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企画参加作品

忍者の里に転生したポンコツ大魔王は魔力を取り戻して無双したい!

作者: 暮伊豆

「また三太がビリかよ!」

「おっそ! お前よく下忍になれたな!」

「壁も登れねーし! さっさと辞めろ!」


少し忍術が使えるぐらいで調子に乗りおって! この世に生を受けて十と四年。この百地(ももち)村に生まれたからには(しのび)として身を立てる以外に生きる道はない。


しかし我には忍術の才能が皆無なようだ。分身や火遁はおろか、基本的な術すら使えない有様。


だがそれも今日までの辛抱だ。明日、我は十五歳となる。さすれば前世の力、大魔王サタナリアスとして猛威をふるった魔力が蘇るのだ! そう、我は前世で死の間際に転生の秘術を使い、こうして生まれ変わったのだ!


くくく村の者どもめ、覚醒した我の魔力に恐れ慄くがよい。




そして翌朝。

なんと清々しい目覚めであろうか。感じるぞ。体内に充満する懐かしき魔力を! くくく、これを使えば下等な忍術など容易い! いや、もっと強力な術を見せてくれる!

くくく、ふっふっふ、はーっはっはっはぁー!




さて今日は半年に一度の組頭(くみがしら)昇進試験だ。組頭、中頭を経て幹部たる大頭(おおがしら)へと至る。我のさくせすすとーりーがここから始まる!


「まず的当てだ! 位置につけ!」


試験官は大頭だ。


「次!」


大頭の合図で我も苦無(くない)を投擲する。『金操(きんくり)


「おい! 三太の奴がど真ん中に当てたぞ!」

「しかも的が割れてる!」

「なんて威力だ! 後ろの岩にまで刺さってる!」


くくく。金属を自在に操る魔法『金操』を使えばこの程度のことなど造作もない。




「次は縄登りだ!」


手足の力だけであの細い縄を二百尺も登るなど正気の沙汰ではない。我はサタナリアスだがな、ふっ。


「次!」


よく見ておくがいい! 『浮身(うきみ)

なんのことはない。体を浮かせる魔法だ。くくく軽い軽い。すいすい登れるわ!


「う、嘘だろ!」

「三太が一番?」

「それも圧勝で?」


くくく当然よ。崇め奉れ。


次は火遁の術だな。楽勝だ。


「火遁の準備はいいな? 始めよ!」


ふっ、我に準備など要らぬ。




さて出番だな。さあ刮目せよ!


獄炎(ごくえん)


どうだ! 何もかも焼き尽くす地獄の炎は!


ん? 背中が熱いぞ?



しまったぁー!

魔力は取り戻しても無敵の肉体までは戻っておらん! 熱い! ぎゃぁー!


『水遁』


「おっ、大頭の水遁の術だぜ。一発で消火かよ!」

「それに引き換え三太の奴! 石綿マント忘れてやがるぜ!」

「準備もできねーんかよ! マヌケめ!」


「三太、失格だ。下人からやり直せ!」


ぐぬぅ大頭め。まあよい。我が無敵の肉体を取り戻した暁には貴様など草履取りに落としてくれる。今に見ておれよ!

なろうラジオの1000文字のやつです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔王の力が覚醒したのに何故か忍者の試験を受けるアンバランスさ(笑)。 実際に火を付けなくても幻覚の炎を使ったり、別の場所に火を付け、屈折をさせれば良いのにと思ったり。 何だか憎めない魔王です…
[一言] 魔力が戻っても肉体が戻っていないとは、うっかりですね。 ちゃんと火を制御して、手が燃えないようにしないといけないのに。基本ですよ、基本。いせきんの最初の方に書いてましたよ!えっへん!
[良い点]  途中でどのように〆るのか気になりましたが、なるほどと感じました。テンポがよく面白かったです。 [一言]  読ませて頂きありがとうございました。
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