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7.27.スポットライト


 あれからもう少しこれからの事を話して、ドルチェの店を後にした。

 明日にでもイルーザの所に鳳炎が向かうらしい。

 俺とアレナも付いていくことになっているが、リゼはついてこないようだ。

 なんでも一日居なくなるとメリルがうるさいらしい。


 まぁそれは向こうの事情なので、俺たちは俺たちで捜査を開始することにする。

 兎にも角にも明日からなので今日は眠りについた。

 ……はずだった。


「……あれ!? 俺人間に戻ってる!? ……って……ここかよ……」


 人間の姿に戻っていることに感動したのも束の間。

 俺には一つのスポットライトが当てられていた。

 ここはあの人差し指が出てくる謎の空間だ。

 だがまだ俺以外のスポットライトは見受けられない。

 まだいないのだろうか。


 すると、右側でもう一つのスポットライトが照らされた。

 そちらの方を見てみると……。


「!? 零漸!?」

「え? あれ!? 兄貴じゃないっすか! 何してるんすか……? てかここ……どこ……?」


 なんだ……?

 前は声や音などは一切聞こえなかったが、零漸の声はしっかりと耳に届いている。

 というかこの空間に俺以外の奴が来ることに驚いているのだが……これはもしや……。


「ん? ……ん?」

「やっぱりか……」


 鳳炎が召喚された。

 いや言い方は間違っている気しかしないけどね。


 俺たち……転生者がここに集められようとしている?

 とすればもう少しするとリゼも……。


「え!? 何!?」

「来るよねー」


 急に妙な空間にきて困惑している鳳炎と、驚いているリゼ。

 やはりここには俺たち転生者が集められている。

 しかしあの妙な連中はまだ来ていないな……これはどうなっているんだ?


「応錬、なんであるかここは」

「俺にもわからんが、二回ほど来たことがある。その時は妙な連中がいたんだがな……。今回は声も聞こえる……」

「夢?」

「じゃない……いやこれ夢か? 夢なのか?」


 なんか俺にも良く分からなくなってきたぞ。

 でも俺たちは寝ているから、ここは夢であると考えるのがいいかもしれない。

 しかしここまで意識がはっきりしていると逆に気持ちが悪い。

 空とか飛べないのかな。

 無理だったわ。


「兄貴、これどうするっすか?」

「俺に言われてもなぁ……。いつもだったら変な奴らが出てきて、ジェスチャーで何かを伝えに来るはずなんだが……」

「ジェスチャー? 声が聞こえないんすか?」

「俺の声は聞こえるらしいんだが、向こう側の声が一切届かないんだ。でも何かを伝えようとしているのは事実なんだが……下手くそすぎてんなんも分からん」

「そりゃ悪かったねぇ!!」


 初めて聞いた声に全員が驚き、後ろを振り返る。

 するとそこにはまた一つのスポットライトが男性を照らしていた。

 飾りつけの多い白い服を着ている青年。


「ああ、こいつだよこいつ……って喋ったか!?」

「遅いね? すっごく反応遅いね?」

「うるさいぞ人差し指」

「誰が人差し指だって!? 違うからね!!」


 なんだこいつ、めっちゃ喋るじゃねぇか……。

 というか何で喋れるようになったんだ?

 いや、違うか。

 俺がこいつの声を聞けるようになった、って言ったほうが正しいな。


 まぁそんなことはどうでもいいので置いておこう。

 会話ができるのであれば何も問題はないからな。


「!? あれ!? 技能が使えないっす!」

「なんだと!? ……本当だ! どうなっているのだ!」

「ああ、ここは精神世界みたいなものなんだ。だから技能は使えないよー」


 せ、精神世界……?

 夢の中とはまた違った場所だというのか?

 ああーこいつの存在も、こいつが言っていることも全く意味が分からん。


「で、お前は誰なんだ」

「ああ、そうだったそうだった。あの時はこちらの声が聞こえなくて難儀してたんだったね」


 白服の青年は、一度距離を取ってから俺たちを一人一人見ていく。

 その後、また優しそうな笑みを浮かべて、信じられない言葉を口にした。


「初めまして、応錬君、鳳炎君、零漸君、リゼ君。僕は天の声だよ」

「「「「はぁ!?」」」」

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― 新着の感想 ―
[一言] 天の声は天の指だった…?(迷推理)
[一言] 辞書……お前、喋れたんか……(混乱
[一言] 天の声≒人差し指
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