕事は『優秀なオレの遺伝子を少しでも多くのすぐれた女達に蒔き広める事』と規定していたのだが……

 どうやら『優秀な働きアリ』の生産もしなければならないらしい。


「今までは“本気の経営”では無かったから業容の拡大にはスタッフの総入れ替えが必須!!しかし“ブラック”の汚名を着せられず、全員を自主退職に追い込むには半年は必要」と返答したら“大物実業家”から更に気に入られた。


 まったく大儀な話だが……

 オレには男色の趣味は無いので、今後は“ヒト転がし”のスキルアップとして“この分野”にも取り組んで行きたいとは思う。




                            終わり


最近、ドス黒い話しか思いつかず困っています。(このお話が一番黒くなかったのです(^^;))


こう言った体たらくで申し訳ございませんが



ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、いいね 切に切にお待ちしています!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ