第2話 海の光 (前)
驚き
「ただいまの時刻、夜7時55分。場所、春日邸。そちらはどう?ブラックローズ」
白い服を着たショートカットの怪盗が無線に話しかける。
「こちらブラックローズ…って、なんでホワイトローズがいるのよ!!」
「ここはちょっと厄介だからね。警備が超厳重らしいの。だ、か、ら、ブラックローズが心配で…」
「嘘をつくな!私の手柄を横取りするつもりでしょう?自分の立場が危ないからって…」
ホワイトローズはブラックローズが無線の前でむくれているのが想像できた。
「お黙り。そろそろ時間よ」
「後5秒…4…3…2…1…」
ブラックローズは無線を胸ポケットにしまい、変わりにマイク付きイヤホンを付けた。
「突入!」
ブラックローズが言う。
ガシャン。
ブラックローズは派手に窓を割った。
「あら、本当。警備がすごいことになってるわ」
『そうね。厳しいっていうより、ヒドイことになってるわね』
イヤホンからホワイトローズの声が聞こえる。
突入した部屋は警備員はいたものの、みんな眠ってしまっていた。
「そっちも警備員が…?」
『眠ってるわね』
「ここの警備、厳重じゃないんだけど…?」
ホワイトローズはイヤホンから聞こえるブラックローズの声に怒りが感じられた。
「そうねぇ。まぁ、いいじゃないの。部屋の場所は分かってるわね?」
『1階の奥でしょ?分かってるわよ』
ホワイトローズは話をそらす。
「じゃぁ、警備員がいたら片付けつつ、部屋に向かうわよ!」
『私が先につくから…』
「なにかいった?」
『べっつにー?』
2人は2階の端と端の部屋から飛び出した。
そして、中央階段につくと2人は階段を下りる…というより飛び降りた。
「あっちね」
2人は並んで走っていた。
「ブラックローズ、ストップ!」
部屋の前の通路でいきなり止められた。
「…?」
「ほら、目の前!」
ホワイトローズはクィっとあごを動かした。
ブラックローズは気を集中させて目の前を見た。
「センサー?かなり薄くしか見えないけど…」
ホワイトローズは爆弾のような物を取り出し、センサーに投げる。
2人はドアのほうへ走った。
センサーはドアのすぐ前でなくなっていた。
「ねぇ、ホワイトローズ…今の…」
「普段なら5秒のはずが3秒…?」
そう、普段なら5秒間有効のはずが、たった3秒しかもたなかったのだ。
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