表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王道(キング・オブ・ロード)な異世界転生物語  作者: 下っ端労働者
第1章【転生者イトウ・オウスケ】
3/17

3話・町

 

「いやあ、護衛をケチって雇わなかったのが運のツキだと思いましたよ」

「よろしければ、次の町まで俺が護衛しますよ」

「本当ですか⁉︎ それはありがたい!」


 アキードさんは子供のように喜ぶ。

 俺としても、このまま歩くのは面倒だと思っていた。

 馬車に乗せてもらえるなら万々歳である。


「お礼は町に着いてから、という事で」

「はい、問題ありません」


 アキードさんの馬車が馬に引かれて動き出す。

 馬が生きていたのは、不幸中の幸いだった。

 最悪俺がアキードさんを背負って走る羽目になっていたと思うと、うん、生きててよかったお馬さん。


「貴方のお名前を聞いてもよいでしょうか?」

「勿論。伊東王助です」

「ふむ、東の島国出身ですか?」


 東の島国?

 日本に似たようだ国がこの世界にもあるのか。

 面倒なので適当に誤魔化しておく。


「近くて遠い、ですかね」

「まあ、あの辺りには島国が多いですから」


 その話題を皮切りに、この世界の国について、可能な限りアキードさんに教えてもらう。

 まず、今俺達が立っている大地は『龍神大陸』。

 大昔に龍神が創造したと言われる大陸だ。


 そして龍神大陸には、三代国家と呼ばれる国がある。

 安定した国力のリヴァイアサン王国。

 世界一の軍事力を誇るベヒモス帝国。

 大陸唯一の空中浮遊国家ジズ皇国。


 今居る領土はリヴァイアサン王国のものである。


「空中浮遊国家、ですか」

「ええ、私もいつか行ってみたいものです」


 国そのものが観光地のような所らしい。

 本当に、巨大な大地が浮いているとか。

 ただ、そこへ向かうまでの渡航費が物凄く高い。

 一般人の平民にはまず出せない額で、貴族でも下級貴族では難しく、上級貴族か一流の商人でないと行く事すら難しい国なのだとか。


 俺もいつか行ってみたい。

 空を飛ぶ大地とか、男の子の心をくすぐる。


 因みに貴族というワードが出てきたが、リヴァイアサン王国では身分制度が絶賛稼働中のようだ。

 王族・公爵・侯爵・伯爵・男爵・子爵・騎士爵と七段階に分かれており、その階級は絶対である。


 とは言え、王族の地位は不動だし、騎士爵も活躍した平民に叙爵される爵位で領地は持てない。

 実質五段階と言っても、差し支えなかった。


 しかし、身分制度か。

 日本で住んでた身としては、新鮮である。

 それから出会う人に対しての言葉遣いは気をつけよう。

 実は貴族で、不敬罪で殺されます、なんて耐えられない。


「あ、町が見えてきましたよ」


 アキードさんが言う。

 町は外壁に囲まれていた。

 魔物避けの為だとか。

 あの外壁そのものに、魔物を寄せ付けない魔法の加護が付与されているらしい。


 関所の門を通り、いよいよ町へ入る。

 ワクワクでいっぱいだった。

6話まで一時間更新です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ