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7.35.踏破!!


 ダンジョンを突き進んで一日が経過しただろうか。

 灯りがないので時間の経過がよく分からん。

 だが一度睡眠をとったので、確実に一日は経過しているだろう。


 見張りは勿論俺がやりました。

 何故って実際の所寝る必要とかないからな。

 この姿だと特に。


 まぁ何もなかったわけなので、起きてすぐに攻略を再開した。

 そして現在は最下層にいるわけなのだが……。


『こりゃまた盛大なお迎えだな……』

「多いねー……」


 岩の陰から顔を出して奥の様子を目視で確認する。

 そこには大量のゴブリンがたむろしていた。


 結構近くまで接近してきているわけではあるが、見ただけでも百は普通にいそうだ。

 これは少し面倒くさい。

 最後の最後で数で攻めてくるとはな……。


 一体一体は大して強くはないのだが、ここまで群れてこられると流石に警戒をしなければならない。

 どんなに弱い敵でも数に物をいわせてくるのであれば、その脅威度は跳ね上がる。

 これはアレナ一人では荷が重いだろう。


 アレナの技能は多対戦には向いていない技能ばかりだからな。

 一対一で真価を発揮する。

 補助の役割としても逸品だが、ここは俺が先行した方がよさそうだ。


 俺はアレナに作戦を伝えるため、一度顔を引っ込ませる。

 無限水操でこの場所のマップを作って、自分たちがいる場所とゴブリンがいる場所をアレナに教えた。

 そしてから、俺が多連水槍で敵を一網打尽にしてから、アレナに残党を処理してもらう策を教えたのだが……。


「私もできるよ?」

『え?』

「一ヵ所に集めるから、それを応錬が倒してくれる?」


 一ヵ所に集める?

 そんなことができる技能なんて、アレナ持ってたっけ?


 でもそれが可能であれば、俺も全ての多連水槍を正確に操る必要はなくなるな。

 失敗しても無限水操でカバーできるし、ここはアレナに任せてみるとするか。


 俺は頷いてアレナの作戦に乗る。

 任せられたアレナは少し上機嫌になってから、また顔を覗かせてゴブリンの群れを凝視する。

 片手を伸ばし、狙いを定めるようにして一つの技能を呟いた。


「『グラビティドーム』」


 透明な何かが、アレナの指定場所から広がっていく。

 それはこの洞窟を完全に覆ってしまう程に大きいものであり、壁に当たって止まったように思えた。

 だが俺たちの場所までは来ていない。


 すると、ゴブリンが一斉に中央に引きずられ始めた。

 何が起こっているのか理解できないゴブリンは、必死にそれに抵抗しようと爪を地面に立てたり岩にしがみついたりしていたが、最後には力負けしてしまって中央に集まっていく。

 ギャワギャワとうるさいが、アレナは満足げにこちらを見た。


 グラビティドーム。

 そう言えばこれ、このドームの中の重力を自由に変えることができるんだったな……。

 それで……中央に重力を集中させたという訳か。


 じゃあさっさと片付けてしまいましょう。

 

『『水弾(斬)』』


 一ヵ所に集まっているのであれば、これだけで充分である。

 これの熟練度も上げておきたいし、今回はこの技能だけでゴブリンを掃討することにしよう。


 暫く切れる水の弾を発射し続け、周囲が血生臭くなっていく。

 よく考えたらこれゴブリンの肉抉っちゃう。

 まぁいいか。


 というわけで全て倒しきったので、後はガツガツと食べていくだけである。

 なーんかゴブリンってあんまり食感良くないから食べにくいんだよね。

 まぁ残しはしないけども。

 経験値も手に入らないけども。


「おわったー!」

『むぐむぐ……確かに、このダンジョンはここで終わりだな』


 まぁ、今回は自力で帰らないといけないんですけどね。

 でも魔石があるので、サレッタナ王国には簡単に帰ることができる。

 俺の分もあるので、おいていかれるということはない。


 ゴブリンも全部食べたところで、早速帰ろうとアレナに言おうとしたのだが……。


「ねぇねぇ。なんか物足りなくない?」

『へ?』


 物足りないって……。

 まぁ確かに俺のレベルもあんまり上がらなかったし、アレナもそんなに本気で戦ってなかった。

 技能任せにしていた節もあるので、このダンジョンに満足したかと言われると、そうではない。


 強い敵も出てこなかったし、なにより魔物の数が少なかった。

 ギルドに管理されているダンジョンに潜った時は、凄い充実感があったのは確かなのだが……。

 いや、まぁそもそもあそこはBランクダンジョンではなかったけども。


「じゃあさ! もう一個の方行かない?」

『確かに帰り道にあるけど……Cランク帯が推奨されているダンジョンだぞ……?』


 アレナの提案に、少し首を傾げて悩む。

 確かにそこであればもっとレベルも上がるだろうし、敵も出てくるはずだ。

 しかし今は一人と一匹だ。

 でもアレナも強いし、それなりに経験を積ませておきたいっていうのもあるが……。


 俺だけで大丈夫か?


「よし、決まり! 行こう行こう!」

『っておい……。はー、まぁいいか。戻って魔石もう一回買うのもあれだしな』


 ま、何とかなるでしょ。

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