序章 とりあえずゴリラの理由を聞いてくれ
どうもこんにちわ
私はそこら辺にいる極々普通の一般人14歳の時枝あかりです。
いや、普通ではないですね
まずは私のご両親からご説明致しましょう。
私のご両親はそれはとてもとてもどちらも顔がとてもいいのです。性格もよし。体格もプロ級。仕事も母がモデル父がパイロットとかなり漫画やアニメのような設定の両親です。
まぁ上記をお読みいただきけた方ならわかると思います。
まぁそうですよね?二つに考えてこの両親から
生まれてくる子供は絶世の千年に一度の美女!!!ってくらいの考えになりますよね???まぁそうですよ。
周りも両親も私もそう思ってましたもん。なんなら私母親のお腹の中から期待に満ちてましたもん。
そこからびゅーっと時は達ち、
さぁいよいよ私の誕生日ですね。
母の神聖なる入り口からおぎゃーと美少女が、
生まれようとした瞬間です。
さぁみんな期待に満ちてますね。顔が。
さぁ、私はウォータースライダーかのように母の入り口へずどーん!っと到達したいところなのですが頭がでかかったので入り口で詰まりました。はい。普通ですね。そんな勢いよく出ないですね。まぁ、色々置いておいて私誕生。
「おぎゃーーーっ!!」
「きゃー!!ようやく私のベイビーに会えたわ!!さぁどんなお顔をしているのかよく見せ…て…?!」
と母が私の顔を見た瞬間
「…?看護婦さん??え?…赤ちゃん毛深くね?」
そうなんです。私とっても毛深く産まれました。
「…。そうですね。まぁ大丈夫ですよ。セイチョウトトモニフツウニナリマスヨ。」
と医者は横で言っているが、お前めっちゃ笑ってるやん。
肩震えてるやん。
後ろの看護婦どもボソッとゴリラって言ったの知ってるからな。
眉毛が繋がってるとかで笑ってるお前許さないからな。
今日夜中にこの病院に響渡るような声で泣いてやるからな。
とまぁまぁ私はとてもそこの病院に印象深く名を刻み付け産まれました。
まぁこの時点では顔はみんな見てなく毛深さだけが印象だった為私の顔事情なんてわからないままでありました。
そして時が経ち
3歳、5歳と変貌をとげていく私に両親が何かに気づきました。
「…。え…めっちゃゴリラじゃね?」
「あなた…。そんなこと……あるわ」
あるんかーい。
いやお前ら産まれた時点で覚悟しとけや。
少ない期待を抱いて育ててきてんじゃねーぞ。
よく見ろ。白のフリフリとか着せるんじゃねぇ。
色々事故ってんだろうが。ゴリラが服着てきゅるるんとかになってんじゃねーか。おい母。バナナ持たせるな写真撮るな。父そこで肩震えてんじゃねーよ。笑ってんじゃねーよ。
とまぁ色々ありましたが一応両親的はとりあえず楽しかったらしく特に妬みも怒りも当たらないまま普通の一般家庭として育ちました。
そして中学へ上がっていく時に私はようやく自分の事に違和感を感じ始めました。
中学生となると、思春期の年。いわば女の子と自覚していく中でおしゃれを気にする年齢ですね皆さん。
そうです。全身鏡で見ると
「え?ゴリラじゃね?」
はい。ここでゴリラだと自覚しました。
上記の長ったらしい語りはここで私がゴリラだと自覚した瞬間の愚痴を書いてました。
「え?どこからどう見てもゴリラじゃね?人間としての要素ある?」
っていうぐらいゴリラ感マックス。
てかなんだよ。ゴリラ感ってそんな言葉ねーよ。
だけど今の私にはとても必要だ。だれか辞書に載せてくれ。
と淡い期待をいだきつつ辞書をひらくがまぁ載ってない。
当たり前だのクラッカーだ
とりあえず落ち着こう。
顎を引いて靴下もタイツにして
マスクもして帽子は…校則的にアウトだな…、
頭部はカチューシャでごまかそう。
てかタイツなんだよタイツという繊維の隙間からめっちゃ、毛でてるやん。
私普通のタイツ履いてるのにファーみたいになってるやん。
というか小学生の時に遊んでた奴らあいつらなんで、違和感なく私と遊んでたんだよ。なんか言えよ。
「あーちゃん。チューペットあげるねー。」
あいつらいつも笑顔でチューペット半分こしてきやがって。
「あーちゃん。きなこいっぱいお毛毛についてるよー。」
きなこ棒体についたらみんなではたき落としてくれて。
「あーちゃんとあそんだらとってもたのしいねー!」
あいつらなんだよいい奴らかよこんちくしょー。
とりあえず小学校は大丈夫だった。
けど実は両親の都合で前回通っていた街とは違い引っ越したのだ。
今回は訳が違う。だって先ほど街に繰り出した際にみんなめっちゃ見てきたもの。コソコソとえ?ゴリラ?って聞こえてきたんだもの。だから私は家に帰っておしゃれしようと鏡を見たのだ。実際みるとオシャレでどうにかなる問題ではなかったのだ。
中学入学から時は立ち中学三年のクラス替え。
まぁそうなるよねあだ名。
ゴリラだよね。逆にもう違和感ないわ〜
もうしっくりきてるよね。問題なく受け入れたもん。
入学当初なんか先生が
「時枝は…性別は女せ…メスか?」
って聞いてきたもん。
いや、言い直すなよ。というか。プロフィールみろよ。
ついでに私の足元みろよ。スカートだろうが。
なんていうか、色々長々と自己紹介しましたが、普通の年頃の女の子だったら多分この状況だと鬱になって家からでないのかな?
って思いながら
能天気に中学三年最後の一年をゴリラとして青春するのは難しいので健やかに健全に生きて行こうと思います。