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5.12.落ち着け


 謎のおっさんが突然現れて斬りかかって来たけど……。

 結局何がしたかったのか分からないし、あんまり関わりたくないので俺はおっさんの無事を確認したところで退散することにする。


 これ以上関わっていい事なんてない気しかしないしな!

 という事で、さっさと城壁から退散します。


「待たんかー!!」


 待てっつって待つ阿呆が何処の世界にいるんだよ!

 俺はこのまま逃げさせてもらうぜ!

 なんかあったらマリアに怒られそうだしな!

 他の冒険者に迷惑かけるわけにもいかないし、退散だ!


「待てと……言っているだろうがぁ! ウィンドウォーク!」

「はぁ!? ありかよ!!」


 なんか空走ってんだけどあのおっさん!!

 何々ナニナニ怖い怖い怖い!

 なんで俺にそんな執着してくるんだよ気持ちが悪い!


 ていうかはっや!!

 もう追いつかれるんだけど!


「ええい! 何だってんだよ!」

「待たんかぁ!」

「とりあえず剣置けよ! 『鋭水流剣』!」


 それがどんだけ高い剣か知らんが、これで斬り飛ばさせてもらうぞ!

 うおらぁあ!


 パッキィイン……。


 甲高い音を上げておっさんの持っている剣が真っ二つに折れて飛んでいった。

 流石に剣を折られるとは思っていなかったのか、とんでもない顔をして驚いている。

 ていうか……。


「お前落ち着けよ!」

「よくも俺の剣をおおおお!!」

「うわぁお! めんどくせぇなおい!! 『水捕縛』!」


 足元に水捕縛を展開し、おっさんをそこに行くように蹴り飛ばす。

 油断していたのもあるだろうが、おっさんはたたらを踏んで水捕縛の所まで行ってしまった。

 そして発動。


 腰あたりまで水が飛び出して拘束する。

 これであれば死なないだろうし、話も聞くことが出来るだろう。


「ぬぐぅうう!? なんだこれは!!」

「はぁ……。ちょっと落ち着け脳筋。まず聞くけどお前誰」

「俺の事を知らないだと!? 俺はサレッタナ王国騎士団副長のツァール・カーフェードだ!!」

「……おおん?」


 なんて?

 騎士団??

 なに、騎士団って脳筋ばかりの集まりな訳……?

 ていうか全然騎士団っぽい格好してないし……私服っぽいんだけど。


 あーでも騎士団か。

 それならあんなトンデモ技能持ってるのも頷けるなぁ……。


「てかお前騎士道精神はないの!?」

「あ、あるに決まっているだろう!」

「いや、だってさっき俺何も準備してないのに斬りかかって来たし、言葉遣いきったねぇし!」

「そ、それは……それはお前が強いと分かったからだ!」

「だとしても不意打ちは駄目だろ!」

「というか言葉遣いが汚いのは余計だ!!」

「いや事実だろ!!」


 え、なに?

 騎士団ってこんな奴ばっかりなのか!?

 こいつを基準にするのが間違っているとは思うけど……。


「てかお前何しに来たん?」

「俺はマリアギルドマスターを探しに来たのだ!」

「マリア? 下にいたと思うけど……」


 ってそうだこいつ騎士団じゃん!

 これはあの事について聞いとかなきゃ。


「つーかお前らなんで戦わないんだよ。国を守る為って言っても冒険者だけに任せるとか駄目だろ」

「その事について話があるのだ! マリアギルドマスターにな!」

「だったら最初からそう言えよ……」

「言おうとしていたではないか!」

「いつだよ!!」


 言う素振りすら見せなかったくせによくいけしゃあしゃあと!!

 本当にこのままぶっ飛ばしてやろうか!


「応錬君?」

「ツァール?」

「「えっ」」


 背後からマリアの声が聞こえた。

 ばっと後ろを振り返ってみれば、やはりマリアが立っている……それも笑顔で。

 ツァールの方も同じな様で、ツァールに似ている男性が城壁の外から登って来た。

 どうなってん??


「応錬君、君は一体何をしているのかな?」

「い、いや……。ツァールとかいうおっさんが襲い掛かってきて……」

「お、お前! どうしてロイガーの前で!!」

「んあ? でもそれは事実だろう? ……おいどうした。顔青いぞ」


 なんかツァールの顔から血の気が引いていっている……。

 どうしたんだ。


「ツァール兄さん」

「い、いや待て弟よ! 俺はそんなに悪くないと思うぞ多分な!」

「今回は本気で痛くします」

「ま、まてまてまてまぎゃあああああああああああ!!!!」


 いっやぁ……コメカミぐりぐりは痛いよねぇ……。

 ていうかロイガーとかいう奴、初撃思いっきり殴ったよな。

 ゴンっていったぞ。


 俺の水捕縛で動けなくなってるから、避けれなかったんだな。

 すまんな。

 でも俺完全に悪くないから。

 全部お前のせいだから……。


「すいません。お話はもう少し痛めつけてからでもよろしいでしょうか?」

「任せるわ」

「感謝します。ふん!!」

「あっ──」


 今嫌な音ならなかった……?

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