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王道(キング・オブ・ロード)な異世界転生物語  作者: 下っ端労働者
第1章【転生者イトウ・オウスケ】
9/17

9話・魔法の勉強

 

 ––––翌日。


 俺はクロン、シロンと共に町の空き地にいた。

 そこは町が決めた魔法演習場である。

 最も今では新しい演習場が出来た為、皆そちらの方へ行っているので古い方は殺風景だ。


 けれど俺は静かな方が好みなので、寧ろ有難い。

 人混みは面倒だし、なんか不安になるんだよな。

 こうして俺達三人だけの方が落ち着く。

 魔法は精神面に影響され易いそうなので、リラックス出来る環境の方が望ましいだろう。


「まずはこれに触れてみてくれ」

「何この……石?」


 クロンが持っているのは様々な色の小石だ。

 形も不均一で、余り価値があるようには見えない。


「これは魔石だ。魔力の波動に反応する」

「魔力の波動?」

「魔法の適性だ。人間は産まれながら、その波動が絶えず身体中を駆け巡っている。魔法の属性は七つあり、波動もまた七つある……例えば火属性の魔石に触れ、反応したらその者には火属性の適性がある、と言う事だ」


 成る程、彼女の説明に納得する。

 魔力の波動=属性適性ってワケか。


「とりあえず全部に触れてみてくれ」

「普通は一つか二つだ。私は風属性を持っている」

「私は二つ、火属性と光属性だよ」


 波動の数、種類は才能に依存するようだ。

 そもそも波動が流れていても、微弱だと魔石は反応しない。

 波動そのものは流れているが、魔法が使えない人間はこの世に幾らでもいるとクロンは言う。


「じゃあ、まずはこれ」


 赤い小石を受け取る。

 多分、火属性の魔石だろう。


「触れながら念じるんだ。川のように流れる波動を、魔石へ注ぎ込むイメージを忘れるな」

「……」


 言われた通りにイメージする。

 すると、段々魔石が熱くなってきた。

 次第に魔石が発光し始める。

 これは……アタリか?


「おめでとう。君には火属性の適性がある」

「私と同じだねっ」

「はは、とりあえず一つは使えそうで良かったよ」


 魔法の才能を授けてくれてありがとう、神様。

 なんて風に思いながら、他の魔石にも触れてみる。


 緑色の小石、風の魔石––––適性有り。

 青色の小石、水の魔石––––適性有り。

 茶色の小石、土の魔石––––適性有り。

 黄色の小石、空の魔石––––適性有り。

 白色の小石、光の魔石––––適性有り。

 黒色の小石、闇の魔石––––適性有り。


 結果、俺は全ての属性に対応していると分かった。

 本当にありがとうございます、神様。

 けど……少しオーバースペックなのでは?

 クロンとシロンが驚きすぎて放心してるよ。

 いつも笑顔なシロンでさえ、無表情だ。


「…………」

「…………」

「あ、あのー」


 二人が元の調子に戻るまで、数分を要した。

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