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二話 サイレント異世界

今は夏休み

外はセミが煩くとても暑くて今年度は気温38度を超えるとこばかり

今日は亜美ちゃんとカフェに来ている

亜美ちゃんはこうみえてアクティブだから外で遊ぶことが多い。

お互い宿題はとっくに最初にやったので、海に遊びにいかない??と電話で喋っていたところ

じゃぁ明日カフェで相談しよーよ!!との亜美ちゃんからの提案。

そして今に至る。

いまだに亜美ちゃんは


「ファー脱いだ方がよくない?熱中症になっちゃうよ」



と涼しげに先ほど頼んだアイスティーを飲みながら心配してくれる。

私も脱げるもんなら脱ぎてーよこんなものと思いながら空返事をし、自分が頼んだ生クリームが乗ったアイスコーヒーをご自慢のお顔の毛につけ優雅に飲んでいる。



亜美ちゃんは私のお顔の毛についた生クリームを紙ナプキンで拭いてくれながら、


「ねぇ!どこ行こっか!!私の家何個か別荘もってるんだけどそこにする??それとも違う所行ってみたい??ワカメがいっぱいな所とか!誰も居ない所とか!!」


長年、いやながくねーな。

亜美ちゃんとここ数ヶ月喋ったり遊んだらして思ったのだが、亜美ちゃん結構怖い系好きなのよ。

今までご実家の教育が厳しかったのか分からないが

一度私の家で夏の特番ホラー特集をテレビでやってたのをみてすごくお目目がキラキラしていたんだ。

だから恐らく、亜美ちゃんは綺麗な別荘がある砂浜のビーチよりオンボロな旅館のワカメや死んだ魚がいっぱいの誰も行きたがらない海を望んでいる。

だって今現に亜美ちゃんソワソワしているもの

携帯わざと私に見えるように検索履歴が、怖い、海、幽霊とかなんだもの。

していることは恐ろしいけどまぁ可愛いから許すよね。



「いいよ。亜美ちゃんが行きたい所行こう。泳げなくても海ってだけで楽しいからね」

と死んだ顔で言った私は今日一番のイケメンだ。



とまぁあれよあれよと海に行く前日になった。

亜美ちゃんがとっても張り切っていて、海の場所決めから旅館決めまで全てやってくれたのである。


「あかりん!!とっても楽しみだね!!あかりんと初めての二人旅行!誰にも邪魔されない二人旅行!!とっても楽しみ!!」


寝る前の電話でなぜかはぁはぁしている亜美ちゃんがいて少し物騒な事を言った気がするけどまぁ気にしない。



当日


「わぁ〜!晴れたね!!あかりんー!電車もうくるよー!」


なぜか亜美ちゃんはいつもの可愛い綺麗めワンピースではなく山に行くみたいな登山スタイルで来ていた。

え?山じゃないよね??と尋ねると


「山じゃないよ〜!海だよ〜!」


私は内心ホッとしつつそのまま電車に乗った。

浮き輪とシュノーケルをつけて。







浮き輪とシュノーケルは、亜美ちゃんに丁寧に電車内で外され亜美ちゃんお手製のサンドイッチを電車内で食べてるところだ。

亜美ちゃんが腕によりをかけたらしくサンドイッチの種類も10はある

照り焼きチキンに、ツナマヨ、ハムサンドに、フルーツサンド。

と、とりあえずいっぱいある。

食後に水筒にアイスティーを入れてきてくれていて、クッキーやマカロンも出してくれた。

私も震える手で鞄の中からお母さんから渡されたせんべいを出しといた。



海に到着


「わぁ〜!あかりん!とっても素敵な所だねー!!素敵な場所にいけそう!!」


と亜美ちゃんは言うが

私的には、え?わたしの美的センス狂ってんの?と言いたいくらい死んだ魚、ワカメ、ゴミ、虫、とりあえずモザイクだらけの海


わたしはため息をついたがまぁ、亜美ちゃんが楽しかったらいいか

と楽観的な考えになり亜美ちゃんに海を見に近くまでいく??と誘おうとしたところ

亜美ちゃんは死んだ魚を後ろで集めていた。


え!!?ちょ!?え!?くっさ!?

知らん間に後ろに大量の死んだ魚が間近で積み上げられていることに気づいて、


「え!?亜美ちゃんどうしたの??」

というと

「一回やってみたかったんだよね〜」

と、うきうきで続けている。



「いや、ちょ、いや、くっさ!!!亜美ちゃんなにしてるの??」

もう一度尋ねてみると、

亜美ちゃんは黙って私と死んだ魚を囲んで魔法陣を書いていた。


え?厨二病??誰が育てたの?亜美ちゃんなにしてるの??とわたしの脳内はパニック状態。

おのれぇ!

亜美ちゃんにこんな厨二病的な事教えたのはだれだ!

とブチギレながら色々走馬灯のように自分の部屋に来た時の亜美ちゃんを思い出していた。



〜〜数ヶ月前の春〜〜



「ねぇー!あかりん!この本ってなぁに??」


「ああそれ?魔法陣の書き方だよ。こっちは悪魔召喚の本。あっちは宇宙人を呼び寄せる本」


「へー読んでみてもいい??」


「いいよー」


「この死んだ生き物を魔法陣の真ん中に人間と置くとどこかちがう世界に飛ばされるってやつ、生き物なら何でもいいの?」


「んーどれ…あぁこれか。下に書いてある説明だと死んでたら何でもいいらしいねー。でも量が多ければ多いほど成功するみたいだね〜まぁこの世界に魔法なんてものはないけどね〜アッハッハ」


「…そうなんだぁ」



〜〜過去回想終了〜〜



私じゃねーか!!!!

心当たりあるじゃねーか!!

いや何他人に責任転換なさりつけようとしてんだよ

おもっくそ私じゃねーか。

え?なに?あのあとそういえざ亜美ちゃんこの本持って帰ったっけ??え?興味もっちゃったの??

まじか〜〜所詮ファンタジーだから魔法陣書いても意味ないけど。

これなにも起こらなかったら亜美ちゃんしょげるかなぁ

まぁそうなったらいつもみたい励ましてあげればいいか

とりあえず書き終わったのかな??

臭い匂いは消えたけど。


ここまでなんとわたしは目を閉じていた。

だって近くに死んだ魚が大量にあるんだもの

現実逃避したいわ。


だから亜美ちゃんが魔法陣を描き始めた段階から目を閉じていたのだ。




「亜美ちゃんおわった?」





シーン

え?無視?




「亜美ちゃーん?聞こえてるー??」





シーン

え。

目開けるの怖いんだけど

何にも考えないようにしてたんだけどそういえば

さっきまでしてた海の音がしない。電車の音もしない。死んだ魚の腐った匂いは亜美ちゃんが退けてくれたと思ったけどよくよく考えてみればおかしい。

あんな大量の魚どうやって一瞬で一人で退けるんだよ


え??目開けるよ??

開けるよ??

いいのね??

オラァァァァァァ!








「え??ここどこ??」



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