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1stファイル:『視』える男 松原 文乃

(前書き)

初投稿です。

緊張で死んだんじゃないか?(よわい)

なまあたたか〜い目で見ていただければ幸いです。

時は現代、202×年。


突如増加した霊障に人々は怯えながら過ごしていた。

人を殺す霊、人を喰らう霊、一部の霊を除いて、色んな霊が人々に害をなしている。

夜は外出禁止となり、夜間には霊が溢れかえる世の中になっていた。

この前も、夜間に外出した人の目無しや腕なし死体が朝に発見されたってニュースにもなっている。

そう、夜間は()()()()なんだ。

「………」


俺、松原 文乃(まつばら ふみの)はそんな中こっそりと夜の学校に侵入していた。

そう、それは今日の夜前でのこと…


─────────────


「…というわけで明日から夏休みだが、お前らあんまり浮かれすぎないようにしろよー?」

「「「はーい」」」

夏休み。それは学生が皆々めちゃくちゃ楽しみにしている大型連休の1つ。

高校3年になっても、それは変わらない。

「夏休みかぁ…俺は何をすっかなー。」

かく言う俺も、正直めちゃくちゃ楽しみにしていた。

海で友人たちとスイカ割り…プールでひたすら泳ぐとか…楽しみすぎて何気にワクワクが止まらなかった。


「あ、松原は補習あること忘れんなよー。」

「…うす。」

補習があるということを除けば。

しょーがねーじゃん夜寝てないせいで眠くなんだよ授業…


鳴り響くチャイム。

「それじゃあ先生たちは無事に夏休み明けに皆が来てくれる事を願ってるぞ!くれぐれも夜間の外出には気をつけるように!そんじゃ起立!気をつけ!礼!」

「「「さよーなら!」」」


こうして持つもん持って家に帰った俺は、また夜寝てないせいで眠くなってしまい夜まで昼寝をする事にした。

「夏休みはなげーんだし、この時間は寝てても問題ないだろ…なんなら夜やればいいし…」

この夏休みを長く楽しむために、夏休みの宿題は速攻終わらせる気だそのためにも…。

「ぐぅ。」

軽く飯食って、寝る!


「…はっ…」

起きて、眠気まなこで時計を見る。

18時…外はもう結構暗い状態だ。

「文乃〜、ご飯よ〜。」

「ん…わかったよ母さーん。」


眠気でフラフラしながら、2階の階段を降り居間に行く。

「もー…また朝昼の時間に寝てたのー?」

母さんが若干むくれながら俺を軽く叱る。

「いいじゃん別に…夜はヤツら霊だけの時間じゃないんだからさ。」

「我が子ながら変な反骨精神に目覚めちゃったわねぇ…とりあえず食べましょー。」

「うーい。」


眠気に少し襲われてても、それでも母さんの飯は美味い。

…ここに父さんも一緒に居てくれれば良かったんだけど。


「文乃、夏休みの宿題はちゃんと進めてる?補習もあるんだから、ちゃんとやらないとダメよー?」

「わーかってるって…俺だってちゃんと夏休み楽しみたいんだから、速攻終わらせるって。」

「ならいいんだけど…そういえば、持って帰るものはちゃんともって帰ってきた?」

「当然だよ、ちょっと待ってな、あそこの鞄の中にー……」


鞄の中に…中に……


ない。



──()()!?


「………」

猛烈に冷や汗が垂れる、やべぇ、どうしよう…

「…どーしたの?」

「あっ、いや、なんでもない、なんでもない!とりあえず飯食い終わろう!!!」

「んー…?」


母さんの感が鈍くて助かった……にしても不味いな、補習があるのに夏休みの宿題を机の引き出しに忘れるとか…!

「………」


この時点で、俺はひとつ決心をしていた。

補習の時に回収すると少し時間がかかるし今夜何もやることがなくなってしまう…

快適な夏休みを過ごすためには…母さんが寝てる間に、夏休みの宿題を回収しに行くしかねぇ…!…と。


──────────────

こうして今に至る。

今日の俺はツイてる…夜出るならすぐにでも見えない霊に襲われそうなもんなんだが…今日は何にも絡まれなかった。

いや、もしかしたら俺のスーパーステルステクニックに霊すらも気づいていないのかもしれない…流石は俺だ。

まぁ、俺が何故か他の人よりか霊が『見えやすい』からってのもあるかもだが。


夜の学校は驚くくらい静かだ。

自分の呼吸の音だけが廊下に響いているような気さえある。

「…だからこそ、ちょっと不気味だけどな。

俺の教室はっと…あそこだな。失礼して…よっ、と。」

先生が窓の鍵まで閉めるのを忘れる癖があることを俺は知っていたので、窓から何とか身を乗り出す形で教室に侵入する。


「俺の宿題はーっと…あったあった。」

何とか夏休みの宿題を見つけ、再び窓から廊下に戻る。

「さて…あとは帰るだけだな………」


────その瞬間だった。

背筋にゾクリと嫌な感覚が走る。

もしやと思い、俺は先程まで居た教室の方を向く。



そこには口から血を垂れ流し…顔が裂けたような、見ただけで瞬間的に生理的な嫌悪感が頭の中を支配するような…そんな霊が、俺の方を見ていた。


「……は……やっっっ、べ…!!!」

俺は即座に走ってその化け物から逃げようとする。


「●◇▽◆▼◇▲▽※※◎▼□ーーーー!!!!」

霊は理解不能な金切声を上げ、鎌を持って俺の事を追いかけてくる。

「はっ、はっ、はっ…くっっ、そ、見つからないようにしてたのに…!!!」


曲がり角なんかを上手く使って振り切ろうとするが、相手の移動が速すぎて全然振り切ることが出来ない。

少しづつ、少しづつ…距離が詰まっていく。


「っっっ、あ…!!?」

咄嗟に角を曲がろうとしたせいで足を滑らせ転んでしまう。

「▲■●◇◎◎※▽◆◆◇◇!!!!」

その間にも、霊は俺との距離をどんどん詰めてくる。


「あぁ…」

やっちまった…変に逆張りせずに朝に来りゃ良かった…ごめん…母さん…

霊が鎌を俺に向かって振り上げ…

俺は覚悟を決めたように、目を瞑る…


パァンッ!!!


聞き馴染みのない強烈な…何かが破裂するような音が聞こえ…

「………っ…?」

ゆっくりと、目を開ける。


そこには、俺に振り下ろそうとしていた右手が消し飛んでいる霊と…

拳銃を構えた、1人の青髪の人物が居た。


次回

『2sdファイル:『祓』う女 神園 輝』

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